らっきょとーく(9)

 らっきょこと空の境界(完全版)を読んで思ったことをツラツラと書いていくという。いつものやつです。
 例によって順番はテケトーです。

 その81 四季の不死

 その80でもちょっと触れましたが鬼種は生物学的に生存可能な肉体を持っている。これってタイトル通り四季の不死の能力がその裏づけになってますね。
 不死は肉体の一部が欠損してもそのまま生きていけるよう肉体の構造を作り変える能力。つまり裏を返せばこういう能力が存在している、という事はこの四季の能力の起源となった鬼種も肉体を持っており、その一部が欠損したままでは生きていけないという事でしょう。
 もしも肉体を持っているとはいえそれが生物学的に生存不可能なモノであった場合、その生物は生存不可能な構造でありながら生存していられるという事になるので不死の能力など必要ありません。


 その82 魔術と科学におけるコスト

 見た目は特定の現象を簡単に発生させているかのように見える魔術だけど、実際には労力だとかコストだとかは科学とそうかわらないという。

 例えば火を起こす場合。ライターを操作して火を起こすのと魔術で火を起こすのに必要な労力・時間・費用はほぼ同じ、という事でしょうかね。

 今度はもう少し広い範囲で考えてみる。
 ライターの製造と、その後市場に出回ったライターを購入、操作して火をつけるのと、魔術で火を起こす場合におけるその魔術を身に付ける事と、魔術行使の前準備までにかかる労力・時間・費用はそう変わらないという事でしょうか。
 あ、でも時間だけに着目するというならひと月やふた月程度では魔術を行使する段階にすら達しないようだし。ライターが製造されるまでの時間と比べるとこちらはかなり長い気がする。
 ということは労力・時間・費用など、全ての要素がそれぞれピッタリ一致するというわけではなくてそれらをトータルで考えたコストがほぼ一致するのだと考えた方が妥当でしょうか。

 ちなみに魔術師の家系が伝えている遺産。これは火を起こす事に関していえば先代達がそれぞれの一生を費やした、魔術で火を起こすための研究の成果である。
 科学においてこれに対応するのはライター等の火を起こす為に用いる道具を作り出すのに過去の研究者達が費やした労力、という事になるのかもしれないですね。


 その83 常識・非常識

 常識的な手法で常識的な現象を起こすのが科学。
 非常識な手法で常識的な現象を起こすのが魔術。
 非常識な手法で非常識な現象を起こすのが魔法。
 非常識な原理で働く能力で常識・非常識問わずなんらかの現象を起こすのが超能力。

 こんな感じでしょうか。鮮花の解説などを元に常識・非常識という観点からまとめてみました。

 ついでにいうと科学は新技術・新発明などにおいて手法・現象どちらか、或いは両方非常識なものとなる場合もあるんでしょうが、魔術・魔法と違って神秘性が保たれる事無く情報は基本的に公開されるので即座に非常識は常識になるのでしょう。

 ちなみにその82で述べたような魔術にかかるコスト。ある魔術師が魔術を行使できるようになるまでにかかる労力、そしてその魔術師の家系の先祖達がそれぞれの一生を研究に費やした結果積み重ねてきた遺産。
 超能力者はそういったものもなく、ただ持って生まれた能力として何の苦労も無く魔術めいた現象を可能としてしまう。脳に負担がかかるというリスク等があったりしますが、それを考慮にいれても先祖と自身の苦労の積み重ねとして得た魔術を身に付けている魔術師からみればこれは面白くないだろう。
 橙子さんが超能力者を嫌うのも無理からぬ事でありますね。


 その84 みっつの常識 

 その83で現象を起こすに至るまでの手法・原理を魔術・魔法と同じく非常識でひと括りにしてしまいましたが、その補足。

 超能力は「非常識な原理で働く能力で常識・非常識問わずなんらかの現象を起こす」と書きましたが、これは超越種の固有能力にも同様の事が言えます。が。これと超能力とはご存知の通り全くの別物。
 確かにどちらも非常識は非常識なんですが、実際には魔術・魔法・超越種の固有能力といった自然干渉とは全く別の原理で働いている物である事から超能力はこれらから見てもまた非常識な存在と言えるでしょう。

 じゃあ裏の裏は表、非常識から見て非常識だから常識なのかっていうとそんなんでもなく。そもそも非常識という単語を用いたのがまずかったかな? 異常識とでも表現した方がよかったかもしれない。
 魔術・魔法・超越種の能力・超能力が非常識なものとしてひとまとめになって科学という常識の対極に存在しているのではなくて、科学という常識、それとは別の魔術・魔法・超越種の能力という異常識、更にこれらとも全く違う超能力という異常識。三者がそれぞれ交わる事無く別個に存在しているというイメージだろうか。

 そして発展していく科学という常識が他二者を段々と侵食していくんでしょうね。


 その85 死徒と肉体と魂と生前の記憶

 話は再び魂に戻ります。
 白本青本の月姫用語辞典によれば人間が死徒となる前、まずグールとして蘇る段階に至るには、肉体が腐敗し、魂が肉体と言う"檻から開放される"必要があるらしい。
 アルクェイドはこれを魂の"固定"と全く逆の意味にとれる表現を用いてましたが……んん?
 つまり、肉体を持った全ての生命を縛る、肉体の死が存在の死に直結するという法則から開放された事が"檻から開放される"事。
 結果肉体が死のうと魂が拡散する事も無く存在し続ける事が可能となったが為に、その肉体に魂が"固定"されたと言える…そう言う事でしょうかね。とりあえずそう言うことにしておこう。

 さて、グールは肉体が腐敗して、とうに脳など失ってる。その後成長していくにしたがって幽体としての脳を形成し、人間としての知識を取り戻して死徒となる。
 …何故に取り戻せる? と以前は思っていたんですけどね。ゴドーワード関連の話などを読んで納得しました。
 幽体としての脳とやらに関してはよくわかりませんが、魂にその人の記憶ならぬ、記録が刻まれているならば、生前の記憶・知識なりを取り戻せるのも不可能ではないでしょうね。
 ただ、記録をひきだせるのは現代ではゴドーワードのみであると橙子さんは言っていた。
 ならそう簡単に生前の記録を引き出す事などできないのでは、と思えるかもしれないけど、前世の人格を呼び戻したりする魔術師やら荒耶やロアのように転生を可能とするものもいるらしい。
 つまり、自身の前世に限定すればゴドーワードでなくとも魂の記録を呼び出す事も可能なのだとすれば説明はつくかもしれない。
 グールは人間だった誰かが一度死んで人間とは全く違う生物として蘇ったわけだから、転生したと言えないでもないんじゃないだろうか。
 それなら前世の記憶を呼び戻すのと同じ手法で生前の記憶を呼び戻す事ができたとしても不可能ではないような気がする。


 その86 起源覚醒者は元に戻れるのか?

 少なくとも白純は駄目だったみたいですね。起源を起こされたのが4年も前では遅すぎたようで。しかしこれは裏を返せば起こされた直後ならまだ手の施しようがあったと言う事じゃないだろうか。
 そういえば死徒になりかけていた志貴も元に戻れたし、紅赤朱になりかけていた秋葉も戻れている。
 でも今挙げた例はどちらも「なりかけ」ですやね。という事は完全覚醒してしまった後のケースでは戻せるかどうかはわからないか。
 でも橙子さんは自分の専門は肉体面だから魂の方はお手上げだって言ってた。そういう言い方をされると気になりますね。なら荒耶だったら戻せたのかも? なんて考えてみたり。
 …可能性は極めて低そうですけれどね。紅赤朱はなってしまったら二度と元には戻れないというし、死徒に関してはシエル先輩の言葉で汚染規定で戻れるレベル云々というのがあったし。戻れるレベルがあるならどうあがいても戻れないレベルというのもあるわけで。


 その87 台密

 天台宗の密教。
 ちなみに自分、本編読んでて最初に「台密」という単語と遭遇した時に台湾に関連があるモノかなあ、なんて漠然とイメージしていた。
 …後でちゃんと調べてその意味を知った時はちょっと恥ずかしかった。
 ともかくこの事で荒耶が転生しようという発想に至ったのも納得いくような。


 その88 転生にかかる時間

 次に会うとしたら次世紀だそうな。この荒耶の言葉を元に彼の転生にかかる時間を予想してみる。

 本編の時期設定は21世紀を目前としていた頃だったと思う。だからといって次世紀たる21世紀到来直後に復活というのはないだろう。
 もしそれくらいで転生が完了するなのなら「次世紀」といわずに「数年後」と言っていたと思う。
 あ。ていうか、数年じゃ転生体が成長しきれないじゃん…。まあ、ロアと同じで他人の体を乗っ取る方式だったら数年じゃ無理ですね。確実に。
 かといって100年後、というのも違うだろう。キッチリ100年で転生できるのならそれもありうるんだろうけど、やはり誤差がでると考えた方が自然だし。プラス数年の誤差が出れば次世紀でなく次々世紀になってしまう。
 結論として数十年程度ってところでしょうかね?

 ちなみにそのくらいだとロアの転生スパンとも合うんですよね。
 仮に50年で計算するなら50年×17回で850年。今から約850年前ってことは丁度初代ロアと、誕生して間もないアルクェイドが出会った12世紀です。
 まあ、シエル先輩・四季という例外もありますけど、とりあえず平均50年って事で。
 …ひょっとしてシエル先輩→四季への転生が即座に行われたのは、シエル先輩への転生に100年かかったからペースを取り戻すためだったり…………なんてことはないか。


 その89 転生体に求める条件

 荒耶の場合ロアと違って家柄にはこだわらないでしょうね。大きな社会的権力を利用しているようには見えませんでしたし。
 求める条件としては魔術師としてのポテンシャルが自分と同じくらいである者、といった所くらいでしょうか。
 同じ条件だとロアは自身と同等のポテンシャルを有するシエル先輩へ転生するのに100年かかっているけど、荒耶はロア程のポテンシャルは無さそうだし家柄の重視しない事を考慮に入れれば先の数十年という予測に反するって事はないと思う。
 橙子さんも言ってたけど荒耶は本来魔術師としては穴だらけだそうだから。
 彼の能力はロアと違い、持って生まれた極めて高い才能によるものではなくて、その強固な意志によって長い時間をかけ徹底的に自身を鍛え上げた結果であると私は思います。


 その90 荒耶に転生経験はあったのか?

 長い年月のうちに肉体は何度か朽ちたそうなんで、てっきり転生して生き長らえてきたのかと思ったんですが、どうやら違うようで。
 なんでも死を経験していなかったらしい。肉体が朽ちても意識だけの状態で生き長らえたとか。その状態でどうにかして新しい肉体を調達したんでしょうかね。具体的な調達手段はわかりませんが。
 橙子さんのケースはまず一度死んでいるようなので、死を経験していなかったという荒耶の肉体交換とは違うのかな?
 単に肉体が死んだ時点で死とみなすかどうかの解釈の違いでしかないかもしれませんけど。
 もしくは朽ちた肉体を今一度再生したとか? …根拠はないですが。
 ともかく結論として荒耶には転生経験がなかったという事になりそう。今回肉体を滅ぼされてはじめて転生を試みる事になるのかもしれない。


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