Fate辞典-ト

「Fate/stay night」「Fate/hollow ataraxia」の用語辞典です。

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投影 とうえい

 グラデーション・エア。術者の創造理念(イメージ)が真作を再現する特殊な魔術。魔力によってオリジナルの鏡像を物質化する。
 強化・変化の上位に位置付けられ、この系統の魔術の中では最高難度。万能タイプの凛だが、彼女には使えない(学べば習得できるかどうかは不明)。

 一から十まで全て魔力で再現する上に、人間のイメージは穴だらけである事からオリジナル通りの性能など望めないのが普通なので、ぶっちゃけ非常に効率の悪い魔術。しかも投影した物は幻想であるが故に世界に修正され、魔力の気化に応じて段々と薄れていき(故に「グラデーション・エア」なんだろうか?)、存在できても僅か数分程度。
 故に投影した物よりも実在する材料からレプリカを作った方が実用に耐えるし、既存の物に強化の魔術を施した方が性能もその持続時間もはるかに上だったりする。
 例えば既に失われたオリジナルを数分間だけ自分の時間軸に外見だけ映し出して代用する魔術であり、今では儀式の際に用意できなかった道具の、その場限りの代用品を作り出す為に用いられるのが通常。
 ……にもかかわらず士郎やアーチャーの投影はこの常識を覆し、宝具の能力までも再現してしまうわほっとけばいつまでも存在し続けるわというデタラメぶりである。

 加えて士郎(そして作中で明言されてはいないが恐らくアーチャーも)の投影品は魔術師による鑑定を以ってしてもそう簡単に偽物だと見抜かれる事はない。構成をチェックするタイプではまず見破れないし、霊媒系の術者なら違和感に気付く可能性はあるが、そもそもそちらに鑑定をまわされるのは曰く付きの品に限られる。
 思いっきりイリーガルなので士郎は凛流の冗談だと解釈している(したがっている)が、当の凛本人は既に本気で士郎の能力を利用して金儲けをする事を計画しているようである。個人的には美術品の贋作じゃなくて、普通に実用性のある物を投影して売った方が危険性は低いと思うのだが。

 しかし基本的に士郎が投影できるのは武器関係、それも剣に限定された武装で、近代兵器は投影さえ出来ないそうな。盾や鎧はかろうじて引き出せるが、効果は瞬間的なもので代償は大きいとの事。

 少なくとも士郎はAのレプリカであるA´を解析してAを投影する事はできない。現物、もしくはその情報(セイバーとの繋がりを通して見た夢、イリヤの中にあった記録等)を必要とする。オリジナルの設計図であっても後者の例には該当しない。
 また、魔術回路に設計図だけを待機させてひとつずつ具現化させて行く事も可能。本編では魔術回路が一部しか目覚めていない状態で最大十七の設計図を待機状態にさせておく事が出来た。

 なお、彼の場合具体的には

 ・創造理念
 ・基本骨子
 ・構成材質
 ・製作技術
 ・憑依経験
 ・蓄積年月


 以上の要素を再現するという工程を経ているそうな。
 もっと詳しく書くと、創造の理念を鑑定し、基本となる骨子を想定し、構成された材質を複製し、製作に及ぶ技術を模倣し、成長に至る経験に共感し、蓄積された年月を再現する、との事。

 ちなみに本編では投影魔術として区分されてはいるが、イリヤも言っているように士郎・アーチャーのソレは一般的に知られる投影魔術とは厳密には違う。
 その精度の次元が違うという長所は上でも述べた通りであるが、かわりに短所として本来の投影魔術ならば可能である「既存のモノに投影を重ねて補強する」という行為が不可能。
 彼等の本来の魔術は大元が心のカタチを具現化する「固有結界」であり、投影も強化もそこから零れ落ちた物。故に一から十まで全てイメージして初めて実現できるのであり、前述のような行為は不可能なのである。



等価交換 とうかこうかん

 魔術の世界における基本原則であり、士郎やアーチャーが壮絶に無視している概念。
 一般人の視点からすればいかに非常識な現象であろうと、魔術はその為に相応の代価を支払っている。簡単に言うとこの世に既に存在する物を別の場所から持ってきているようなもの。質量保存の法則をイメージするとわかりやすいかも?
 つまり士郎やアーチャーの投影魔術のように、この世に存在しない物を存在させるという事はこの原則から逸脱しているという事になる。



道場 どうじょう

 衛宮邸にある道場。道楽で建てられたらしい。昔は藤ねえの遊び場だった。
 士郎は切嗣存命時によくここで鍛えてもらっていた。現在は肉体的な鍛錬をするのが日課となっている。セイバーが来てからは久し振りに剣道場として使用されるようになった。
 雰囲気を気に入っているらしく、そのセイバーがよくここに居る。
 掛け軸には「無想」と書かれた物と、「則天去私」と書かれた物がある。書かれている内容が切嗣の意向によるものだとしたら、彼らしいなと思ったり。
 位置的に客間からは良く見える。



遠坂 とおさか

 聖杯戦争のシステムを作り上げた御三家のひとつ。
 御三家の中では唯一土着の魔術師の家系であり、冬木の管理者。自らが管理する霊地を儀式の場として提供した。凛の父が「聖杯を手に入れるのは遠坂の義務」とまで言っていたのは恐らくその為なのだろう。それ故凛は幼い頃からマスターになる為に育てられていた。

 古い歴史を持つ魔術の名門だが、流石に血統操作を続けている期間が五、六百年クラスの家系と比較すれば歴史は浅く、族外の血が混じる事もあるので魔術刻印を抑制する為の薬を必要とする。
 薬の調合法について記された本は非常に年季の入ったもので、黄ばんだ綴じ本に筆書き草書。そこへ更にペンによる書き込みがされていたりと一族代々の研究ノートといった様相を呈しており、いい加減保存の限界なので一度編集しなおさねばと凛は考えている。

 魔術特性は転換。力の蓄積、流動、変化を得意とし、凛はこれを基本として有名どころの魔術は抑えてある。ただ本来攻撃には向かない特性なので、暇さえあれば宝石に自らの魔力を込める。元々宝石は魔力を込めやすい物であるそうだが、遠坂の人間は特に相性が良いらしい。
 ただし魔力を解放した宝石は壊れてしまう為、年中金欠。遠坂の魔術師は後継ぎになるとまずお金を稼ぐ所から始まるようである。
 魔眼持ちではないが、凛は眠りの暗示くらいなら即興でできそうだとか。

 大師父はかの有名な魔法使い、キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ。ふらりと現れて、隠れて国外宗教の信者をやっていた遠坂の先祖をコチラの世界に引き込んだらしい。その大師父の置き土産にして宿題である宝石剣の設計図が伝えられている。
 ちなみに彼からは弟子達の中で最も芽がないと思われていた。そりゃないよじーさん。しかし恐らく桜ルート後ではかなり後継者の座に近付いたと言えるだろう。
 彼の言葉によると凛で六代目らしい。ただ、初代から数えてなのか永人から数えてなのか、そもそも初代=永人なのか、それとも違う誰かから数えて六代なのかはハッキリしていない。
 聖堂教会に多少顔が利き、魔法使いの弟子であるが故に魔術協会では優遇されており、両組織にパイプラインを持つが故に冬木の管理者という地位を得られたらしい。

 凛は呪文にドイツ語を用いる。遠坂という家自体がそうであるからだという可能性もあり得るかもしれない。
 「どんな時でも余裕をもって優雅たれ」という家訓を伝えている。「勝負事は何でも手を抜かない」という家訓もある。
 ここぞという時に大ポカをやらかすという遺伝的特質を有する。
 ちなみに凛の父も祖父も、柳洞寺の人々は不得意であったようだ。



遠坂シールド展開、衛宮シールド展開 とおさかしーるどてんかい、えみやしーるどてんかい

 ホロゥにて、黒セイバーを前にして士郎と凛がとった防御行動。しかし肝心のシールド自身に盾役に徹する意志がまるで無いので持続時間はあまり長くない。結果くるくると不思議な輪舞が展開される事となるようだ。
 マスターとサーヴァントは似たもの同士なんだなあ(イリヤ城のセラリズ海峡をプレイしながら)……。



遠坂邸 とおさかてい

 凛が住む洋館。深山町の坂の上、洋風の住宅地の中にある。
 セイバーが勇ましい過去を思い出して血が騒ぎ、ライダーが実家を思い出すほどの霊気に満ちており、近所の人が訪ねて来るどころか野良猫が入ってきた事すらないらしい。

 内装は……なんというか、赤い。とにかく赤い。体験版では凛の立ち絵も表示される仕様なわけだが、この時遠坂邸内で私服の凛とアーチャーが並んでたりすると画面が面白いくらいに赤くなった。凛が一人暮しでいるわりには結構整理整頓が行き届いている。

 地下室はどうやら魔術的な儀式を行うのに適した場所であるらしい。アーチャーを召喚する儀式を行ったのもここ。
 ホロゥではそのアーチャー召喚の原因としてセイバーが奇説を思いつくほどに魔術師らしからぬ有様と化していた。……その内木人型の自動人形が整列してるようになったりしやしないだろうか。

 あろうことかプール(全長十五メートルほど)がある。でもやっぱりお金の無駄だからと使っていない。なんだこの矛盾しまくった金持ち像。まあそれでも凛ときたら士郎の為になら使う気になったりするあたりがうらー!



“遠坂凛”のイメージ “とおさかりん”のいめーじ

 士郎の中で、史上稀に見る速度で崩壊した物。しかし一周して戻ってきたのか、結局なんだかんだで素の凛の事もやっぱり好きらしい。



読書 どくしょ

 ライダーの趣味。特にジャンル問わず、「読書そのもの」が好きであるらしい。
 ちなみに士郎にはライダーの部屋に置いてある英語の本が読めなかった。まて、お前さんの呪文はことごとくなんなんだ。



時計塔 とけいとう

 魔術協会の総本山、ロンドンの協会の別名。ちなみに文字通りの意味であるらしい。表向きはただの博物館。というか大英博物館。
 凛の目から見ても出会う人間はことごとく化け物揃い。
 東洋系の魔術師はあまり多くないが、名を残している者は皆一線級だという。
 工房の大半は地下にあり、深度と狂気度が比例している。なんか元祖ドラクエの、ダンジョンで地下に降りれば降りるほどBGMがおどろおどろしく変化する演出を思い出した。
 実際の所穴蔵と呼ばれるアトラスに負けず劣らずのモグラっぷりであるようだ。



土蔵 どぞう

 衛宮邸の庭の隅に立てられた土蔵。ガラクタが押し込んである倉庫であり、士郎が魔術の鍛練を行う場所。
 切嗣はここに入る事を禁じていたが、ものいじりが好きだった士郎にとっては宝の蔵であり、結局自分の基地にしてしまった。そんなわけで彼はここで鍛錬以外にもよくガラクタの修理などをしていたりする。
 士郎にとってはある意味こちらの方が自分の部屋といえ、着換えも生活用具も揃っている。部屋に戻らずここでそのまま眠ってしまう事も。アーチャーとよく遭遇するのもここだが、やはり彼も愛着があるのだろうか?
 ちなみに士郎が気分転換に行った投影の失敗作も転がっており、凛が殺気だっていたのはこれを見たからであるようだ。
 魔術師の工房としてみるなら、イリヤ採点で十点。まあ、妥当な点数だと思う。

 仕舞ってあったガラクタは直したらまた使えるかもしれないと士郎が持ち込んだ物と、そもそも出所不明で法則性がないようで強力な共通点がある物(犯人は無論虎)とに大別される。
 整頓しようとガラクタを外に運び出した際、その総量は一階部分だけで軽自動車一台分はあった。……ところであの戦車はなんだったのだろう。

 床には召喚陣が刻まれており、士郎がセイバーを召喚できたのはその為である事がホロゥにおいて述べられている。Fate/stay nightにおいても、元は祭壇だったらしく床に何やら紋様が刻まれているといった描写が存在する。
 この場に召喚陣を刻んだからカモフラージュとして土蔵を建てたのか、目立たないからこの場に陣を刻んだのかは恐らく切嗣のみぞ知る。他に彼が使用していた魔術関連の品・設備等は少なくとも現在は残っていない。

 扉の鍵は内側にしか付いていない。この事に関して凛がそのうっかりぶりを遺憾なく発揮してくれた。



どら焼き どらやき

 セイバーが容赦しなかった物。士郎は甘い物はあまり好きではないが、親子共々お茶請けにはこれだとか。桜はたい焼きが大好きだがどら焼きも好き。
 衛宮家には虎が棲息しているので普通に保管しておくわけにはいかない。よって冷蔵庫の野菜室に隠している。人類が戦闘能力で優る猛獣達をも押しのけて生物界の頂点に在るのはその知恵故だという事である。
 どら焼きひとつで何をそんな大げさな事書いてるんだ私は。



トペ・アインツベルン とぺ・あいんつべるん

 藤ねえとイリヤが敏感肌士郎に放った弓道部の必殺技。いつからプロレス部になったんだ弓道部。たしかにタイガーマスクっぽいのは居ないでもない(というか主犯)が。敢えて弓道との共通点を挙げられるとしたら「飛び道具である」という点くらいだろうか。
 人間砲弾と化したイリヤの笑顔は極上。きっと着弾時の幸せしか考えていない。専用の立ち絵を用意したTYPE-MOONさんの英断には惜しみない賛辞をお送りしたい。
 被弾する方はというと、被弾時の物理的ダメージよりもキャッチに失敗するわけにはいかないという精神的負荷の方が大きいのではないかと推測される。ん? ひょっとしてゲイボルク・燕返しに続く回避困難なタイプの必殺技だったりするのだろうか?
 イリヤ単独での飛行(落下)も何度となく見られるが、本当に君は貴族のお嬢さんなのか。アインツベルンの魔術基盤に不安を覚える理由は何もセラに関する事に限るわけではないと思うのだよ、士郎。



トヨエツ とよえつ

 惣菜屋は主婦狙いで競争が激しく、いつも午後イチで売り切れている。あのキャスターがここの特売品を入手している場面は似合っているようでしかしどこかずれているようでもあって、想像するに面白い光景である。