Fate辞典-ツ

「Fate/stay night」「Fate/hollow ataraxia」の用語辞典です。

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使い魔 つかいま

 魔術師が使役するお手伝い的な分身。基本的に研究に忙しい身である彼らが、なんらかの用事が発生した際に代わりに派遣したりする。主である魔術師の肉体の一部を移植されていたり、小動物の亡骸を用いて作られた擬似生命であったりするケースが多い。

 猫や犬や鳥などの小動物が選ばれる事が多いが、これは支配するのにかかる魔力を考えるとコストパフォーマンスの面で大抵の魔術師達にとって都合がいい為。
 例えば人間を使い魔として使役する魔術師もいないことはないが、当然その場合小動物を使役する場合に比べて大量の魔力を消費する。よって並の魔術師にとっては大きな負担となるのである。

 故に当然サーヴァントのように基本的に主である魔術師よりも格上である存在を力ずくで律するなど不可能で、彼らが使い魔と称されるのはあくまで形式的な意味合いでしかない。
 令呪に関しては確かにマキリ製の優れた束縛手段ではあるが、そもそもサーヴァント召喚システムに組み込まれているモノでマスターの実力による物ではないので例外だと思う。しかも回数制限があるので完全に律しているとは言えない。
 よって本編に登場した内で厳密に使い魔と呼べるのは、凛が監視用に作った梟やマキリの蟲のような例である。ちなみに人の幽霊を使い魔として扱う例(無論サーヴァントの例とは全く次元が違う)もあるそうな。キャスターの竜牙兵も使い魔の類であると本編にて述べられている。

 使い魔と魔術師の両者はラインと呼ばれる因果線によって結ばれている。通常はこれを介して魔術師の能力が使い魔に付与される。凛は物語冒頭にて、この逆の例でセイバーの治癒能力が士郎に流れているのではないかと推測していた。



突き穿つ死翔の槍 つきうがつししょうのやり

 ランク:B+
 種別:対軍宝具
 レンジ:5〜40
 最大捕捉:50人


 ゲイボルクの本来の使用法。その呪いを最大限に開放し、渾身の力を以って投擲。ゲイボルクは投げ槍なので、こちらの方が正しい使用法である。
 教会前での対アーチャー戦では一旦百メートル以上後退してから五十メートルを一息で駆け抜け大きく跳躍し、繰り出していた。
 死棘の槍と違って心臓命中よりは破壊力を重視しており、一投で一部隊を吹き飛ばすという。その威力はアーチャーが投影した、投擲兵器に対しては絶対とも言われる防御力を誇るロー・アイアスを貫通したほど。
 士郎曰く、飛行速度はマッハ2で、飛距離は40キロほど。しかし「幾たび躱されようと相手を貫く」という特性を持ち、それ故に標的が存在すればそこが例え地球の裏側だろうとすっ飛んでいくだろうと推測している。
 ダメージ・形状はケルトの光神ルーの“轟く五星(ブリューナグ)”に迫るが、前述の特性から北欧の主神オーディンの“大神宣言(グングニル)”よりの宝具と言えるらしい。アーチャーは後者の方をゲイボルクのオリジナルと述べていた。

 槍自体に関するここでは述べられていないその他の情報は「ゲイボルク(げいぼるく)」を、対人宝具としてのゲイボルクに関しては「刺し穿つ死棘の槍(さしうがつしきょくのやり)」参照。



月落とし つきおとし

 突き落としではない。……ごめんなさいもうしません。
 凛の口ぶりから察するに過去に起きた大事件らしい。宝石剣はこれを食い止めた一品なのだとか。
 サイドマテリアルにゼルレッチがかつて吸血種の王さまとの戦闘で空から落ちてくるでっけー石を力技で止めたと書かれているんですが、明言はされてないもののこの話を指している可能性が高そうです。
 「月落とし」という単語を目にして一瞬そういうのを連想して、いやまさかな……と思ったらクリア後にサイドマテリアルを読んでそのまんまかいっと突っ込んだのは私だけではないと思う。まあでも、真祖の姫君が「自分の世界」でならばものすげー事やっちゃってたりしますんでありえないというわけでもないんでしょう。



燕返し つばめがえし

 アサシン・佐々木小次郎の、円を描くみっつの太刀筋で牢獄を作り上げる秘剣。技術によって宝具の域に達した必殺技であり、彼が全存在をかけて練り上げた究極の一。基本的に構えらしき物を持たない彼だが、唯一この技にだけは構えがある。

 「多重次元屈折現象」による、

 一の太刀:頭上から股下までを断つ縦軸
 二の太刀:一の太刀を回避する対象の逃げ道を塞ぐ円の軌跡
 三の太刀:左右への離脱を阻む払い


 以上の同時三重斬撃という大反則。「同時と見間違うほどの速度」でではなく、本当に「同時」に繰り出している。また、後退したところで長刀ならではの長い間合いが離脱を許さない。
 他にやる事がなかったからとこんな境地に至ったアンタは何者だ。こんな人物が無名のまま埋れていたあたり世の中わからない。

 同じく出させてはいけない類のモノであるが、どのような宝具であるかを事前に知っていれば或いは対処できない事もないゲイボルクと違い、この技は本当に対処法がほとんど無い。
 不完全とはいえ同時に繰り出された斬撃であるにも関わらずセイバーが回避できたのは、二の太刀の軌跡が曲線であるが故に直線に近い軌跡を描く一の太刀よりも僅かに到達が遅れた為。その欠点を補う三の太刀が加わった完全版の回避はもはや不可能に等しい。
 唯一突破口があるとするなら小次郎の左腕下、腰と二の腕の間に生じる僅かな隙間であるようだが、セイバーがそこを突く事ができたのも一度不完全な燕返しを見て完全な状態を推測できた事、予知じみた直感を持っていた事、直前の打ち合いで長刀が曲がっていた為平時の鋭利さが発揮されなかった事と好条件が揃っていたからこそであり、本来は絶対不可避の魔剣である。