Fate辞典-キ

「Fate/stay night」「Fate/hollow ataraxia」の用語辞典です。

戻る























































戻る

記憶操作 きおくそうさ

 魔術師が目撃者に対して最低限施さねばならない事。
 或いは凛が学校で地を出した時に、周囲の人間が自身に対して自動的に行った事。



起源 きげん

 そのモノの存在の因となる混沌衝動。その存在がはじまった場所。魂の原点。
 この世の全ての分子は流転する。精神、魂、生命といった枠組みに当てはめずに考えればこれらは何かに生まれ変わり続けている。その無秩序な法則性を、脈々と繋がる存在の糸を、はじまりまで遡った先にあるもの。
 そこに至っては最早生命など存在せず、あるのは根元の渦において発生する「……をする」「……をしなければならない」といった衝動のみ。その流れに従って何らかの存在が形作られ、時として人間となるのである。
 それ故に本能とも言えるものであり、この世の全てのカタチあるものがそうであるよう仕組んでいる絶対命令である。
 基本的には知覚できないが、結局のところ全ての存在はこれに縛られているので、人間ならその人間の個性として何らかの形であらわれる。例えば切嗣なら「「切断」と「結合」(「せつだん」と「けつごう」)」参照。

 ちなみに切嗣曰く、魔術師としての才能が無い者でもひとつは適性のある魔術があり、この起源に従って力を引き出すのだとかなんとか。どうやら士郎もそういった方向で指導を受けていたようである。



起源弾 きげんだん

 切嗣が使用する魔弾。
 彼の体内より摘出された左右の第十二肋骨をすり潰した粉を霊的工程を以って凝縮し、コンテンダーに込められる.30-06スプリングフィールド弾の芯材として封入した物。概念武装としての側面も持つ。
 効果は「切断」と「結合」という切嗣の奇異な起源を撃たれた対象に具現化するというもので、対象が生物である場合は命中した箇所は傷が開く事も出血する事もなくただ古傷(内面的には神経・毛細血管は元通りには再生していない)のようになる。何故そうなるのかに関しては「「切断」と「結合」(せつだんとけつごう)」にて。

 上記を読む限りではそう致命的な印象は受けないかもしれないが、魔術師に対して使用する場合は事情が異なってくる。
 何も知らずにこの魔弾に対し魔術を以って干渉してしまった魔術師は、切嗣の「起源」による影響を自身の魔術回路にまで受けてしまう。結果魔術回路を循環していた魔力は本来の経路を無視して暴走し(つまり魔術回路が「ショート」する)、肉体を破壊する。
 当然の事ながらダメージは回路を巡っていた魔力の大きさに比例し、その程度によっては絶命に至る。仮にそれほどのダメージから運良く一命をとりとめようと、神経及び魔術回路は完全に破壊されてしまう。故に肉体がまともに機能しなくなるばかりか、魔術師としても確実に再起不能となる。

 全部で六十六発作られ、第四次聖杯戦争までには三十七発が使用済であったが、この数は同時にこれを以って切嗣が完全破壊した魔術師の数を意味し、無駄打ちは只の一つもない。そしてケイネスが第四次聖杯戦争の折、三十八人目の犠牲者となったわけである。

 また、以下に作中より弾丸の威力の程が解説されている箇所を引用。

 ボトルネック構造のライフル用カートリッジで、そもそも拳銃弾とはサイズも威力も格が違う。大型軍用ライフル用の.308ウィンチェスター弾よりも、さらに一割増のパワーを発揮する.30-06は、いわゆるハンドキャノンクラスのマグナム弾をも遥かに凌駕する威力を誇る。拳銃として携行する銃から発射するには、過剰きわまりない火力と言えよう。
 【Fate/Zero一巻 - P235/L7〜L11】


 これ程の大威力を持つ弾丸を防ぐ防具など無く、故にターゲットとなった魔術師は魔術を以ってこれを防御せざるをえず、そしてその行為こそが魔術師に決定的な破滅をもたらす。
 切嗣の狙いはまさにそこにあり、このような弾丸を魔弾とした切嗣の選択を作中において「悪辣」と表現している。
 確かにわざと逃げ道を用意してそこに予測不可能かつ致命的な罠を配置するという手口からは、切嗣の容赦の無さと非情に徹し手段を選ばない性格が読み取る事が出来るし、言い得て妙であるなと思った。
 ケイネスへの挑発行為は彼に魔弾の防御へ最大限の魔力をつぎ込ませるよう仕向ける為であり、まさに狩人としての切嗣らしい所業であったと言えると思う。



偽臣の書 ぎしんのしょ

 桜が令呪を用いてマスターとしての権利を慎二に委譲した結果出現した赤い本。慎二はこれを用いてライダーを御していた。
 基本的に他人、しかも魔術師でもない人間にサーヴァントを預ける事は不可能なのだが、令呪を用いた場合は例外というわけである。これによって令呪を譲渡した桜は一時的にマスターとしての権限を失った為、凛に腕を確認された時には令呪は存在していなかったようである。
 本編における描写を見る限り「強く握りながら命令する」というのが使用法であるらしい。あくまで偽物の命令権であるため性能は本物の令呪には及ばない。限度を超えたりサーヴァントが消滅すると焼失してしまう。
 命令を守れなかったサーヴァントは青白い電荷に苛まれる……が、これが偽臣の書故なのか本物の令呪でも同様の現象が起こるのかはイマイチはっきりしない。



キビシス きびしす

 ペルセウスがゴルゴン退治の際に使用していた宝具のひとつ。メドゥーサの首を封じたという袋。
 ゴルゴンが暗黒神殿を使用した際に瞬時に膨らみ裏返ってペルセウスを包みこむ事によって、袋の内と外の概念を反転させてペルセウスを守り、ゴルゴンを自滅させた。
 何故に内と外を反転させる事が効果的であったのかというと、暗黒神殿はそもそも「内」に向けて放つものであるが故に、それまで「外」であった世界が突然「内」へと変貌した結果「外」に居た筈のゴルゴンが「内」に居る事になってしまい、暗黒神殿の力が自身へと返ってきたからである。
 いうなればゴルゴンを破った鏡とは「鏡の盾」ではなく、シーンタイトルにもなっている「キビシスの鏡」だったといったところではなかろうか。



キャスターの耳 きゃすたーのみみ

 動く。



究極の一 きゅうきょくのいち

 意味は多分そのまんま。他のTYPE-MOON作品ではその世界(星)における最強の生命種の事を指していたりするんですが、Fate本編においてはもっと広い意味で使われているようである。



弓道部 きゅうどうぶ

 穂群原学園の弓道部。

 以下、ホロゥにおける状況。

 桜とトラと美綴の奇妙な三すくみの構図が出来上がっている。
 桜の見立てでは地区選進出ならなんとかいけそうなレベル。
 慎二は前年の代表選手だったが三年になってからは引退を決め込んでいて練習には参加していない。
 ちなみに士郎は一年の夏で辞めているので大会の経験は無い。
 ランサーの中ではお互いの背中を預けあう戦闘殺戮集団となっている。



牛乳トラップ ぎゅうにゅうとらっぷ

 ホロゥにて、遠坂邸の玄関に仕掛けられていたトラップ。侵入者が外へ出る際に発動する仕掛けであるらしい。使用されているのが取れたて新鮮牛乳なのは果たして相手への慈悲なのか。
 アヴェンジャーが霊体化できなくなったあたり、単なる牛乳ではなくてそういう効果が付加されている可能性が考えられる。
 ……アーチャーへの嫌がらせ? でも彼が侵入者に該当するような事はないか。



キュプリオトの剣 きゅぷりおとのけん

 「スパタ(すぱた)」参照。



強化 きょうか

 魔力を通す事で一時的に対象の能力を補強する魔術。対象の存在を高める全ての魔術の基本。

 自分以外のモノに魔力を通すという行為は下手をするとそのモノにとっては毒を注ぎ込まれるのと同義となる。よって魔力を毒ではなく薬とする為にはそのモノの構造を把握し、空いている透き間に巧く通してやる必要がある。
 本編で士郎がよくやっていたのは最も単純とされる硬度強化だが、存在意義を特化させるというモノである為実際にはその効果はもっと多岐にわたる魔術である。
 サイドマテリアルによればナイフなら切れ味、食材なら栄養度、メイドなら萌え度が増すという。……最後のは信じて良いんでしょうか。なお、曖昧なモノを曖昧に強化する事はできない。

 初歩にして極めるのは至難とされ、珍しいとまではいかないがメインに据えている魔術師はそう多くない。自由度の高さゆえ明確な実行形式が定まっておらず、オールマイティーな使い手は少ない。
 士郎の場合武器関連に特化した使い手。そんなわけで例えば自身の体を強化する事は出来ない。アインツベルン城から飛び降りて無事だったのはアーチャーの腕の影響により肉体が頑丈になっていた為で、士郎の魔術による物ではない。
 当然の事ながら他人を強化する事もできないわけで、セイバーの強化が上手くいかなかったのも仕方のない事。というか生物には自分の魔力を通しにくい事もあり、「他人の強化」は最高難易度とされている。
 ただし、ホロゥの頃には少なくとも自身の眼球にならば強化の魔術をかけることが出来るらしい。
 Fateの頃は視力を魔力で水増ししてビルの下から屋上の人物をかろうじて判別できる程度だったが、ホロゥでは眼球を強化して四キロ離れたビルの屋上にいるアーチャーをしっかり視認できるようになっている。



共感知覚 きょうかんちかく

 魔力のパスが繋がっている契約者との知覚を共有する魔術。言峰は時臣より伝授された。
 サーヴァントの行動を遠隔地から監視することが可能であり、斥候能力に長けたアサシンがサーヴァントであれば有用度も増すが、契約者の同意がなければ行使できない事が難点。
 当然の事ながらあのギルガメッシュがこれを許可するわけがなく、よって第四次聖杯戦争の折には専らアサシン擁する言峰がこの魔術を行使してサポートしていた。
 なお、その際の言峰の様子は、傍目には瞑想でもしているかのようなものであった。



脅迫状 きょうはくじょう

 桜ルートで凛に学校で遭遇した際、即座に逃げ出すと後でゲットできるレア(?)アイテム。可愛らしい便箋に呪いの文字がびっしりと書き込まれている。
 定規を用いた直線によって文字を構成し、筆跡をわからなくすると言う手の込み具合がまた素晴らしい。明かに透けて見える「殺す」などもうステキ。……しかし凛にしてみればあれでただの伝言のつもりだったらしい。



虚数 きょすう

 魔術特性のひとつ。桜の魔術特性がこれに該当し、目に見えぬ不確定を以って対象を拘束、平面の世界へと飲み込んでいく影の海を作り出す事を可能とする。幽世の存在に対して高い効果のある攻撃手段で、見た目は長く軌跡を残しながら地上を並走する黒い炎といったところだろうか。
 これは深層意識をむき出しにして負の側面を刃とする禁呪であり、単身での魔術行使を可能とするほどの下地ができていない桜では、自身の影を放つだけの魔術回路を表層に押し出して一時的に魔術師として機能するという手段をとらざるを得ず、バランスを誤れば自身の負の心に飲み込まれかねないという危険にさらされる。



斬り抉る戦神の剣 きりえぐるせんじんのけん

 逆光剣フラガラック。ケルト神話において戦いの神ルーが持つとされた短剣。フラガの家が現代まで伝えきった神代の魔剣であり、数少ない「宝具の現物」。

 攻撃手段自体は小石程度の大きさの傷しか作らない光弾だが、無論急所を貫通させれば致命傷となる。魔力充填のみならず、「相手の切り札(宝具に限らない)の発動」が目覚めの条件であるカウンターに特化した迎撃武装であり、明らかに遅れて発動しながら相手を上回る速度を以って、必ず相手より先に攻撃をヒットさせる。
 しかしその本領はむしろ付加効果の方にあり、因果を歪める事によって「相手の攻撃の後から発動して先に攻撃を命中させた」という事実を「相手よりも先に攻撃をなした」と改竄し、「相手の攻撃がなかった」事にしてしまう。「後より出でて先に断つもの(アンサラー)」という二つ名はここに由来する。
 これらの特性は即ち速度・威力では対抗しえず、宝具の打ち合いに関しては無敵に近い宝具である事を意味する。
 相手が至近距離で切り札を放ってもバゼットさんの格闘スキルを以ってすれば迎撃する事は可能。例え投げ技であっても掴まれた段階までであれば、自身の攻撃が先であった事にする事が出来る。

 使用後はしばらく硬直時間がある。しかし恐らくはほぼ確実に相手を倒せる上に相手の攻撃をキャンセル出来るというメリットがそれを補って余りあるのではないだろうか。通常ならば。
 「剣の持ち主が手をかけるまでもなく鞘から放たれ、敵が抜刀する前にこれを斬り伏せた」という伝説に違わぬ剣。じゃんけんで後出しをしたのにも関わらず勝ちにしてしまうような宝具などと書くとイメージ崩れまくりだが、個人的には案外間違っちゃいない気がする。
 ……などと書いたら「後日談。」で本当にじゃんけんに使って強引に後出しを先出しにしていたりする。予知能力? シンクロニシティ? いや、多分単に同じ事を考える人が多いというだけの話なのであった。
 というか長いフラガの歴史の中でもこんな事にこれを使ったのはバゼットさんくらいではないかと思わずにはいられない。

 相手が無抵抗でも任意に使用する事は可能だが、その際上記の特殊能力は発動せず、C〜Dランクの宝具として扱われる。
 故に、使用者には切り札を使用せざるを得ないほどの状況に相手を独力で追い詰められるだけの能力が要求される。アンリマユの宝具との組み合わせは相性が良いと述べられていたのは、恐らくはそれを代行するのに適しているが故なのであろう。
 また同様の理由からランサーが語っていたように、決して切り札を使用せず白兵戦で相手を打ち負かす事がこの宝具の使い手の攻略法と言える。
 本来のランクは不明だが、ゴッドハンドを突破出来た点から推測するにAランク以上である可能性が考えられる。

 この宝具に対して相討ちに持ち込むことが出来るのは、同様に「時間の呪い」を有するランサーのゲイボルク。
 そしてゴッドハンドを有するバーサーカーのように、殺されても自動的に蘇生するような存在は天敵といえる。



ギルガメッシュの釣具 ぎるがめっしゅのつりぐ

 ホロゥにて港に現れたギルガメッシュが使用していた釣具。
 なんつーか背景画がここまで目立っていいのかというくらいにピカピカ輝いている金ピカロッド。しかも大漁旗の如くずらりと四本。
 その正体は試作段階で製造中止になったという伝説の電撃ガマ○ツ2006。元々はギルの取り巻きの子供のひとりの父親の持ち物であったが、ちょっぱってきたら遊んでやるという条件でその子供に持ってこさせたらしい。
 また文章中では触れられていなかったが、その他の各種アイテムもやっぱりことごとく金ピカであった。