吸血鬼は肉体が破損しても復元呪詛によって短時間で復元してしまうので、彼らを滅ぼすためには復元速度を上回るか復元呪詛を無効化する外的要因が必要となる。後者のような神秘の類を概念武装と呼ぶ。
教会の人間が吸血鬼と戦う時にはその吸血鬼が人間であった頃の経歴から回呪するのであまり使用される事はない。
はじめから人でない吸血種を処理する時に使用するいわば奥の手 。
過去を視る能力。超能力の一種であると思われる。
幻視同盟の犯人が持っていた能力なのだが、こちらは視るというよりは精神感応に近く、他人の過去を擬似体験してしまう為、自己がそれに引きずられてしまうという弊害がある。無論、単に彼が弱かっただけという可能性も考えられるのだが。
ちなみに志貴の過去はあまりにも凄まじすぎて、彼にこれまでに無いほどのショックを与えた模様。
晶の未来視のように擬似体験する事無く、単なる情報として記憶する事ができる過去視も存在しているのかどうかは不明。
シエル先輩が用いる黒鍵の、その刀身部分に施されている呪刻によって付加された魔術効果。対象に刺さると発火し、炎上させる。
式典、というあたりが特に教会のエクソシストが用いる術の系統に属するかのようなネーミングではあるが、実際には前述の通り魔術に属するものである。故に使用する代行者は少ないのだが、埋葬機関はそもそも表立って動く組織でもないし、実力至上主義なので結果さえ出せれば問題ないのだろう。
シエル先輩が用いる攻撃手段としてはかなり知名度が高いと思われるが、実は月姫本編で使用したのは遠野の屋敷のそばでの包帯ロアに対してのみ(多分)だったりする。
他に対象を石化させる土葬式典や、乾燥させる風葬式典、カラスを呼び寄せる鳥葬式典なんてのもあるらしい。という事は、水葬式典もあるんだろうか? あれば四大精霊に対応した属性が全て揃うんですが。
対象に刺さった後で発火するわけだが、茶道室でシエル先輩が串刺しにされるシーンでは発火するような事はなかった。
あくまで付加効果であり、全ての黒鍵に呪刻が施されているというわけではないのかもしれない。状況に応じてすっぴんの黒鍵に必要な種類の呪刻を施しているか、或いは予め用意しているとも考えられる。
或いは刺さるだけで発動するという物でもないとか、結果的に刺さった後に発動しているというだけであってそれが発動条件だというわけでもないとか、シエル先輩自身に対しては発動しないような仕掛けになっていたとか。
アルクェイドの場合はそもそも頑丈過ぎて刺さらなかったので、彼女に対して放たれた黒鍵に火葬式典が付加されていたのかどうかはわからない。
志貴にとっては早くから失い、そして長く得られなかった物。
彼は有間の家に居た頃を回想した際に、自分も早く本当の家族になれるよう努力しなければならないと「ずっと昔から」思っていた、というような事をモノローグで述べていたが、それはつまり有間にいた頃のみならず、封じられていた記憶に有る遠野に来てからの日々の事も無意識の内に含めての事だったのだろう。
今では秋葉、翡翠、琥珀が志貴の本当の家族になったと言えるのではないだろうか。
シエル先輩の大好物。彼女の部屋に保存してある食料のほとんどがカレーだったりする。
カレーライスやカレーうどんと違い持ち運ぶのに便利。よってシエル先輩と交渉したい場合に重宝するアイテム。
揚げたてなら即死効果さえあるらしい。
自らの体力を他者に分け与える能力。琥珀さんや翡翠クラスの優秀な能力者ともなると、対象の体力・精神を強化する事も可能。翡翠は不明だが、琥珀さんは秋葉の出血を抑えてダメージを軽減してやる事すらも可能だった。
その効果は能力者と対象者の距離に比例する為、あまり両者が離れすぎると意味がない。それ故に琥珀さんは四季との対決の際も秋葉のすぐ近くに居たのだろう。
共感能力と違い、対象のダメージのフィードバックがないという長所もある。
対象の意思とは無関係に感応する事も可能であるようだが、鬼子・超能力者達への迫害を考えれば異端の能力は制御されてしかるべきである為、なんらかの儀式を必要とする者もいる。
儀式とは無意識下で能力を制御している精神面でのリミッターを解除するスイッチで、内容は能力を伝える家系によってまちまちである。
ヒスコハの家系の場合は体液の交換による対象者との契約がそれにあたる。ただし対象者が2人目以降であると成功率が下がるが、両者の相性がよければ1回で成功する事もある。基本的に契約対象者は異性であるが、同性でも血液を与えるなどの仮の契約をおこなう事は可能。
槙久が琥珀さんと翡翠を引き取ったのは、この能力を利用して己の人間としての側面を維持する事が目的であった。
遠野家の分家筋のひとつ。いわば混血側の七夜のような一族で、鬼種との交配をひたすら繰り返して鬼の血を濃く保った。故に血の濃さでいうならば遠野を上回るが、代償として当主ともなると決まって紅赤朱となるらしい。
結局望むレベルの跡取りであった紅摩の誕生によって、自らの目指していた先にあるものが破滅であったと思い知らされる事になる。よって彼を必死に隠そうとした。
当の紅摩も自身を抑制していた為しばらくは何事もなかったのだが、ある時誰かが彼を銃殺しようとする。銃弾程度では傷付く事もなかった彼だったがしかし、それがキッカケとなって暴走。彼の手によって一族の他の者は全滅させられた。
この事件の直後に斎木が駆けつけている事から元々は遠野よりも斎木に近い一族だったのかもしれない。
固有能力は自然干渉能力である「灼熱」。紅摩の魔腕と鋼の体は彼の固有能力なのか軋間に伝わる能力なのかは不明。
10年前に槙久と共に七夜を襲撃したのは紅摩であった。
志貴が戻る以前、軋間家の長男が3年ほど遠野の屋敷に逗留していた。
生粋の魔。
実は月姫世界においては系統樹からして人間とは違っている最初から鬼であるモノと、土蜘蛛等と呼ばれ迫害されて隠れ住むようになり、生物的に少々変異してしまった力ある元・人間の2種類居て、遠野家の祖先は前者であると漢話月姫においてきのこさんが述べている。
なんだか前者は真祖、後者は魔術を極めてなった死徒に似ている。秋葉は自分とルーツが同じであるとアルクェイドが言っていた事から、元から人間とは違う鬼種の方は超越種の中の一種族であると思われる。
もとから吸血種であった「真祖」と後天的に吸血種となった「死徒」に分けられる。
(1)魔を象徴する色。アルクェイドの眼がこの色に変化する場合がある。また、ネロの魔眼は"金"とオフィシャルサイトの第2回人気投票時に書かれていた。
(2)アルクェイドが持っている金。色の事じゃなくて黄金の方。空想具現化の産物ではなく、元から自然にあったモノ。彼女はこれを魔術協会にいる人外専門の換金屋に換金してもらっている。
神域の色。黄理の能力によれば日本の退魔組織の中にはこの色の思念の持ち主が存在しているらしい。
銀色の眼の持ち主というのはこれまでの作品には登場していないので存在するかどうか不明。
マーブル・ファンタズム(marble phantasm)。
ダンゴ現象に由来するという事からマーブルとはおはじきの事らしい。
自身の意思を世界に直結させることによって、これを思い描いた通りに変貌させる世界干渉。
きのこさんが「現実を幻想(現実にはありえない想像)たらしめる」というような言い方をしていた事があったので、「ファンタズム」は多分「phantasm」と書くんでしょう。
具体的には数多の事象が発生する"確率"に干渉することによって、本来ありえざる事象を強引に発生させているものと思われる。
事象が発生する確率へ干渉した結果であるから、具現化できるものは物体に限らないようである。例えばアルクェイドが志貴を不可視の力でつかんで部屋の外に追い出したりしている。ネロの黒犬を倒したのもこれと同じ方法だったのかもしれない。
世界の触覚である精霊が有する能力で、月姫において世界上に存在する異界の一部は彼等が思い描いた空想が形になったものらしく、それ故人間が迷い込む事も可能であるようだ。
具現化能力は精霊の存在規模と比例し、全ての精霊が大規模な干渉を行えるというわけでもない。それに関しては真祖も例外ではない。
アルクェイドクラスなら限定解除すれば山奥に街ひとつ作り上げられるらしい。また、「彼女の世界」の中であれば千年後の月を現代に持ってくるなどという荒業すらも可能であるようだ。
精霊以外でも死徒二十七祖のひとりであるスミレが例外としてこれを可能とする。
【長所】
思い通りに世界を変貌させる事が可能であるため非常に汎用性が高い。
【短所】
変貌させられるのはあくまで自然のみであり、自然から独立した存在(人間など)には直接干渉できない。よってそのような存在には何か別のものを具現化し、それによって間接的に干渉せざるを得ない。
人間以外の動物ならば直接干渉する事も多少は可能であるらしい。
屍食鬼。
血を吸われた際に吸血鬼の血が体内に残されたため、殺されたものの死にきれなかった人間。
死後数年たって脳が腐敗し、魂が肉体に固定した状態。
腐敗した肉体を補うため他の遺体を食べる。
肉体を補い終わるとリビングデッドへと成長する。
グールになれる確率はおよそ100人に1人。
遠野家の分家筋のひとつ。
能力等は不明。
遠野の分家筋の中では最も格式高い一族であり、財力だけなら遠野をも上回る。そのすごさは遠野グループの3分の1は久我峰の息がかかっているほど。
志貴が戻る以前、久我峰家の長男である斗波とその家族が3年ほど遠野の屋敷に逗留していた。
極めて旧い先祖還りを起こし、自らの中に眠る血を最大限に引き出した状態となった混血の事。
他の一族ではそのまま先祖還りと呼ぶらしいが、遠野を主とする一族はこう呼称する。七夜においてもこの名が口伝されていた。
決まって蜃気楼のような靄につつまれ、小我としての理性が大我としての理性に飲み込まれて正気を保てなくなり、もう二度と人には戻れないようである。
紅、赤、朱と、魔の属性を象徴する色がみっつも連なった名を冠するのも無理はないだろう。
本編では紅摩がこの状態になっている。秋葉も危うくなりかけたが、ギリギリの所で戻る事が出来たようである。
アルクェイドとの対決にむけてシエル先輩が用意した教会製の概念武装のひとつであると思われる。詳細は不明だが、どうやらアルクェイドが警戒するほどのシロモノであるらしい。
また、これを見たアルクェイドがシエル先輩とエンハウンスとの繋がりに気付いた事から銃器型の概念武装、およびそれを使用する人間自体珍しいのかもしれない。
「Notes.」に登場した「ブラックバレル」が和訳したらそのまま「黒い銃身」となる事から、これと同じモノである可能性が考えられる。
翡翠の大好物。
…であるらしい。
リアリティ・マーブル(reality marble)。
ダンゴ現象に由来するという事からマーブルとはおはじきの事らしい。
空想具現化の亜種。自身の心象世界という、「現実とは異なる現実」を形にして侵食させる世界干渉。
具体的には数多の事象が発生する"確率"に干渉することによって、本来ありえざる事象を強引に発生させているものと思われる。
元々は悪魔とよばれる存在の異界常識。本来なら精霊・悪魔の能力であるが、長い年月をかけて個人の心象世界を形にする魔術が完成し、一部の上級術者が固有結界形成を可能とするに至る。
死徒二十七祖のような強力な死徒は、魔術としてではなく能力としてこれを形成する力を持つようである。
「現実とは異なる現実」「異界常識」という言葉から察するに、現実の法則に従いつつ巧く工夫して異常な現象を引き起こすというものではなく、現実の法則その物を書き換えてしまうものであると思われる。
故に自然の延長である精霊以外が作り手である場合は世界からの修正を受け、その維持には莫大なエネルギーを消費する事となる。よって普通、一個人が結界を維持できる時間は数分程度。死徒二十七祖クラスで数時間程度となる。
ネロの場合は自己の体内に結界を形成していたので世界からの修正の影響がなかった。
ちなみに作り手を中心として形成される。自身の内面のコピーを外界へ上書きするようなものなのだから、オリジナルが中心に存在するのは至極当然の事かもしれない。
大きさが平均でどの程度なのかは不明。直径数キロの物もある。数十キロという規模の物も、前例があるのかどうかは不明だが存在したとしてもおかしくはないようである。
【長所】
空想具現化と違い、自然から独立したものに対しても干渉できる。
【短所】
あくまで術者の唯一の内面を形にするものであるため、その形を自由に決定する事ができない。よって汎用性が低い。
月姫の世界では基本的に魔との混血を指す。
人としての側面をも持つが故に退魔の法術の類は通用しない。
その上魔としての能力を行使する事が出来る。
よって彼等が外れてしまった場合は退魔にとって非常に強大な敵となる。
静かに暮らす事を望み、遠野のように退魔に対して協力的な混血も存在する。
この世の全ての存在・現象の原因。万物・万象の因果の連鎖を最果てまで遡った先にあるもの。大元の一。そこでは全ての情報を得る事ができ、物事の始まりと終わりを知る事ができるという。
全員かどうかは不明だが、超能力者の脳はここに回線がつながっているという。結果、魔術回路を用いずとも超常現象を引き起こす事が出来る。
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