Fate/stay night雑記(5)

 Fate/stay nightネタバレな順番とかあんま考えないいつものアレです。

 41:キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ

「宝石のゼルレッチ。
 万華鏡の如く、同時に運営される並行世界を「個」として移動できる無敵じじい。
 言うまでもない事ではあるが、宝石の表面が万華鏡のソレに類似している事より、宝石の称号を持つ。――――民明書房刊・きのことじじいの不思議な話より抜粋」


 一年以上前のきのこさんとのメールのやりとりの中から許可を頂いて転載。無断転載禁止。
 というわけでようやく明かせますが、私はFateが出るよりもだいぶ前からゼルレッチのフルネームやら魔法やらなんやらについて知っていたのでした。
 なんか、お話の流れからいつのまにかゼルレッチのネタバレになってたのです。当時モニタの前で本気でうろたえておりました。懐かしい。

 アルクを誕生させたのはゼル爺の魔法なんじゃないかなどと雑記で書いたりしたのも、どういう魔法かを知っていたからなんですよね。
 並行世界への移行が可能ならばかなり色々な事が出来そうだから、朱い月打倒と最高純度の真祖の抽出、いずれもやろうと思えばできたんじゃないかなと思ったわけです。
 ただそれが可能であるかどうかは別にして、prologueの絵本雑記にも書いた通り絵本を読む限り実際にはどうも違ってそうだという気もしますが。
 ちなみにこの絵本のゼル爺とアルクが向かい合ってるページの下に「3/KALEIDOSCOPE」と書かれてますが、さり気にこの時点で伏線が張られていたわけです。当時それを口にする事は出来ませんでしたけれども。

 Fate体験版雑記(2)の17で「このあたりに関してはもっと書きたい事があるんですが、とりあえず別の機会にまわします」などと書いたのも、体験版の時点で遠坂がゼル爺の系譜だという事には察しがついていたからだったわけなのでした。
 ただ、サイドマテリアルの用語辞典によると遠坂の初代はゼル爺につかまった人だけど、べつにドイツ人というわけではなかったっぽい?
 凛の父が彫りの深い顔立ちってのは元からそういう顔なだけで外国人の血云々は関係ないという事だろうか。
 呪文がドイツ語な理由はやはり大師父であるゼル爺がそうだから、という可能性が高そうな気がしますが。

 ちなみに14で士郎が別の並行世界の記憶を持ってるような気がする、などと勘違いしたのもゼル爺がFateに関わってくるという事を予め知っていたせいだったりします。考え過ぎでしたけれども。

 それにしてもじーさん老けたな……まあ絵本の絵は800年も前ですが。けれど死徒は色々条件があるとはいえ不老不死の筈なのに。もしかして血を吸ってないのかね。

 ところでレヴォでお話した時はきのこさん、Fateに魔法使い本人は登場しないような事を言っていたような?(汗)


 42:Unlimited Brade Works

 さて、ここに剣と本と闇がある。
 君が挑むのは十年前だ。
 何を選んで何を倒すべきかは。
 決して、自分にだけは知られてはいけないよ――――

    from:code[■■]
           ….the unlimited brade works


 コピー誌「fragments」より転載。こちらも許可いただきました。無断転載禁止。サイドマテリアルの用語辞典でちょっと触れられていたアレです。
 Fateプレイしてる最中unlimited brade worksというフレーズがずっと頭のどこかにひっかかってるような感覚がありました。そりゃそうだ。■■には「Fate」が入るのかな?
 で、剣と闇はわかるんですが、本は何を指してたんだろう。該当しそうなものが色々あってよくわからんです。
 君、というのは多分エミヤなんだろう。自分(士郎)にだけは知られてはいけないという点からして恐らく。そして「十年前」ですか。てことは英霊エミヤは衛宮士郎のおよそ十年後の姿だという事になるんだろうか。
 まあこの文章が書かれた頃からシナリオが二転三転してその辺の設定が変更になった可能性もありますけれども。
 或いはボツになった話の中に士郎が十年前の火災現場へ赴くという物があったりしたのかなあ。とか。

 ちなみにFateが出る前はこれ、志貴が魔法か何かで七夜襲撃の場へと赴いて紅摩と決着をつけるお話だろうかと予想してました。紅摩との決着はいずれなんらかのカタチで付けられる、ときのこさんがどこかで言っていたと思いましたので。
 七夜襲撃も十年くらい前だし。君=志貴なら確かにその場には自分(幼い頃の志貴)がいるので辻褄は合うような。ただ剣と本と闇はなんなのよという事になりますが。


 43:魔法の域

 本当はファンブック雑記に書こうと思ってた事だったんですが、とりあえずFate本編で得られた情報をプラスして。
 空間遮断・時間旅行・死者の蘇生。これら全て魔法とは明言されず、これまで魔法の域扱いでしかなかったんですよね。オマエ死者の蘇生は魔法確定みたいなこと言ってたじゃんと突っ込まれそうですが、改めて確認してみると歌月の会話の流れからだとそうとも取れるだけで、明言はされてませんでした。
 じゃあ結局これらは魔法なのかそうではないのか。空の境界では空間遮断、死者の蘇生は魔法使いの業。時間旅行はファンブックでそれをできるのは魔法使いだとされていた。
これらの言いまわしから私が予想したのは以下の通り。

 1:実際魔法である
 2:一般の魔術師が「それができたら魔法」だと思っている物に過ぎない
 3:魔法ではないが魔法に匹敵するランクで、しかし魔術師でも条件次第でごく稀に手が届く神秘


 1だったら今回明らかになった魂の物質化、並行世界の運営とともに五つの魔法が出揃った事になりますが。でもやっぱりビミョーな言いまわしが気になります。

 2はそれなりに裏付けがないこともないです。凛は第三魔法がなんであるか知りませんでしたし。魔法とされる物が五つあるとだけ一般の魔術師達にも知れ渡っているが、どうもその詳細までは知らされていないようです。
 凛が時間・空間への干渉とともに並行世界の運営を魔法の例として挙げていたのは、彼女がシュバインオーグの系譜であるが故に第二魔法の正体を知っていたからなのかも。
 でまあ結論として、時間・空間への干渉、死者の蘇生は結局魔法かもしれないしそうじゃないかもしれないという微妙な位置付けになる。

 3はつまり厳密には魔法ではないという事になります。
 この考えを裏付けるかもしれないのが空の境界の荒耶ですね。あれは大規模な魔術的建造物のバックアップによって空間への干渉をなしえたようで。
 もうひとつがファンブックにおいての固有結界に関する解説。「魔法の類」の中では比較的容易だとかなんとか。それ故に「魔術」の到達点のひとつとされている模様。
 この言いまわしから察するに、五つの魔法以外にそれに近いランクの神秘が存在しており、それが出来る可能性があるとしたら普通は魔法使い以外ありえないという事なのではないかと。
 けれど荒耶は魔術師なのに普通じゃない物(小川マンション)を作り上げちゃったから一時的・例外的にそこへ辿り着いたとか。

 個人的には2或いは3、もしくはその両方かなあ、と現在のところ推測しています。
 両方ってのはつまり、一般の魔術師が「これなら魔法かも」と思っている神秘が五つ以上あり、その内本当に魔法である物以外は限られた条件下において魔術師であっても行使可能、という事でしょうかね。


 44:魔法はやっぱり"作る物"?

 言峰が洗礼詠唱を行った場面での以下の説明なんですが。

 彼等の聖典、“神の教え”は世界に固定化された魔術基盤の中でも、最大の対霊魔術とされる。

 魔術基盤。ようするに、元々は世界に存在していなかった物を人為的に"固定化"したのでは?
 昔、らっきょとーく(3)の23〜25で書いたような事って、もしかしたら案外的外れではなかったという事になるのだろうか。まだ断定は出来ませんが。
 つまり、魔術の使い手がいても世界にその魔術基盤が存在していなければ魔術は起動しない。メルブラトーク(6)の52で書いたように、まず最初は誰かが根源に辿り着き、そこから魔術基盤を世界に固定化するという作業が必要になる、という事なのだろうか。


 45:43の補足

 魔法の域とされる神秘は魔術師でも実現不可能ではなくもない(でもホトンド無理)とはいえ、現代文明では確かに不可能。であるにも関わらずこれらが完全には魔法扱いされていないのだと仮定(あくまで現時点では仮定にしかならない)すると、その理由はなんなのか。

 まあ想像になるんですが、魔法に関しても当然44で述べたような基盤が世界に固定化されているのだと思われる。で、魔法の域とされる神秘とはその一部を借り受けて成しうる奇跡だからだとか……。つまり魔法という大きな河の支流みたいなもの?
 故にこれらはあくまで魔法の亜流というか、不完全なもの、といった位置付けになるとか。
 確かに第三魔法の力の一部でも使えれば死者の蘇生もできそうだし、第二魔法の力も応用次第で時間・空間への干渉になる……のかな? こっちはよくわからん。
 逆に言うと死者の蘇生という神秘の完全な形は第三魔法であるとか、なんとか。そんな感じの考えなわけですが。

 だから「支流」を使った奇跡を成しうる存在がいるとするならば、普通に考えれば「本流」を自由に出来る魔法使い以外に有り得ない。故に橙子さんも空間遮断による結界など魔法使いでもない限りできない、というような事を言っていたと。
 しかし魔術師でも気の遠くなるほど大掛かりな魔術的仕掛けを構築してようやくごく稀に、支流にならば触れる事はできる可能性はあるのでは、とか。
 ちなみにこの予想が正しいとすると、魔法使いは魔法以外にも魔法に近いランクの神秘をいくつか使える可能性が出てきます。


 46:魔力は生命力

 と、言えるらしい。だからこれまで登場した魔術師には食いしん坊が多いのか。セイバーの場合は魔術師じゃないけど強大な魔力持ちだからなんとなくわかる。


 47:桜ルートで固有結界は使用できないのか

 昔、固有結界はただひとつの心象世界を現実に侵食させるのだから、その心象世界その物が何らかの要因によって変貌してしまったらどうなるのかと疑問に思った事があります。
 やっぱりその場合固有結界も違う物になるのだろうと予想してましたが、今回の桜ルートでの士郎の件がその裏付けになるかもしれないですね。

 さて。心象世界が異なるから「無限の剣製」は使用できないというのは確かにそうなんですが、士郎の回路は「固有結界」を作り出す物であって「無限の剣製」を作り出す物ではない筈。なら、その時の士郎の心象世界に合わせた固有結界ならば展開できた筈ではないのだろうかと、ふと疑問に思った。
 凛ルートでは凛からの魔力供給があったので、供給のない桜ルートの士郎では魔力が足りるかどうか微妙だと思われるかもしれませんが、バーサーカー戦時には既に二十七ある魔術回路は全て使用出来るようになっていたらしいので多分大丈夫なんじゃないかという気がします。

 で、固有結界を使用できなかった理由について色々と考えてみた結果、あの場面で士郎にはそれだけのポテンシャルはあったが、その手段が確立されていなかったのではないかと推測してみる。
 具体的にどういう事かというと「ふっかつのじゅもんがちがいます」。……いや、復活関係ないけど。
 まずは固有結界を展開する為の呪文を呪文リストにて確認してください。
 士郎とアーチャーとでは微細な違いこそあれ、いずれにせよ「無限の剣製」の特徴を表した内容である事は明白。そして最後に「真名」である“unlimited blade works”というキーワードを以って完成する。
 つまり、魔術によって固有結界を形成する場合、本人の心象世界に合わせた呪文を作る必要があるんじゃないでしょうかね。
 で、桜ルートの士郎がもし仮に固有結界を展開しようとするならば、その時点での自分の心象世界がいかなる物であるかを読みとって、新たに呪文を作りなおす必要があったのではないかと。そして無論、バーサーカーが目の前に居るのにそんな余裕なんてないわけで。

 ちなみに桜トゥルーのエピローグでの、今後の修行次第で士郎は固有結界を使えるようになるという凛の言葉ですが、これは無限の剣製を指して言っているのではなく、あの時点での士郎の固有結界を指しているんじゃないかと思います。
 修行が必要というからには、そのままでは固有結界を使えない。その理由は新しい体では以前のようにはいかないという点と、上で述べた呪文が異なってくるという問題を解決しないといけないからなんじゃないだろうか。


 48:能力としての固有結界

 さて、仮に47の通りだとすると死徒二十七祖のような面々の場合。

 >強力な死徒は固有結界と呼ばれる、
 >自身を中心として“現実とは異なる現実”を作る力がある


 と、メルブラでシオンが言ってますので、魔術としてではなく能力として固有結界を展開できるっぽい。以前にもどこかで書いたと思いますが。
 そうだとすると呪文なしで固有結界を起動できるが故に、心象世界が変わるような事があっても自動的に変貌後の固有結界が展開されるようになるだけなので問題ないという事になるかもしれないですね。恐らく精霊・悪魔に関しても同様かも。
 こういった存在の心象世界が変わるような事態ってあんまり想像できませんが。


 49:士郎の呪文

 とりあえず呪文リストの士郎の呪文をざっと見渡していただけるとわかると思うのですが……なんというか、軍人さんっぽい?
 それに魔術回路のスイッチをオンにする時のイメージも「撃鉄を下ろす」という物ですが。
 けれど剣属性の士郎のスイッチが撃鉄というのも不思議かもしんない。義父である切嗣は銃器系の装備を好んで使用したらしいですが。

 それと彼の呪文は基本的に日本語に英語(カタカナですが)のルビが振られてますが、無限の剣製を起動する場合の呪文は逆。
 内界で作られた物を外界へ出す投影と、逆にそれを作った内界その物をそのまま外界に出す固有結界。それぞれの呪文の日本語・英語が逆になっているという構図ってのは考えてみると面白いですな。きのこさんが意図しての事なのかどうかはわかりませんが。


 50:何故ゲイボルクを回避できたのか

 因果の"逆転"を可能とする事がゲイボルクの最大の強みであり、またそれ故にセイバーにはこれを回避できる可能性が残されていたと言えるのではないだろうか、などと思ったり。

 セイバー戦でランサーは、ゲイボルクを出す際に一度離した間合いを一気に詰めてます。この事から恐らく槍が心臓に刺さる可能性が僅かでも存在する間合いでないと効果がないか、或いは薄れてしまうのではないだろうかと。でなきゃわざわざ接近する意味がない。離れた間合いから強引に心臓を貫くなどという事が可能なら、そうする必要などないのだし。
 そしてそうであるからこそセイバーは回避できたのではないかと。ゲイボルクを回避する為の条件としてステータス画面において「幸運」の値の高さが挙げられていたわけですが、彼女はこの運の良さのおかげで呪いが完全に発動しきる直前の、ギリギリの所で槍の間合いから離脱する事が出来たからこそ助かったのかも。

 では槍が届かない間合いであると駄目な理由は何か。その状態ではそのまま普通に「槍を放つ」事によって「心臓を貫く」という事象が導き出される可能性がゼロだからなのではないだろうか。
 つまり、原因たる「槍を放つ」と結果たる「心臓を貫く」が連続して発生しえない状況下では、因果を"逆転"させたところで無意味なのではないだろうかと。オセロのコマの白い面を赤なり青なりで塗り潰し、その状態で黒をひっくりかえして白が出る事を期待しようと無駄なわけで。
 ようするに、連続したふたつの事象の因果関係の入れ替えだからこそ、「心臓を貫く」という事象を発生させたくても対となるその原因が因果の連鎖の上において隣接して存在していないのであれば意味がないと。だからランサーは槍の届く間合いまで走ってから「槍を放つ」必要があったのでは。

 通常、宝具の詳細を知られるのはサーヴァントにとって致命的ではあるものの、回避が困難なゲイボルクを持つランサーは他のサーヴァントに比べるとそうでもないかもしれない。燃費の良い宝具でもあるようだし。
 ランサーが最初の戦闘から撤退する時に、追いかけるというのならばそうしてくれて構わないような事をセイバーに言っていたのもその為だと思う。セイバーと言えど、負傷した状態で確実に2度目も回避できるとは限らない。
 けれど、遠距離攻撃を可能とするアーチャーやキャスターに知られるのはあまり好ましくないんじゃないだろうか。もっとも「死翔の槍」の方ならば彼等にも対応できそうですが。


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