月姫辞典-マ行


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(ま)

 自然の法則にありながらその流れを歪めるモノとして必要とされなかった力を行使するモノ達。
 発生しているだけで歪みである。故に退魔は即座にこれを禁じる。


埋葬機関(まいそうきかん)

 カトリック教会の異端審問実行者達の集まり。
 悪魔払いというよりは悪魔殺しの武闘派で、キリスト教の矛盾点を法ではなく力で処理していく。
 トップのナルバレックを含む7人+予備1人の計8人の少数精鋭からなる。
 実力至上主義で形式上だけの信徒であってもメンバーになれ、中には死徒二十七祖の1人も含まれていたりする。元ロアだったシエルが受け入れられたのもそのためだろう。
 異端排除のためには教会の意向にさえ逆えるほどの強い権限を持つ。
 他国の退魔組織と相容れる事はない。


魔王(まおう)

 吸血衝動に負けて堕ちた真祖の別名。
 無差別に人の血を吸う。
 吸血衝動を抑制するために自らの能力を費やす事をしなくなったために非常に強大な力を持ち、人の力では滅ぼす事は不可能とまで言われたほど。
 こうなった真祖は同じ真祖によって処断される。


魔法(まほう)

 魔術と混同されがちだがそれとは異なり、本当の意味で「奇跡」と呼べる現象を引き起こす神秘。
 その時代において、文明の力ではいかに資金・時間を注ぎ込もうとも実現不可能な出来事を可能とするもの。よってあらゆる事が可能となった現代において、魔法と呼べるものは5つのみ。故に現存する魔法使いは5人のみ。

 現時点で魔法使いである事が明らかにされているのは蒼崎青子とゼルレッチ。5つの魔法の詳細は不明だが、蒼崎青子の魔法が「魔法・青」と称される事が明らかにされている。また、時間・空間への干渉、死者の蘇生が「魔法の域」とされている。

 魔術師は大抵魔法に辿り着く事を目的としている。ロアもそのひとりであったらしい。ただし、魔法に辿り着くと言う事はどうやら根源に辿り着くという事と同義であるらしく、そしてそこに辿り着ける者は魂がそこに繋がったまま生まれてきた者達だけであり、必ずしも優れた魔術師が魔法へと辿り着けるとは限らない。事実、魔術師としては平均以下である青子先生が魔法使いであったりする。

 また、既存の魔術のルールにはそぐわないらしく、朱い月がゼルレッチに敗れたのもこの点に関する事前の学習が不充分であったからである。


未来視(みらいし)

 未来を視る能力。超能力の一種であると思われる。
 本編に登場したのは瀬尾晶が持つ「過去視の発展型」で、他人の過去の記録を元に未来を「予測」するタイプ。

 過去の記録はまず映像として受信する模様だが、晶の場合映像そのものは記憶に残らず、単純にその特徴を知っている状態になるだけである。
 どうやら彼女の場合、脳の領域を未来予測の為の処理には多く割いているが、映像記録の方はあまり重視されていないようである。
 つまり過去の記録は未来を導き出す為の変数として用いられるだけであり、その大半は本人の記憶として定着したりはしないので、過去視のように他人の過去に自己が侵食され、引きずられるような事もない。
 予測処理の結果見出された未来も映像としてではなく単なる情報として記憶される。よって映像として記憶した場合に比べて情報の劣化速度は遅い。

 なお、晶が視る未来は日常から逸脱した未来に限られ、時間的には大体1日くらい後である事が多いらしい。視点はあくまで観測者としてのモノであり、視た未来の出来事の当事者の姿もわかる。

 あくまで未来予測であるため確定した未来を視るというものではない。よってこの能力によって見出した未来は回避する事が可能である。
 確定した未来を視る未来視も存在しているのかどうかは定かではない。


むー(むー)

 ヒロイン達が不満を表すときによく使用される表現。他に「むーっ」や「むっ」がある。
 何故か個人的にツボです。


矛盾(むじゅん)

 シエル先輩を永遠に世界へと縛り付けていたかもしれない物。

 具体的にはロアが生きているのにロアが死ぬという矛盾の事。ロアの転生体であるシエル先輩の魂の名はロアである為、ロアが存在する限りこの矛盾が生じてしまう。
 世界はこれを受け入れる事が出来ないので、ロアが存在し続ける限りシエル先輩を死ねないようにした。結果、彼女は傷付けば復元し、死んでも蘇生させられ、老いる事もなくなった。

 不死身と称される吸血鬼ですら本当に不死なわけではなく、あくまで死に難いだけであり、肉体が復元されるのは本人が生きている間に限る。
 対してシエル先輩の場合、世界が健在である限り例え死んでも蘇生させられるし、細胞ひとつ残さず殺されたとしても、そこから復元される。
 一時的にとはいえ「死んで」いるので、不死というよりは無限蘇生というイメージの方が近いかもしれない。

 しかし、世界すら殺しうる直死の魔眼にかかると流石に蘇生は不可能であったようである。



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