アルクェイドは目覚めるたびにその時代に合わせた知識を身につけるわけだが、志貴に出会う以前は言葉を発しなかった彼女がどうやってそれらの情報を集めたのか?
言葉を使用せずに情報を得るのにも限りがある。情報収集時のみ言葉を発していたという可能性もあるかもしれないが、彼女が会話慣れしていないところを見る限りそれも違っていそうである。
となると言葉を必要としない情報収集の手段が必要となる。そこで以前私は魅了の魔眼を活用したのではないかと考えていたのだが、その後に歌月十夜で真祖は環境から直接情報を汲み上げられるという事が新たに判明した。
今になってよくよく考えてみると魅了の魔眼を使った方法ではあまりにも時間がかかりすぎる。こちらの方が短時間で済むので効率的だろう。
ちなみに歌月十夜以前にも似たような仮説を考え付いた事はある。自然寄りである真祖ならば街中の植物が見聞きした情報を得られる、といった内容だったと思うが、あまり強い裏付けが無かったのでこちらは没にして魅了の魔眼説の方をアップした。
結局植物から情報を得る、という仮説の方が比較的正解に近かったという事になるわけだが、実際には情報源が「環境」であって植物に限定されてはいなかった為完全な正解とは言えない。
また、「環境から情報を汲み上げる」という言い方をしていることから、もしかしたら得られる情報は自身の周囲の環境が記憶しているモノに限定されるのかもしれない。
つまり、極端な例を挙げるなら遠く離れた異国の地の詳細な情報等は得られないのではないか、という事である。
本当は無制限に情報を得られるが、歌月十夜でも述べられている通り情報を汲み上げすぎるとアルクェイド自身の自我が均等化してしまうという欠点もあるので、それを避ける為に得る情報を選定しただけの事ではないかとも考えられるかもしれない。
だがアルクェイドはロアの正確な居場所を知らなかった。無制限にどんな情報でも得られるのならば、その時代の常識などを得て人間達の街に紛れ込んでロアの居所を探す……などというまわりくどい事などする必要が無い。さっさとロアの正確な居場所を調べて攻め込めば良いのである。
それをしなかったのだからやはり周囲の環境からしか情報を得られないという事なのではないだろうか。
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