Fate/stay night雑記(6)

 Fate/stay nightネタバレな順番とかあんま考えないいつものアレです。

 51:桜ルートでセイバーは助けられたのか

 桜にそうしたように、ルールブレイカーを使えばセイバーも解放できたのではないかと思われるかもしれない。しかし、あの短剣の限界と黒化がいかなる物であるかはっきりしない限りはなんともいえないと思う。
 故に助けられたかもしれないし、やはり無理だったのかもしれない。私は残念ながら恐らく後者だったのではないかと考えてます。

 根拠は例えばセイバールートの魔術刻印講座での凛の話。魔術というのは魔力を通している間だけの変化であるらしい。要するにルールブレイカーはその魔力が通っている事を前提として成立するシステムを壊す物なのだろう。
 では、セイバーの黒化も同様のシステムに魔力が流れる事によって生じた一時的な変化だったのだろうか。魔力の供給がなくなれば自動的に元に戻るような物なのだろうか。
 どうもそう言う風には見えないような。それにステータス画面にも「汚染」されたと書かれているし。つまり死徒化のように不可逆な変化に近い印象を受ける。
 例えばの話なんですが、体内に入った毒物を除去する方法それ自体と、毒物によって変質してしまった、或いは壊れた体組織を修復する方法というのは違うと思うんですよね。で、ルールブレイカーが持つ機能ってのは前者にのみ該当するんじゃないかなと。
 さっちんの血を流しこまれた志貴はその血だけを殺して吸血鬼化から逃れる事が出来ましたが、彼の肉体が変異してしまった後に同じ事をやっても恐らく手遅れだっただろうし。
 そういうわけで、恐らく存在その物が変質してしまったセイバーは、ルールブレイカーによって助けるには完全に手遅れだったのではないだろうか。
 もっとも「黒化させようとする現象」が魔術に属するものであったとしても、最初に述べたようにルールブレイカーの限界がそれを上回っているかどうかがハッキリしていないので、初期段階で使用できていたとしてもどうなるのかはわかりませんが。


 52:黒セイバーへのルールブレイカーの使用は無意味か

 51を書きながらふと思ったんですけどね。黒化は流石にどうにもならんのではないかと思うわけですが、しかし桜との契約を破戒する事くらいは可能だったんじゃないだろうか。

 属性は秩序・悪となってはいるわけですが、「悪」といってもどうも黒セイバーからは自らの意思で無差別に人を殺したりするような邪悪さは感じない。凶暴化しているとはあるけど完全にそれに流されているような感じもしない。
 彼女を助けようとするとバッドエンドになってしまいますが、それは彼女が桜の命令には逆らえないからであるわけで。だから彼女が桜に忠誠を誓っていない限り、ルールブレイカーを使用して桜との契約を解除してやれば交渉次第で再び士郎に付いてくれるかも、とも思ったのですがどうだろう。……流石に都合良すぎかなあ。

 いくら最初に忠誠を誓った相手が士郎だとはいえ、自身の判断ミスで戦闘に敗れて彼を守りきれなかった事と、その後桜のサーヴァントになってしまった事。その負い目に加えて更に今の主を裏切って最初の主に今更鞍替えするとなると、それらは騎士である彼女としては耐え難い恥であるかもしれない。だから契約を解除したくらいでそう簡単に味方についてはくれないかも、とも思いますが。
 まあそう言ってごねた場合は士郎の説得次第でしょうかね。桜に言ったような感じで「自身の失策の責任を果たせ」と言ってやれば彼女は再び士郎に付いてくれただろうか。
 また、上で「桜に忠誠を誓っていない限り」と書きましたが、実際にその通りだったとしても彼女の言動からして、どうも命令に逆らえないが故に狭められた選択肢の中からでもどうにか桜を救おうとしていたととれる節がある。ならば桜からの縛りがなくなり、その桜を救おうとしている士郎に付くのは彼女にとっても望むところであるような気はしますが。

 ちなみにセイバーの解呪の為に投影1回使った事で最後にアンリマユと大聖杯を滅ぼす為に必要な投影ができなくなるという問題は気にする事はないですね。セイバー自身が生きているなら彼女のエクスカリバーが使えるので。……あ、でも第三魔法が使えなくなって士郎助からない?(汗)

 まあ、存在しないルートについてあれこれ想像しても無意味かもしれませんが。


 53:桜も黒化していたのに何故戻れたのか

 よくよく考えてみると桜も汚染されてはいるわけで。彼女は契約により繋がっていた事で魔力を送られつづけていたから変貌したようですが。
 けど「臓硯の最期」にて臓硯が、「体はまだ変わりきっていないが」と言っている。対してセイバーは言峰の説明にもあったように、敗れて無色の魂となって聖杯に回収されたところを汚染された。
 セイバーはセイバーでありながらセイバーとして機能していない、完全に無防備な状態である所を汚染されたようなものなんじゃないかと思う。それはつまり魂を直接汚染されたという事ではないだろうか。だから恐らく肉体から(?)汚染されている桜とは比較にならないという可能性も。
 更に言うならアンリマユによる汚染は霊体であるサーヴァントにとって致命的。サーヴァントがサーヴァントである限りアレには勝てないとかなんとか言われてましたっけね。
 無論肉体を持つ人間にとっても決して楽観できる物ではないが、サーヴァントに比べれば耐性は高そう。だから桜は契約破棄だけでどうにか戻れたのかも?


 54:黒化したサーヴァントの魂はどうなるのか

 アンリマユに解放された桜が聖杯としての機能を失うという状況下、もうひとつ聖杯として機能する存在が同じ場にあるのなら、サーヴァント達の魂はそちらへと移るのが道理だろうと思う。
 その後に登場したイリヤに注目してみると、臓硯との会話の間にドレスが変化しているのがわかる。なんでもサイドマテリアルの用語辞典によると、サーヴァント達の魂が収納される毎にドレスの七つの孔がひとつづつ光を帯びるしかけになっているのだとか。
 よってつまり、あの場面でのドレスの変化は魂がイリヤへと移った事を裏付けていると思う。

 ちなみにライダーは健在だが代わりにギルガメッシュが取りこまれていた事、真アサシンは佐々木小次郎の肉体を媒介にして召喚されたらしいのでプラマイゼロだとすれば数は七つで正しいと、思う。
 或いは小次郎に関しては他のサーヴァントとは勝手が違うので実はカウントされなかったりするんだろうか? 四回目の聖杯戦争ではセイバーとアーチャーが残った状態でも門は一応開いたし、そうだったとしても問題はないけれど。

 さて、この時イリヤに移ったサーヴァント達の魂は黒化したままだったのかどうか。なんかイリヤのドレスの七つの孔の輝きぶりを見るとそんな印象は受けないような。もっとも見た目だけで断言しちゃいかんのでしょうが。
 それとも敗れたサーヴァントの魂は別の聖杯に移ったら再びリセットされる……のかとも思いましたがセイバールートや凛ルートを見る限りそれはないか。
 だが、敗れた後に無色化するというのは確かであるようだ。肉体という寄り代から離れ、剥き出しの状態で世界に放り出されるとそうなるという事だろうか。ただその状態で聖杯に取り込まれるとアンリマユの魔力に染められてしまうという事で。
 ならば聖杯(イリヤ)から解放されて門を通るという段階で再び黒化はリセットされそうな気はします。
 もしそうであるならば、桜ルートのセイバーが丘で死ぬ直前の彼女の本体へと戻った時に本体を汚染するという心配はなさそうです。というかそうであって欲しいんですが。


 55:ゼル爺が凛に気付いた理由

 凛が自力で宝石剣を完成させたらひょっこり現れるかも、などとイリヤが言ってましたが。というか投影による複製品とはいえ宝石剣を使用しただけでひょっこり現れちゃったりしてましたが。
 まあ、自分の弟子のひとりが魔法に辿り着いた、或いは辿り着きつつあるのを察知したのならば様子を見に来るは道理だとは思う。けど具体的にどうやって察知したんだろうかと疑問に思ったので色々考えてみる。

 1:常に弟子たちをモニタリングしている
 彼はなんらかの手段によって常に弟子達の様子をモニタリングしてるとか。発信機と同様の効果を持つ魔術があれば可能だと思う。

 2:第二魔法の基盤を独占しているから
 44で書いた事に関連しますが。第二魔法の使い手は彼だけであった。故に並行世界への道を開く為の基盤は通常彼しか使用していないので、それを監視していれば他の誰かが使った場合すぐに察知できるとか。

 3:ゼル爺が沢山居るから
 彼が並行世界を旅する人だから。並行世界が無限に在るなら少しずつ違う同じ人間が無限に存在していて、それはゼル爺に関しても同様であるとか。
 そして彼が無限に居るのならばその内の一人がたまたま凛達のいる世界を覗きに来ていたというのもありうるかも? ちょっとこれはややこしくてしかも無茶な考え方かもしれませんが。

 4:彼が高次元の観測者であるから
 並行世界へ移動できるなら、場合によっては三次元存在よりも高次元の視点を持ちうると思う。つまり、より広い世界を俯瞰できる観測者であるが故に気付いたとか。

 色々考えてみましたがまあこの中では1が最も無難でしょうかね。裏付けはありませんが。個人的には2が一番面白いなと思ってますけれども。3はかなり無茶だけど完全に否定はできないかなあと。4はきのこさんの世界設定にも適用できるかどうか、現時点ではわからんです。


 56:第三魔法とアルクェイド

 桜ルート後の士郎は魂が肉体を遠隔操作しているようなものであるらしい。
 もしかしたらアルクに関してもそれは同様で、志貴に徹底的に殺されたにも関わらず蘇生できたのはやはり志貴が視ていたのが「肉体の死」であって、それを操作する魂の死ではなかったからなんだろうか。過去にここの一番下でも同じような事を書きましたが。

 そんな感じで魂と肉体を別個に考えると、アルクの「転移」も納得がいく。魂の方はあくまでそのまま外界に居るのなら、彼女にとって肉体は気軽に(?)交換できる物だという事になる。
 シエルルートの夜の校舎では恐らくその時使ってた肉体は消して、ブリュンスタッド城にある霊子を元に肉体を構成したのだと思われる。しかしそれだと後者はクローンみたいなもので、厳密には別人だという事になってしまうのでは、と以前は疑問に思っていたわけですが、魂が外界にそのまま在り続けるのならやはりアルクはアルクのままだという事に。

 でも城に戻らないと治療出来ないというような事を言っていたあたり、転移先で構成しなおした肉体も傷がついたままなのだと思う。
 という事は魂も、100パーセントとまではいかなくとも肉体のダメージに引きずられるのかもしれない。だから肉体に引きずられてダメージを受けた魂を元に新たな肉体を構成しても傷は残ったままであると。
 もしそうだとしたら体を作り直したにも関わらず十七分割後のアルクェイドが非常に弱っていたのも道理だと思う。
 そういえば空の境界で橙子さんが、霧絵さんの浮遊してた方の肉体が式に殺されてもその影響がいずれ本体に現れるというような事を言っていた。魂と肉体の関係もこれに近いのかも。
 いや、逆か。霧絵さんの例が魂と肉体の関係に近いというべきなんだろうか?


 57:アルクェイドにエクスカリバーは効くか

 アルクですら魔法は警戒しているっぽい。朱い月ですら魔法に遅れを取った。
 ランクA+であるライダーのベルレフォーンは魔法一歩手前らしい。
 という事はランクA++であるエクスカリバーは魔法と同ランクかそれ以上。
 これらの情報を纏めるとなんか、効く可能性はあるんじゃないかって気はします。無論「魔法」と「魔法と同域」を同一視してはいかんのですが。
 けど英霊は強力な宝具を持つが故に格上の精霊すら打倒しうるという話だし。魔法じゃないからといって宝具による攻撃に特別な耐性がアルクにあるとはちょっと思えないし。

 というかエクスカリバーを持つセイバー、それを同等か一歩上回る威力を誇るというエアを持つギルガメッシュは物理的攻撃力なら一般に知られているきのこさんの作品(notesみたいなそもそも物差しの違う物を除く)の中ではひょっとしたら過去最高なのではないだろうか。
 アルクの空想具現化ならそれ以上の事も或いは出来るかもしれませんが、実際に登場した攻撃の中ではという事で。
 てか、アヴァロン持ってしかも魔力供給不要な生前のセイバーは攻防ともに最強クラスだなあ。


 58:ゼルレッチに時間旅行はできるのか

 並行世界への移動=時間移動というわけでもないし。できないのなら彼が老けたのも納得がいくかもしれない。少なくとも確実に朱い月健在だった頃からずっと生きてる人だって事になるわけだから。
 吸血種は不老不死な筈なのに何故老いるのかという事に関しては、以前書いたように血を吸ってないから等の理由は考えられる。真相はわかりませんが。
 まあ仮に時間移動が可能だったとしても、ゼルレッチ自身の時間は流れてるから老いたとしても不思議はないかもしれませんけれども。

 ただ、「並行世界への移動=時間移動」ではないだろうけれど、「並行世界への移動が出来る=時間移動が出来る」となる可能性は完全には否定できないかもしれない。
 例えば(5)の43〜45で述べたような考え方から死者の蘇生が第三魔法の一部だとしたら、空間干渉・時間干渉も第二魔法の一部であって、故に時間旅行も可能なゼル爺は「時の翁」とも呼ばれるとか。
 第三魔法が魂への干渉であるなら第二魔法は次元干渉といったところだろうか。きのこさんの世界において四番目の軸が時間軸で、xyztの四軸全てに直交する五番目の軸上を移動する事が並行世界への移動であるならばの話ですが。
 ちなみにサイドマテリアルの用語辞典におけるアヴァロンの項目によれば、少なくともきのこさんの世界において六次元までは確実に存在するようですが。


 59:同一人物が同時に存在

 >未熟だった頃の衛宮士郎と、エミヤと呼ばれる英雄となったオレは別の存在だ。
 >そうでなければ同時に存在などできないが


 と、本編でアーチャーが言ってます。つまりきのこさんの作品世界では、同一人物が同時に同一世界に存在する事はできないという事になるんだろうか。
 まあこのセリフだけで断定は出来ないかもしれませんがとりあえずそうだと仮定すると、それ故にゼルレッチの魔法は「個」として並行世界への移動を可能とする((5)の41参照)という事になっているのだという解釈もできるかも。
 その場合ゼルレッチ以外が何かの間違いで並行世界へ移動したらどうなるんだろう。世界が矛盾を修正するために働きかけてくるんだろうか。
 元の世界に弾き返すのか、元からその世界に存在していたモノであるかのように作り変えてしまうのか(人間だったら記憶を改竄したり)、或いはもっと簡単に、無かった事にしてしまうとか?


 60:固有時制御・時間に止まる

 柳洞寺でキャスターが瞬時に空中へ移動したのを見てアーチャーは、この時彼女がやったと思われる事として「空間転移」或いは「固有時制御」を候補に挙げている。つまり、場合によって両者が引き起こす現象は第三者の目から見ればほぼ同じだという事であると思われる。
 で、"固有"時制御なわけだから、多分特定の存在の時間のみを制御するものなんだろう。ならば空間転移同様、瞬間的に別の場所へ移動したかのように見えるのは道理かもしれない。
 具体的には術者が自身の時間の流れる速さをコントロールして、周囲よりも速い速度で移動したという事になるんだろうか。

 で、これは魔法と魔法の域の魔術のどちらなのかというと、前述の場面でのアーチャーのセリフからはどちらともとれますが、サイドマテリアルの用語辞典の切嗣の項目によれば魔術であるようですね。58での推測が正しかったとしたら第二魔法の一部という事になるんでしょうか。
 自分の事を魔法使いだと言った切嗣の習得していた魔術が、魔法とまではいかなくとも魔法の域にあるものだったというのならそれは面白い構図だなと思ったり。

 ところで第四回人気投票時の晶の紹介欄にて「時間に止まる」能力に関して解説されてましたが(実際には晶にはそこまではできないそうだけど)、これももしかしたら固有時制御と原理は同じなんだろうか。
 そして「時間に止まる」といえばセイバー。何気にこんな所でもFateに関する伏線張ってたのかー。といってもセイバーの場合能力或いは魔術としてやってるというよりは、守護者になるという契約をした結果世界の方がやってくれてる事であるというような雰囲気でしたが。
 あと、「時間に止まる」という行為が固有時制御と同じ原理によるという推測が正しかった場合、セイバーが切嗣のサーヴァントとして召喚されたというのがこれまた面白い構図だなと思ったり。


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