藤乃の能力が藤乃の能力に関する考察で述べた通りのものだと仮定するならば、同じ歪曲でも右回転と左回転では別チャンネルであるとされていた事にも説明がつくと思う。
右回転ならば太極図の螺旋が表す概念上の循環運動をそのまま物理的な螺旋運動に変換したという事になる。
だが左回転ならばどうか。
先の循環は自然界のありのままの姿を現している。例えば生きているモノがやがて死に至るとか、時間が過去から未来へとひたすら流れていくといった事もこの中に含まれるだろう。
ならば左回転はこれとは全く逆の現象、つまり死したモノが蘇ったり、過ぎ去った時間が巻き戻ったりする事を現す事になるのではないだろうか。
つまり、単純に回転方向が変わった、では済まされないわけである。
よって左右両方向に回転させる事が可能であるという事は、全く逆の性質を持つふたつの能力を同時に備えているのに等しいと言えるだろう。
例えるなら直死の魔眼を持つ式や志貴が同時に死んだモノを蘇生させる能力をも兼ね備えているようなものではないだろうか。
だが藤乃の場合はその全く正反対である概念を単純に物理的な螺旋運動に変換しており、見た目にはどちらも同じような能力にしか映らないという事になるのだろう。
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