メルブラトーク(5)

 MELTY BLOOD(メルティブラッド)に関するいつものネタバレトーク。
 順番はテケトーです。

 その41 強力な死徒の固有結界

 シオンは死徒が持つ固有結界に関する説明の中で、「強力な死徒には固有結界を作る力がある」という言い方をしていた。無論単なる言い回しの問題だったとも解釈できますが……もし死徒の固有結界も魔術によるものであるなら、強力な死徒、ではなく強力な魔術師、という言い方をしてたんじゃないかと思います。

 今まで死徒の固有結界も全て魔術によるものだと思ってたんですが、シオンのこの言葉からするに、「術」よりは「能力」寄りのシロモノであると考えた方が良いのかもしれない。これも真祖から手に入れた力なのだろうか。
 そういやあんまり魔術師っぽくない白騎士も固有結界を持ってるし。ワラキアは元アトラスの錬金術師なんですから、よくよく考えてみれば固有結界を作れるだけの魔力はなさそうですし。
 用語辞典の固有結界の項に「祖である死徒は固有結界を可能とする」とありましたが、これは真祖直系の子であるから、とも解釈できるかも。

 だとしたらさっちんに固有結界を作る方法を教えたのは誰かと疑問に思った事がありましたが、実際には誰かから学んだわけではなく、吸血鬼化して得た能力だったという事に。
 道理でシナリオ中で固有結界を身につけることができたわけである。もしも魔術であったのならば、学ぶのにはもっと時間がかかっていた筈。
 しかも「強力な」死徒に限られるわけだから、これまたさっちんのポテンシャルが凄かった事の裏付けになりますね。

 ところでグランスルグが持つ固有結界ネバーモアは、歌月のデイリーメッセージによれば「魔術でもある」らしい。これはつまり、固有結界形成能力+彼の魔術による付加効果=ネバーモア、という事なのかもしれない。


 その42 ワラキアの年齢

 あなたが生きていた十五世紀は……とシオンが言っていたので、どうやら生まれたのはその頃であるとしてよさげ。最初にタタリとして起動したのもその頃だったし。
 エルトナムの3代前であるという点には……魔術師の中には長命な人もいるから、って事で説明がつくかもしれない。荒耶なんか200年くらい生きてたし、レンを作った人もかなり長く生きていた。アルバも外見だけ若作りなんじゃなくて、実際あのまま何百年も生きる事ができたのかも?
 ならば今のエルトナムの当主がシオンの祖父だと仮定すれば、3代前の頃は十五世紀だったって事も無きにしもアラズ。
 ただ、もうひとつ気になる点が。彼は死徒二十七祖のひとりであるという事。最も古い死徒達の一人である筈。だったら少なくとも千年クラスでないとおかしいんじゃないかとも思うんですが……。
 実はアインナッシュみたいに2代目なのだろうか。


 その43 シオンの年齢

 見た目通り志貴と同年代だとすると、アトラシアの称号を受けた8年前の時点ではまだ10歳前後という事になる。だから、実際には見た目以上の年齢なのでは、と思われるかもしれない。その42にも関連する事ですが、長命で若作りだったりするとか。
 けれどシオン本人が志貴の事を同年代の異性、と言っているのでどうやらそれはなさそうです。
 じゃあ10歳という幼さでアトラシアの称号を受けた点に関してはどうなんだという事になりますが、これは本当にその通りなんでしょう。エルトナムには学習という過程が無い。いきなり先祖の研究成果の全てを知識として受け継ぐ事ができる。他人の知識を吸収する事ができる。
 ならば、知性が前述の膨大な知識を活かせるだけのレベルに達してさえいれば、即座にアトラシアの称号を得られるだけの実力者になる事ができたとしても不思議はないと思う。
 ロアは転生体が充分な知性を得るまでに成長してはじめて出現する。四季の場合は彼が丁度10歳前後の事であったと推測される。このように、月姫世界において10歳前後で高度な知性を持つ者の前例が存在しているのだから、優れた錬金術師の血を引くシオンもまたそうであってもなんら不自然ではないでしょう。


 その44 「  」のレプリカ

 その40に関連する話ですが、両儀式。彼女の場合は「  」のレプリカという事になるんだろうか。
 橙子さんの人形の場合と同様、事実上はオリジナルである「  」と同じモノと言えるようですが、こちらもまたその歴史は異なっている。両儀式は人として生を受けて、人生を歩んできた。対してオリジナルである「  」は人ですらない。
 要するに、人という材料をもって「  」というモノを複製した結果誕生した存在といった所なのでは。両儀の人間がそれを意図してやったかどうかはわかりませんけど。

 ただし、普通のレプリカはオリジナルを構成するのと同じ材料を別の所から用意して、オリジナルの外側に作られる。つまり、オリジナルをひとつの世界に例えれば、レプリカはそれとは別の世界であるといえる。
 対し、両儀式は「  」の内側に存在する世界の一部をそのまま材料として、「  」の内側に作られた。となると、前述の考え方でいけば両儀式と「  」とは同一の世界であるという事に。
 材料や作る場所といった条件から、結果として両儀式はレプリカでありながらオリジナルに等しい存在として誕生したとも考えられるかも。

 で、概念武装の場合、概念武装であるが故に積み重ねてきた歴史が異なっている時点でオリジナルとレプリカとの間には差が生じたのだと思っているわけですが、両儀式の場合はどうなんだろう。
 そもそも「  」は全ての根源であり、まだ何にもなっていないモノであり、何にでもなれるモノでもあり?
 つまり「概念武装すらも含めた全存在」の上位に位置するものなのだから、オリジナルとの歴史の違い云々はたいした問題ではないのかも。何故ならそれだけで既に完璧な存在なのだから、それ以上は有り得ない、とか。


 その45 現存する真祖

 真祖はアルクェイドの手によって全滅させられたと月姫本編中にて述べられている。そして本編中から得られる情報から察するに、現在ブリュンスタッド城には彼女以外の真祖はいないっぽい。
 ならアルク暴走後、何故真祖は自然発生しなかったのだろうかと疑問に思ったので、自分なりの考えをまとめて考察にアップしようとした事があります。
 内容の方は簡単に言えば、朱い月の望むレベルの後継であるアルクェイドが誕生した事によってもう新たな真祖は必要なくなったのだから、「真祖を発生させる」という朱い月の固有結界の機能は既に停止していたのではないかというものだったかと。

 しかしシオンによれば純度の低い真祖であればアルクェイド以外にも今尚存在しているらしい。
 アルクェイドが全滅させたというのは城に居た真祖達だという話だったので、このアルク以外に現存するという真祖達とは当時城に居なかった為生き延びた者達なんだろうか。

 けれど、12世紀に誕生したアルクェイドは既に吸血衝動が限界まで蓄積しており、シエル先輩も彼女は真祖としては長く生きすぎたというような事を言っていた。つまり、アルクェイドが暴走した事件があった頃よりも前に誕生していた真祖が普通に今生きているとはちょっと考え難いかもしれない。
 自ら命を絶つ事も無く魔王化してしまったのであるならばシオンもそう言いそうな気がするし、元々魔王を処断する為に生み出されたアルクが放置しているのも不自然。

 だとすると、朱い月の固有結界はアルク誕生後もそのまま変わらず機能しつづけていたのだと考えた方が良いのかもしれない。つまり、ずっと真祖を発生させ続けていた。ただその事に本編中触れられていなかった為、もう真祖は発生していなかったのではと思い込んでしまっただけの事であって。
 そもそも後継が必要なくなったのなら固有結界自体も必要なくなるのでそれが残っているというのも変。いや、それ以前に滅びた朱い月が残った固有結界をどうにかできるとは考え難いので、後継を生み出す機能だけカットできたという事が不自然か。

 ただ、シオンは真祖が他に居るとしか言っていないので、結局のところこれだけではアルク暴走時の生き残り、その後に発生した者達、そのどちらなのかは情報が少なすぎるのでやはり現時点ではわからないんですけどね。


 その46 発生した真祖は何やってんの

 仮に真祖はアルク以降も発生し続けていたのだとすると、彼等は誕生後アルクに仕える事無くどっかへフラフラと出ていっちゃってる事になるんですよね。何やってんだ一体。
 アルクが自らを封じこめる檻としてブリュンスタッド城を利用してるから、発生してもその都度彼女に追い出されてるって事だろうか。或いは察した彼等が自ら出ていってしまったのか。

 しかし真祖達は目的があって生きている筈なんで、城を出てただフラフラしてるとも考え難い。じゃあ死徒狩りでもしているのかというと……今尚死徒達が存在しているあたり、彼等の力は二十七祖クラスには及ばないという事なんでしょうかね。よって放置してるとか。
 いや、それとも単に語られていないだけで実は教会の要請を受けて何度となく戦闘に駆り出されてたりしたんだろうか。
 純度の低い真祖達と死徒二十七祖とでは、能力の相性問題等を考慮に入れず、総合力ならば果たしてどっちが上なのか気になるところ。

 二十七祖といえばゼルレッチ、真祖寄りの立場である彼はこの真祖達と一緒にいるのか、或いはちょくちょく連絡取り合ったりしてるんでしょーか。


 その47 思考の分割と妖精の数

 4分割思考の場合で256通りの思考を持つという事になるらしい。最初何故に256なのかわからず、1分割毎に64通りの思考が? などと考えたんですが、それでは普通の人も充分凄い事になってしまう。
 で、色々考えてみたんですが、相乗効果という言葉も使われていた事だし、これは多分4の4乗って事なんでしょう。
 つまり、n分割思考はnのn乗もの思考を可能とする。だとしたら分割思考ができない普通の人は1の1乗で1通りの思考しかできないという事になるわけで、問題ない。
 
 で、その39では美沙夜は思考ひとつ毎に複数の妖精をあてがっていたのでは、と推測したわけですが、上の考えでいけばやはりそのまんま、ひとつの思考で1匹の妖精を操っていたという事になるんでしょう。
 ちなみに50匹の妖精を操りたい場合は4分割以上の思考から可能。アトラスの院生なら最低3分割で、皐月はこのボーダーギリギリ、彼いわく思考の分割に関する才能は自分よりも上だという美沙夜は4分割以上だったのではないかと推測していたわけですが、実際3分割なら3の3乗で27通りの思考までしか持てないから皐月は50匹にまでは届かないので辻褄が合います。


 その48 式と織で2分割思考?

 2分割思考と同等の状態だったんでしょうかね、このふたりの場合。けどそれなら織が欠ける前の式の思考力は現在の4倍あったという事になる……。それを表に出さなかったともとれますが。
 でもまあ、ふたりは人格が違えど考える事は一緒、みたいな事言われてたんで、分割思考と一緒にしたらいけないのかもしれない。


 その49 第六法とは何か(2)

 タタリとは人々の不安・噂などを現実にしてしまう「呪い」であるという。そして本編中「呪い」という単語に「システム」というルビが振られていた個所がある。宵待閑話での秋葉の仮説を読んだ時にも思いましたが、実際奈須きのこ作品世界における「呪い」とは「システム」と呼べるシロモノであると思います。
 ズェピアは第六法に挑んで敗れた結果ああなった。その際世界の「システム」に留まる事は出来たものの、結局それを書き換えるには至らなかったらしい。よって彼は第六法の欠陥品「Program No6 Error」といったところだったのではないかと思われる。

 ではズェピアが世界の「システム」に留まった事によって可能となった「呪い(=システム)」がタタリであるのならば、真の第六法とはタタリをより高度に進化させた、いわばタタリの完成形という事になるんだろうか?
 けれど本編中では第六法に辿り着くとも、打ち勝つとも言っている。ということは既に第六法と呼べるモノは存在しているのかもしれない。それがどんなものであるかはわからないんですが、しかしズェピアの望みをかなえる為にはそれを書き換える必要があったという事は確かでしょう。
 或いは書き換えるというのはそのシステムの使用権を書き換えるというような意味合いであって、その機能までを変えてしまうという事ではないとも考えられるかも。もしもそうだとしたら、第六法とタタリの完成形はほぼイコールとして良いかもしれない。


 その50 タタリの完成形と真祖

 ではタタリの完成形とはどのようなモノなんだろうかと考えてみる。裏付けになりそうな物があまりないのでほとんど想像なんですが、もしかしたら霊長の抑止力をカタチにしたモノなのではないだろうか。
 タタリによってカタチを得た物は特定の集団の共通意識によって生み出された物だといえる。ならばそれの進化形のひとつとして、その規模を更に拡大した物。つまり、霊長全体の共通意識をカタチにしたモノが考えられないだろうか。

 明確な形を持たない抑止力。それをカタチにした「アラヤの怪物」に自らが成るのがズェピアの狙いだったのかもしれない。しかも霊長の抑止力は現象だから、仮に実体化したアラヤの怪物を滅ぼせたとしても、霊長が存在する限り何度でも発生する事ができる。
 そういえばこれ、真祖が発生するシステムに似ているかもしれない。発生した真祖を殺害する事ができたとしても、真祖を発生させるシステムが存在する限り彼等は発生し続ける。
 また、朱い月をはじめ真祖達はカタチを持ってしまった抑止力だとも言われる。そもそも彼等も霊長の抑止力同様、本来は実体を持たない現象でしかなかったわけだと思われる。ただ、その目的を果たす都合上、形を得る必要があったという事なんでしょう。


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