ホクトは何故記憶を失ったのか
三次元世界での生活史が存在しないブリックヴィンケルと重なったのだから、ホクトも同じく生活史を失ってしまったのだと優春によって説明されている。
本編ではそれ以上は述べられていなかったが、これはつまりホクトを記憶喪失にさせた強制力が存在すると言う事だろう。ただ重なっただけでは何も起きる筈がないからである。
例えば2枚の全く違う絵を重ね合わせるだけで、一方が勝手にもう一方に合わせて変化するだろうか。普通そんな事は有り得ない。もしあったとしたら、重ねた事が原因となって別のなんらかの現象が発生し、その現象によって絵が変化したと考えるべきだろう。
そしてその現象こそがつまり、ブリックヴィンケルの勘違いの現実化だったのではないだろうか。
私は現在のところ、「BWとはいかなる存在か」で述べたように、彼は三次元存在では観測しきれない部分をも観測し、世界を存在させていると考えている。よってEver17世界においては彼が見るのを止めれば世界は消えて無くなるし、彼が見続ける限り世界は存在し続ける。
では彼に観測される事によって世界が在るのならば、その観測結果が間違っていたらどうだろう。その瞬間間違った観測結果の通りに世界は形を変えてしまう場合もあるのではないだろうか。
よって結論として、ブリックヴィンケルはホクトと重なった時点で自分が三次元世界の住人のひとりだと錯覚する。ここでこの間違った観測結果が現実化し、ホクトはブリックヴィンケル同様三次元世界での生活史がない状態へ、つまり記憶喪失になったという事だったのではないだろうか。
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