メルブラトーク(4)

 MELTY BLOOD(メルティブラッド)に関するいつものネタバレトーク。
 順番はテケトーです。

 その31 時間旅行は魔法の"域"

 ワラキアとアルクとの会話より、荒耶の空間遮断に続き時間移動もまた魔法ではないという事が明らかにされました。ひょっとしたら封印指定はされるかもしれませんけど。
 で、ワラキアは時間旅行"ですら"魔法の域である、という言い方をしていた。未来の物体を現代に持ってくる事はもっと高度だという事でしょう。
 時間旅行なら自分自身に魔術をかけて違う時代へ移動すれば良い。けど他の時代の物体を持ってくるっていうのはつまり、術者のいる時代から持って来たい物体のある時代へ魔力を飛ばして干渉するという行程がプラスされるせいかな?
 で、こちらは魔法なのかというと……どうなんだろ。例えばそれができたら魔法といえるのでは、と思えるような事は想像する事はできても、そのやり方まではわからない。しかし真祖の空想具現化はその原理を知らなくても、どのような現象であるかだけをイメージできればなんでも具現化できるというのであれば魔法であった可能性も考えられるけど……それは流石に無理があるような。


 その32 吸血衝動

 今回シオンによって死徒の吸血衝動は他者への感情に起因するものである事が明らかにされました。
 シオンは他人に対する感情が希薄だったからこそ吸血鬼化を抑制できたわけですが、となると逆にさっちんが死徒化から逃れられなかった原因のひとつは志貴への感情だったとも考えられるかも。なんとも皮肉な話ですな……。
 勿論感情云々以前にロアの「子を吸血鬼化させる干渉力」が大きすぎたという事の方が理由としては大きかった可能性の方が高いんですが。アルクェイドの死徒なんだし、恐らくワラキアの比ではないでしょう。

 一方メレムが真祖の吸血衝動に関して同様の推測をしていました。こちらは推測でしかなかったわけですが、けれど死徒がそもそも真祖に汚染された人間であるという事を考えると、この推測もまた当たっていたと考えた方が良いかもしれない。
 そういえば彼は真祖の場合他人を愛しいという感情と憎いという感情は似ているのかもしれない、ともいってましたが。
 だとすると月姫本編で屋敷を抜け出してデートする前のシーンで、アルクに志貴が「俺の事が嫌いだからだろ」と答えるとアルクの好感度が上がるのもちょっとわかる気がする。誰かに感情を持つ事なんて無かった、とその後アルクは言っているし。

 こう考えると吸血種とは真祖にせよ死徒にせよ、他人を思えば思うほど人間にとって有害な存在へと傾いてしまう、何とも不幸な存在であるといえるかもしれない。


 その33 Longinus

 Notesにおいてブラックバレルの英語表記はLonginusでした。ロンギヌス。前々からこれには意味深なモノを感じていましたが、今回リーズバイフェの"槍"鍵を加工した弾丸をブラックバレルに……ってまさしくロンギヌスの槍?

 ロンギヌスの槍によって刺されたイエス=キリストは「救世主」と呼ばれていた。そして空の境界において「救世主」とは世界(星)の意思によって創り出された存在。Notesに登場したアリストテレス達アルティミットワンもまた星によって創り出された、母体である星と同格の存在である可能性が高い。プライミッツ・マーダーや朱い月も星によって創り出された存在で、朱い月と同格であるアルクィエイドは黒い銃身を警戒していた。

 むぅ、これらの事からも最初に述べた英語表記の部分って、やはりロンギヌスの槍に由来していたんだろうか。……まあ、たまたま偶然という可能性もありますが。

 ひょっとしてブラックバレルは槍鍵と組み合わせる事によってロンギヌスの槍と化し、真価を発揮するとか。
 槍鍵の方は吸血鬼殺しの概念武装だったと思ったけど、そういや星によって生み出された究極存在達って血を吸う連中が多いんですよね。朱い月しかり、オルトしかり。プライミッツマーダーはアルトルージュの真似してるだけだそうですが、血を吸ってる事には変わりないし。


 その34 何故ワラキアはアルクに敗れたのか

 単純にアルクの力が優っていたからというわけではなく、朱い月状態のアルクが「ここは私の世界だ」みたいな事を言ってた事から、ワラキアがアルクの形をとってその世界を具現化してしまったのが結果的にマズかったという事なんでしょう。彼はアルクェイドの力を引き出せて3割。ならばオリジナルに敵う筈ないですからね。
 だとしたらアルクが空想具現化で千年後の月を持ってくるなんて荒業をなしえたのも、ワラキアの力を踏み台にしたからだったとも考えられるかも。もし単独であれだけの事をしたい場合は千年城に戻らなければならないのでは。
 つまり裏を返せばアルク以外のモノになっていればアルクに負けなかった可能性も。勝てるとも限りませんけど。


 その35 吸血鬼適性と魔力回路

 グールの段階からはじめて時間をかけて成るにしても、吸血鬼と呼べる所にまで辿り着けるのは1万人にひとり程度。さっちんのように即座に吸血鬼に成れる程の者となると更に数が少なくなる。そこまでいくとそのポテンシャルは最早二十七祖に匹敵するレベルであるそうですが。
 で、シオンは何気にその数少ない内のひとりだったと言うことになる。が、かといって二十七祖クラスという程の力があるようには見えませんでしたけど……これは魔力回路が少ないからだろうか?

 という事はつまり、吸血鬼適性が高い=魔力回路が豊富という公式が成り立つわけではないって事なのかもしれない。

 吸血鬼の中には魔術を極めてなった者や、魔術師上がりの者がいたり、元ロアであるシエル先輩の魔力回路が豊富だったり、並の魔術師では魔力のキャパが足りなくて契約できないというレンと普通に契約できてしまうくらい実は魔力のキャパが大きかった志貴がグール・リビングデットすっ飛ばして吸血鬼になりかけたりとか。
 これらの事から吸血鬼適性の高さと魔力回路の豊富さは比例するもんだと今までは思ってたんですけどね。


 その36 アトラスの錬金術師

 本来錬金術師というのは卑金属から貴金属を作ろうとしたりする人達の事を言うが、月姫世界においてそれをやっているのは中央協会の錬金術師達であるらしい。

 で、アトラスの錬金術師がやっている事はというと、一見すると通常の錬金術師とはかけ離れているように思える。けど、よくよく考えてみると基本は一緒であるようにも思えます。
 錬金術は化学に近い魔術という印象を受けましたが、通常の錬金術師がその技術を用いて物質を変換し、自らの望む別の物質を作ろうとするのに対し、アトラスの錬金術師は現在用意できる様々な事象を化学変化させる事によって、自らの望む未来を創る。
 取り扱っている物が錬金術師とはかけ離れてしまってはいるが、しかしその技術の基本思想は錬金術師のそれと変わりない。
 要するに創り出す物が存在(物質)であるか現象(歴史とか未来とか)であるかの違いでしかないのだと考える事が出来るかもしれない。

 ワラキアが存在から現象になろうという発想に至った要因のひとつも、もしかしたらこの辺にあったりして。


 その37 錬金術師と魔力回路

 アトラスの錬金術師は魔力回路が少ない為に世界と関わる事は望めない。故に自らの頭脳を駆使することに特化する方向へ進んだらしい。
 つまり逆に言うなら通常の錬金術師は、物質の変換を行う際に魔術による世界干渉によって引き起こした現象を用いたりするという事になるんでしょうか。

 だとすると、アトラスの錬金術師は魔力回路が少ないが故に本来戦闘には向かないようですが、通常の錬金術師はそうでもないって事になるのかな?
 まあ戦闘になったとしても彼等の研究内容からして、アルバのように魔術で攻撃するよりは橙子さんのように自ら作り上げた強力な使い魔を操って敵を攻撃しそうな気がします。
 シオンが使い魔の類を使役していなかった事から、アトラスの錬金術師は世界干渉のみならず、使い魔を操るのにも魔力が足りないのかも。


 その38 玄霧皐月

 ゴドーワードこと玄霧皐月もまたアトラス出身でした。彼が他人の記憶、というか記録を読み取るのに長けている理由のひとつがこれだったのかもしれない。
 それにアトラスは魔力回路の少ない人間の集まりなんだから、本来魔術師としての能力は皆無である彼にとってはうってつけの学院だったといえるかもしれない。

 そういえば黄路美沙夜は50匹もの妖精を操ってましたが、その為の思考の分割は彼女の才能であって自分には出来ないと皐月は言ってましたっけ。分割思考は才能によるとシオンも言っていたし。
 けれどそのやり方はやはり教えてやらないとできるようにはならないだろうから、皐月にもある程度の思考の分割はできたという事なんだろうか。
 アトラスの院生なら最低で3分割できなくてはならないそうだから、皐月もそれくらいなら出来たのかもしれない。それくらいなら、といっても常人よりははるかに優れていますけど。


 その39 50匹の妖精

 思考の分割数はシオンの場合で少なくとも7分割ぐらい、歴代最高で8分割までとされている。この事から美沙夜が50分割も出来ていたとはちょっと考え難い。となると思考ひとつあたりに複数の妖精をあてがっていたという事になるんだろうか。

 ところで、もしもアトラスの錬金術師にもっと魔力があったら美沙夜のように大量の使い魔を使役して攻撃するという戦闘スタイルも有り得たのかもしれないですね。
 妖精のように小さな生物であれば何10匹使役してもさして魔力は必要としないのであれば、或いは今のままでも可能かもしれませんが……美沙夜の場合自分の魔力で使役していたわけではないらしいので実際どの程度の魔力が必要とされるのかはわからないのでなんともいえないですね。


 その40 オリジナルとレプリカ

 ブラックバレルのレプリカはレプリカだけどかなりの力を持つ。それはつまり複製品であって外見だけの偽物ではないからでしょう。オリジナルとかけ離れたモノでは複製品たりえない。
 ならばブラックバレルの場合、オリジナルとレプリカの違いは何なのだろう。もしかしたらそれはそのモノが積み重ねてきた歴史の違いなんじゃないだろうか。レプリカはオリジナルと全く同じ構造をしていようと、オリジナルの複製品として誕生した時点で既に過去が、つまり歴史が異なっているわけですな。

 わかりやすい例を挙げるならば、ある人間とそのクローンでしょうかね。遺伝子レベルでは全くの同一人物。しかし、その起源、歩んできた人生は異なっている。
 橙子さんと橙子さん人形でも良いかもしれない。彼女はどっちだろうと変わりない、みたいな事を言っていたけど、その肉体が積み重ねた歴史に関してはどうか、と問われれば答えは変わるでしょう。というか、本人が今の私は生後1時間ということになる、みたいな事を言ってたし。

 そしてブラックバレルは概念武装。その存在が積み重ねて来た歴史はその性能に大きく影響を与える。シオンがレプリカはオリジナルに劣るとしていた理由はここにあるんじゃないだろうか。


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