ハイバネーション(Hibernation) はいばねーしょん
人工冬眠。体温を6〜7度程度の状態に保ち、心拍数と呼吸数を限界まで減らす事によって代謝効率をさげ、エネルギーを極力消費しないようにする。この機能によってココと武は17年の時を超えた。
ちなみに冷凍睡眠にイメージが近いと思われるかもしれないが、コチラは冷凍した結果細胞膜が破壊されてしまう為に現在の技術では事実上不可能であるらしい。ハイバネーションはあくまで代謝速度を限界まで落とす物であり、冷凍保存しているわけではない。
ホクトはこれを普通に知っていたわけだが、彼は別に専門的な知識の持ち主というわけでもなさそうなので、2017年の時点はともかく2034年の時点ではわりとこの単語の知名度は高いのかもしれない?
ちなみに「hibernate」は「冬眠する」という意味である。また、PCにおいてはメモリ等に記録されているその時点の状態をハードディスクに保存して電源を切断、次回電源を入れた際にその状態のまま再開できるようにする事をハイバネーションと言うらしい。どちらに由来したネーミングなのかは不明。そもそも後者のネーミング自体が前者に由来するようではありますが。
ハウプト・プラッツ(Hauptplatz) はうぷと・ぷらっつ
LeMU中央を貫く巨大な円筒部。その内側は各フロアの中央広場となっており、その更に中央にはインゼル・ヌルへ繋がるエレベーターが存在する。「Hauptplatz」とはまんま「中央広場」という意味のドイツ語である。
本編中はどのフロアも完全浸水しているのだが、エレベーターチューブには幸い損傷が無かったらしく、空シナリオでは空がここの海水を一旦排出、武にその中へ移動してもらってから再び海水を流入させ、そのままインゼル・ヌルまで水面を上昇させる事によって彼を脱出させようと試みた。
半導体レーザー はんどうたいれーざー
半導体を媒質とするレーザー。発光源が小型である事から光通信・CD等に用いられている。
Ever17においてはRSDに利用されていたわけであるが、前述の理由からLeMU内の全部屋・通路の天井に装置が設置されながらも邪魔になる事がなかったのだろう。
p53 ぴーごじゅうさん
人間の17番染色体短腕に存在するガン抑制遺伝子。
人間の染色体は23対46本からなり、長い方から順番に若い番号が付けられている。また、1本の染色体が2本に分裂した際両者は交差するのだが、短腕とはこの交差ポイントから上下に計4本の腕が伸びているとみなした時、上に位置する短い方の腕を指す。
つまり、p53は17番目に長い染色体の交差ポイントより上方に存在しているという事になる。
名前はProtein(タンパク質)の分子量が53kD(キロダルトン。タンパク質・糖などの分子量を表す単位)である事に由来する。
元々はガン遺伝子に関する研究の過程で発見された物。ガン細胞においては変異してしまっていた為にガン遺伝子であると誤解されていたのだが、後に正常な状態ではガン抑制遺伝子として働いている事が確認され、認識が改められた。
ある種の酵素やタンパク質を生成し、なんらかの外的要因によって遺伝子に損傷が認められた場合には修復、およびそれが完了するまでの間の細胞分裂を抑制、修復が不可能であれば周辺にダメージを与える前にアポトーシス(細胞の自然死)に導くなどの働きをする。
キュレイウイルスはこの遺伝子を無力化する。
PDA(Personal Digital Assistance) ぴーでぃーえー
情報携帯端末。本編では総合携帯通信端末と称されている。いわば通信機能を有する片手サイズのパソコンみたいなもので、電卓などの単機能の機器はこれに含まれない。
Ever17で武が持っていたモノは携帯電話内蔵、プロ・ダイバーズ仕様の完全防水、静電充電機能付き。「静電」は静電気の略なのでコレを充電する機能、という事だろうか。
しかしそんな高性能なマシンだがLeMU内は携帯が圏外だったり、肝心なところで電池切れしたり、ココがマラカスにして遊んだり。
ちなみに携帯が圏外となった時に武が「このご時世に〜」と言っている。この事から恐らく2017年当時既に携帯の圏外となる地域は殆どなくなっているという設定なのかもしれない。
ピグマリオン効果(Pygmalion effect) ぴぐまりおんこうか
意識的、無意識的に関わらず、他者に対する願望・期待等が現実となる事。ハーバード大学のローゼンタール教授が提唱した。
具体的にはAさんがBさんに対して期待する。この際Aさんはその事をBさんに直接言葉にして伝えない。しかしAさんの態度、言動から自分が期待されていると言う事を感じ取ったBさんが、その期待に応えようと努力する。結果、Aさんの期待はそれを言葉にして伝えずとも現実化する、というモノである。
非減数分裂 ひげんすうぶんれつ
「りんご」を割って「りんごの右半分」と「りんごの左半分」に分裂させるといった具合に、分裂前と分裂後でその存在概念が変質してしまうのではなく、「りんご」と「りんご」といった具合に元となる分裂前のモノと全く同じ存在概念を持つモノが新たに誕生するような分裂の仕方。……だと思う。
例えば通常の細胞分裂によって分裂したふたつの細胞同士や、オリジナルとクローン、そして違う並列世界に生きる同一人物同士等がコレを行ったと言えるだろう。
なんで増加じゃなくて分裂なのかというと、分裂後の両者の由来が同一だから、という事であると思われる。
ちなみに減数分裂とは生殖細胞が行う分裂の一種で、分裂後に染色体が半分になるモノを言う。
非常階段 ひじょうかいだん
名前の通り非常時の避難用に設けられた階段で、LeMU館内の12箇所に設置されている。本編中はエレベーターが使用不可能なので、フロア間の移動には基本的にこの階段を用いる。
みんなさりげなく昇降しているように見えるが、フロア間の距離が17mあり、しかも螺旋階段である為かなりの運動量になる。ここを全力で駆け抜けるシーンは印象的。
ドライエリアから入れるものでも、ツヴァイトシュトックより上は浸水してしまっているのでインゼル・ヌルへ上がる事は不可能。
ヒンメル(HIMMEL) ひんめる
ドリットシュトックのドライエリアの端の方にある開かずの間。マップで見てみると意外と大きい。
空にすら開閉の権限が与えられておらず、ドアの手動開閉機構までも無効化してあるほどの徹底ぶり。その理由はIBFへの唯一の出入り口であるが為だろう。
HIMMELとはドイツ語で天国とか空を意味する単語。その名前故か、或いはそうであるからその名前なのかはわからないが、空システムの本体がここにある。LeMU内での出来事は基本的にインゼル・ヌルではなくこちらの方に記録されている。つまり、武達との思い出を共有する空はここに居ると言う事になる。
ちなみにNever7をプレイ済みの人なら気付いた人も多いと思いますが、逆から読むとLEMMIH。つまりLeMMIHと同じ綴りになったりする。
ブリックヴィンケル(BlickWinkel) ぶりっくう゛ぃんける
謎の4次元存在。3次元存在と違って時間軸上を自由に移動する事が可能。ココ・武を救う為には彼の協力が必要だった。
何でも知っている存在、と一部では誤解されてそうな気もするが、厳密に言うと何でも知る(見る)ことが出来る位置にいる存在、と言った方が正しい気がする。
「Blickwinkel」という単語には「視点」という意味がある。ただしコチラはWが小文字。気にする程の事じゃないかもしれないですが。
一方「Blick」はドイツ語で「視線」という意味が、「Winkel」は「角度」に関する様々な意味や、或いは「隅から隅まで〜」というような意味もある。
よって「BlickWinkel」だと3次元空間を隅から隅まで俯瞰する事を可能とする、3次元空間内からではありえない角度からの視線……これに最初に述べた「Blickwinkel」には「視点」という意味があるという事を加えて考えて、「第3視点」と意訳する事ができる、のかな?
実際のところ公式設定ではどう訳すのか不明ですが、ココシナリオの浮島に上がった時の会話の中の優春のセリフに「第3視点――ブリックヴィンケル――」というのがあったので、個人的には「第3視点」かもしれないと思ってます。
>>>BWとはいかなる存在か
遍在 へんざい
どこにでも存在しているという事。
本編での使われ方は例えば、ある人がどこかへ移動しようとしたとする。移動先の選択肢はそれこそ無限に存在する。ならば過去・現在・未来、ひいては別の歴史をも俯瞰できる視点から見下ろせば、その人はどこにでも居る、よって「遍在」していると言える、という事である。
偏って存在するという「偏在」とは字が似ているが意味がまるで違う。
飽和潜水仕様 ほうわせんすいしよう
建造物が水圧に潰されぬよう高圧混合ガスによって内部気圧を外部の水圧と同等かそれ以上に保つ、というものらしい。
よって内部の混合ガスが漏れる事の無い限り極めて安全である筈だったのだが、IBFの誰かがその混合ガスを漏らすという最大のタブーを犯してしまった為に2017年の事故が発生した。
ポッド(Pod) ぽっど
IBFの診療室に備え付けられている様々な機能を有する医療用ポッド。
高圧酸素治療・レーザーによる減菌・簡単な手術・ハイバネーション等が可能。ただし蓋を閉じた状態での注射はどうやら出来ない模様。もし出来るのならあの場に居たメンバー全員間抜けすぎます……。
なのでひょっとしたら高圧酸素治療・ハイバネーションだけはその性質上蓋を閉じていたが、基本的には蓋を開けた状態で治療を施すよう設計されているのかもしれない。
ほへ? ほへ?
「え?」や「へ?」等と同義であると思われる。
優やココがよく用いる。他に「ふへ?」などというものもある。
ホログラム(Hologram) ほろぐらむ
言うなれば3次元写真。物体光と参照光を記録媒体上で重ね合わせ、その際に生じた干渉縞を記録したもの。
物体光とは被写体に反射した光。参照光とは物体光に干渉させる光。
干渉縞とは文字通り前述のふたつの光が干渉しあう事によって生じる物で、ここには「物体の明暗」と「光がやってきた方向」という情報が存在する。
「物体の像」として物体光を記録するのではなく、これを参照光によって干渉させ、「物体から伝わってくる光の情報」として干渉縞を記録しているのであり、通常の写真とは原理的に異なる。
記録した画像を再生するには、記録時に用いた参照光と同じ波長の光を記録媒体に照射する必要がある。この時干渉縞は照射した光の一部を回折させ、この回折した光は最初の物体光と同じ形になる。
回折とは波が障害物によって遮られた際、その障害物の影になった部分にも進行方向の変わった波が伝播する現象の事。
つまり、干渉縞という障害物によって進行方向を変えられた光が、最終的に最初の物体光と同じ像を結ぶというわけである。
しかしこれは少なくとも2034年の時点では古い技術となっており、LeMUの売店等で扱っている商品や、LeMU館内のあちこちで見られる案内表示は同じホログラムでもちょっと違うものであるようだ。
ちなみに「Holo」は「完全な」、「gram」は「情報」というような意味合いであるらしい。この事からもわかるように「Hologram」という言葉の由来は光の情報を完全に記録しているという特徴から来ているようである。
なおホログラムは部分で立体全体を記録しているので、記録媒体の一部が欠けたとしても記録した像に影響は無いし、欠けた破片からでも像は完全な状態で再生される。
ホログラムペンダント(Hologram Pendant) ほろぐらむぺんだんと
沙羅が持っていたペンダントで、武の映像が記録されている。元々はつぐみが持っていた物で、武の映像はクヴァレで記録したものである。
映像がモノクロなのは赤外線のみを用いて記録した為だろう。しかもそれ故に太陽光やライターの炎など、赤外線(850nm前後)を発するものを用いなければ像は浮かび上がらず、赤外線視力を持つ者でなければ見る事が出来ない。
ホクト・沙羅が幼い頃に万死に値する餓鬼どものいじめによって一部欠けてしまい、その破片がホクトの左手の親指の腹に入ってしまった。
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