らっきょとーく(8)

 らっきょこと空の境界(完全版)を読んで思ったことをツラツラと書いていくという。いつものやつです。
 例によって順番はテケトーです。

 その71 式と志貴が会ってはいけないわけ(?)

 先に言っちゃうと今回好き勝手に妄想ぶちまけてるだけです。どうも有力な手がかりが見当たらないか、或いは私には見つけられないかで…どれもこれも裏づけが弱かったり無かったり。

 とりあえずげっちゃでのアルクェイドの言葉を。

 「志貴と式とか、わたしと橙子が出会うと矛盾が生じてしまうから、正式な時間軸上での物語ではわたしたちは入れないの」

 さて、ここから色々考えてみます。
 まず、式と志貴が出会って殺しあったりしたら困る、とかそういうのはちょっと違う気がします。それは確かに困った事になりそうですが、矛盾ではありませんからね。では…

 1:式と志貴が同時にひとつの世界に存在している事が矛盾である

 「  」に繋がったまま生れ落ちた、あるひとつの無色の魂。
 それが両儀式という人物に宿った世界が空の境界の舞台。
 遠野(七夜)志貴という人物に宿った世界が月姫の舞台。
 なので、両者は同じ魂の別々の可能性であり、それぞれの世界は絶対に交わる事の無い並列世界である。故に両者が同時にひとつの世界に存在する事などありえない。

 2:直死の魔眼の持ち主がふたり以上同時に存在する事は無い

 1と違って存在ではなくてその能力が問題だと。
 確率的に直死の魔眼を持つ者が同時にふたり以上存在する事はありえないとかそういうんじゃなくて、月姫冒頭で青子先生が、志貴がその能力を持っていると言う事はなにかしらの意味があるとか、なんとか。そんなふうにいってた事から思いついた妄想です。
 例えば直死の魔眼の持ち主というのは、将来的にそれが必要だと抑止力によって判断された場合にのみ現われるとか。
 そうなると実は七夜が襲撃を受けた時に志貴だけ助かったのも、四季が反転した場面に志貴が居合せたのも実は抑止力の思惑による物だったとか、なるかもしれないわけですが。

 3:現段階であかされてない設定によると、両者が顔を合わすことはありえない

 まんまですね。これだとしたら現段階ではどうにも。


 その72 アーネンエルベに志貴が

 あれー、歌月で志貴がアーネンエルベに入れたのは何故だー、と一時期不思議に思っていた事がありましたが、今思うとアレは志貴を主観とした、彼の知っている他人しか登場しない夢の中であるから面識のない両儀式はそもそも登場せず、よって顔を合わせる可能性もありえなかったからではなかろうか。たぶん。
 志貴が知らない他人もちょっとだけ登場してましたが、志貴と深い繋がりのある他人と面識があり、その人の夢に登場していれば、他者との境界線の曖昧な夢の世界ならば志貴と顔を合わせる可能性も無くはないでしょう。
 …となると月姫の登場キャラ中、特に志貴と関わりの深い人達で、式や橙子さんと直接面識のある人間はいないという可能性が高そう。


 その73 真祖の肉体の雛型

 真祖の肉体は知っての通り、人間を雛型として創られた物。でも、人間ったって沢山居る。そのうち誰を手本にして肉体を作ったのか?
 いや、そもそも適当に選んだ人間を手本にするだろうか。自然と人間の調停者として生み出すのであるから肉体と精神は人間を手本にする。これはまず大前提として存在している。が、特定の個人を手本とするとはちょっと考え難い。なんとなく。

 現在の人間は様々な機能を付加した結果複雑にわかれてしまったと橙子さんは言っている。ようするに、ひとりひとり個性があり、特定の分野に才能が偏っているわけだ。その複雑な個性を自然は必要とするだろうか? そういうのは無駄な物として必要としない気がする。真祖の肉体として手本とされるのは特定の分野に突出した適性など持たず、また致命的な短所も存在しない肉体であるような気がする。
 …実はそれこそが橙子さんの目指していた「人間の肉体の原型」だったのではないか。なんて考えてみたり。世界の記録の中になら人間の肉体の原型に関するデータもありそうなんで、それをモデルとした肉体も作れないではないと思うのだ。

 そうして作られた肉体を器とし、最初の真祖である朱い月が誕生する。
 なお、後に誕生した真祖達は朱い月の劣化コピーであった。ならば恐らく彼等の肉体は人間の肉体の原型をモデルとした、と完全には言いきれないかもしれない。
 だがアルクェイドは朱い月と同位の結晶であるそうだ。ならばその肉体は…なんて。

 ちなみに今回の話、元々はその71に続いて今度は「橙子さんとアルクェイドが出会ってはいけない理由」の妄想ネタ1号として考えていた物。だから根拠も薄く、かなり無茶苦茶な発想だったりしてます。
 具体的には上で述べたような理由からアルクェイドの肉体が人間の肉体の原型とほぼ同じであったとしたら、そこから根源へ至ろうとした橙子さんが彼女の肉体に関することを知らない筈が無い。ならばきっと彼女に接触し、今頃研究がもっと進んでいたとしてもおかしくはない筈なのだ。
 だが実際には橙子さんの研究は挫折している。なら空の境界の世界においてはアルクェイド及び真祖はそもそも存在していなかったのではないか、という考えでした。

 しかし何故今回の真祖の肉体に関する考察…っていうか妄想を「橙子とアルクが会ってはいけないわけ(?)」というタイトルで公開しなかったのかと言うと、よくよく考えてみたらアルクェイドの肉体が人間の肉体の原型に近かったとしても、橙子さんと出会う事によって矛盾が生じたりなんてないしないよなー、という事に気が付いてしまったから。
 アルクェイドが橙子さんに研究への協力を求められたとして、OKするかどうか疑問ですやね。
 そもそも世界・霊長ともに抑止力は人類が根源へ到達する事を拒む。なら自然よりのアルクェイドもそれにすんなり協力するとはチョット。

 ん?
 ところで、アルクェイドが朱い月と同位の存在である時点でその肉体は「真祖の肉体の原型」であると言えるわけで…別に人間の肉体の原型をモデルにしたかどうかに関わらず、既にその時点で根源へ至る扉のひとつであると言えるのかも…?

 …なお、会ってはいけない理由として他に思いついたのは

 2:青子先生関連で何かが…

 アルクェイドは青子先生となにか因縁がありそうな雰囲気でしたし。そっち関連のなんらかの理由から橙子さんと会う事が矛盾に繋がるのではって事なんですが具体的な事は何も思いつかず(汗)

 3:現段階であかされてない設定によると、両者が顔を合わすことはありえない

 まんまで(以下略)

 …こんなもん(汗)


 その74 両儀式の肉体はどうなのか?

 その73を書きながら、朱い月やアルクェイドよりはむしろ両儀式の肉体の方が人間の肉体の原型と言えるのでは? とも思ったりしましたが…どうなんだろうなあ。

 カラである肉体、て事は肉体自体には特別な機能は付属していない…特別な機能、能力を発揮するのはあくまでその中に入るソフト次第…であるならば、様々な機能を付属したが故に複雑に分かたれた現在の人類の肉体とは全く逆であるとも思えるわけで。ならばそれは原型なのかもしれないかな、なんて。

 しかしその割には橙子さんのリアクションが薄いと言うか。まんま自分の求めていた物を持っている者が目の前に居たらもうちょっとそれらしいリアクションを見せるんじゃないかとか思ってみたり。
 それに両儀式の肉体は「  」に繋がった肉体であるから本来世界からの修正を受け、誕生し得ないモノ。それを誕生させてしまう両儀家の技術など存在しなかったであろう旧い時代の人類がそういった肉体の持ち主であったとは考え難いですね。やっぱ。
 だとしたらやはり人類の肉体の原型と両儀式の肉体は別物なのかもしれない、というのが現時点の私の考えです。


 その75 起源覚醒者・ロア・紅赤朱

 魂の起源を自覚した起源覚醒者。覚醒前のその肉体はごく普通の人間の物でありながら、覚醒と共に大きく構造が作りかえられていく。これは魂によって肉体が作りかえられていると言えるのかもしれない。

 なんかどっかで聞いた話だなーと思ってたんですが、これってロアの転生体と同じですよね。
 通常の死徒はまず親となる吸血鬼から血を送り込まれる事によって肉体が汚染される。そして汚染はやがて魂にまで至るわけだ。最初のロアもそうであったと思われる。
 が、転生体はべつに先代のロアによって血を吸われた(送りこまれた)わけではない。魂が移植されただけである。しかしその魂は汚染され、死徒の魂へと変貌した後の物。それゆえ転生体は覚醒すると同時に肉体が作りかえられて死徒になる。
 …実はロアって起源覚醒の原理を応用していたっぽいですね。いや、というよりこちらは起源とまではいかない、前世覚醒というべきだろうか?
 もしかしたら橙子さんの話にあった前世の人格を憑依させる魔術師のケースも肉体になんらかの変化が生じていたりして。でも前世が人間であったならたいした変化はないかな? あったとしてもホンのチョットかも。

 さて、紅赤朱。
 確か幼い頃の志貴が紅赤朱の事を小我としてのリセイが大我としてのリセイに飲みこまれたとか、なんとか。言ってましたっけね。以前、これに関して歌月トークの方ではその精神が世界からの干渉を受けてしまったのではないか、みたいな事を書きましたが、この起源覚醒者の話を読んで考えが変わりました。
 思うに、こちらのケースもやはり起源覚醒みたいなものだったのではないでしょうか。
 "両儀式"が、肉体を大我、知性を小我と称していました。もしも前述の志貴の言葉にある大我・小我もこれと同じものを指しているのであるならば、紅赤朱は自身の肉体の起源…か、或いは自身の能力の大元である魔の段階にまで前世を遡って覚醒させていたのかも。白本青本の用語辞典に「自己に眠る血を最大限まで引き出してしまった」とあるからどっちかというと後者かも?
 ここで"肉体"の起源ってのは間違いじゃない? って突っ込まれそうですが、その辺に関してはまた次回以降に。


 その76 "虚無"という起源

 式の起源とされる"虚無"ですが、これって根源そのものなんじゃないでしょうか。
 以前はこの事に関して深く考えてみた事が無かったので、彼女が根源に繋がっているという事柄と式の起源は無関係なのかなあ、などとなんとなく考えていたのですが…考えが変わりました。

 根拠1:"虚無"という言葉の意味

 あえて"無"という言い方をせずに"虚無"という単語を用いたのは何故なのか、なんとなく気になったので調べてみたですよ。…かなり前に。更新ペース遅いから今になってようやく公開。
 んでこれ、道教における虚無ではないかと推察。こちらの虚無、なんでも宇宙の一番はじめの状態、陰にも陽にもいまだ分かたれていない、全く何も無い、完全な無を指しているらしい。
 はい。何が言いたいかもうわかったと思います。空の境界では根源だとか「  」だとか言われてたモノと同じでしょうね。

 本当に道教における虚無だと言い切れるのか? ってツッコミが来そうですが、その可能性は高いんじゃないかと思ってます。
 何故なら本編に深く関わっている陰陽道。これの基本理念はそもそも前述の道教の流れをくむものであるから。アルバも大陸から派生したオンミョウドウがうんたらとか言ってましたよね。
 陰陽道関連の用語に"虚無"が存在していれば完全にビンゴなんですが…ちょっと私が調べた範囲だけではわかりませんでした。がしかし、道教も陰陽道も中身の基本は一緒なんで"虚無"の意味は上で述べたような物である可能性が高いと言えるんじゃないでしょうか。
 
 根拠2:根源に繋がっている

 起源と言う奴は根源から発生した混沌衝動であるらしい。ということは、根源そのものよりは下位に位置付けされる物だろう。
 そして前述の理由から荒耶も個人の起源には辿り着けても根源には辿り着けてませんでした。結果として荒耶が求めたのは根源に繋がったまま生れ落ちた魂。
 ならばその魂を持つ式の起源は、根源の下位に発生した周囲を無に還さんとするという混沌衝動…というわけではなくて、普通とは違って他の大多数の人々(や物)の起源よりも上位に存在する根源そのものである、という事なんだろう。
 まあ式の衝動が根源に繋がっているが故の物であるならば、その根源より下位にそのような混沌衝動が存在しているかどうかわかりませんが。

 根拠3:"両儀式"の言葉

 彼女が自分の起源を「  」と言っている個所と虚無と言っている個所があるんですよね。
 だから「  」=虚無なんじゃないかと。


 以上の事から、本編において式の起源が単に"無"ではなくて"虚無"と称されていたのはその起源が根源の下位に存在する混沌衝動ではなく、それよりも上位、根源そのものであることを意味していたからだと言えるのではないだろうか。


 その77 魂とは何か

 「魂を――――なんの着色もすんでいない存在概念なんかを内包したら、あなた自身が消えてしまう……!」
 (月姫・アルクェイド)


 このアルクェイドのセリフから察するに存在概念…つまり「そのモノの存在」という概念そのもの、という事…なんだろうか?

 「他人の残留思念……まだ世界が記録している死人の人格を利用すれば人格形成は容易くなる。もともと肉体が消滅してさまよっているような魂だから、新しい容器を用意してやれば新しい生命になるわ」
 (歌月十夜・アルクェイド)


 世界が記録している…つまり世界の記録の一部であるらしい。そして先にも述べたとおり存在概念である。
 そこからふと思い出したのが橙子さんのゴドーワードに関する説明の中にあった「世界に存在する蒼崎橙子」って言いまわし。もしかしたらこれの事を指しているのかもしれない。

 そしてラストの両儀式との会話においてのコクトー君のモノローグの中に、人間は肉体・精神・魂のみっつからなる、というのがありました。
 精神は肉体の一部である脳に宿り、肉体を統括する。その精神、というか人格はそもそも肉体を鋳型として形成されたようなものである。そして魂は肉体そのものに宿るようだ。
 ということは肉体と精神、それらをあわせて成り立つ"個人という存在"、"世界に存在するその個人"という概念であり記録。それこそが魂の正体なんじゃないだろうか。

 一番最初に挙げたアルクェイドのネロに対するセリフですが、もしこの通りであれば確かにネロ自身が消えてしまう恐れがあるというのも納得がいきますね。
 何の着色も済んでいない、白紙の存在概念ってのはいわば「存在しない」のと紙一重だと思うし。そんな物を大量に取りこんだら"世界に存在するネロ"というモノが薄れてしまう危険性は充分ありうるでしょう。


 その78 魂の起源・肉体の起源

 ここにきてようやっとその75での回答に至るわけか…。もたもたし過ぎ…。
 そんなわけで肉体の起源じゃなくて魂の起源の間違いでは? という突っ込みが来そうな書き方をしておきながらその回答をその75では書かなかったのでここで書きます。

 で、肝心の回答ですが、魂と肉体の起源は多分同じなんで間違いじゃないと思う、っちゅーことです。

 まず、その77で述べたように魂というのは肉体に宿り、肉体と精神をひっくるめた"世界に存在するその人"という概念であり記録であると思われる事。
 これら肉体・精神・魂すべてひっくるめてその個人が成り立っている。ならば魂と肉体の起源は同じでしょう。
 しかも同じ起源を持つ別の存在ではなく、ある起源を持つひとつの存在を構成するみっつの要素のうちのふたつであるといえるでしょう。

 そしてその76で述べたように式の魂と肉体の起源は一致していると思われます。よって両儀式という存在が上で述べた事の裏付けとなるでしょう。

 ちなみに最初は肉体と魂の起源が違うのって、言うなれば他人の魂が憑依してるようなもんなのでなんとなく不自然だから一緒って事でいーじゃん、で済ませようとしてたんですが流石になんだな、と踏みとどまりました。
 それって例えばりんごが高い所から低い所へ落ちる理由を問われて逆方向へ落ちたら不自然じゃんって答えてんのと同レベルだし(汗)


 その79 日本の退魔組織と陰陽道

 陰陽道とは宗教としての道教が日本に入ってきて魔術となったもので、日本独自の魔術である、と解説されているサイトさんもありました。
 アルバは日本には独自の魔術系統が存在しており、それを用いる組織は魔術協会とは相容れないと言っていた。
 歌月十夜にて時南先生が、七夜が呼ばれるのは陰陽の理が通じぬ相手に対してであると述べていた。

 以上の事を総合して察するに、魔術協会と相容れない日本の組織というのは恐らく退魔組織の事であり、彼等の用いる独自の魔術とは陰陽道の事なのでしょう。

 この陰陽道なんですが、調べてみるとどうにも空の境界で登場した魔術師達が用いる魔術とはかなり毛色が違うような気がします。独自の魔術系統と称されてたのも頷けるかも。


 その80 陰陽道はアルクェイドをも縛せるのか?

 独自の魔術系統である為使い手の数が少ないが故に恐らくかなり強力。しかも魔を縛するのに長けた術である。
 ならばアルクェイドをも縛することは出来るだろうか?

 吸血衝動が蓄積してなかった頃ならば流石に不可能だと思う。使い手が少なくて強力、といってもその点においては魔法に及ばないだろう。
 その上魔法はルール外のルールであり、対処が非常に難しい。その魔法をもって朱い月と相討ちだったわけだから、朱い月と同格の力を持っていた頃のアルクェイドが相手では流石に通用しないだろう。例え魔を縛するのに長けているという特徴があるといえどもだ。

 今のアルクェイドならどうか? それでもキビシイかな?
 しかし陰陽道に対する抗体耐性も持っていなさそうだし蓄積した吸血衝動を抑えるのに力を割いているならば可能性はゼロではないかもしれない。

 でも真祖って受肉した精霊なんだよね。肉体は人間ソックリ。それはつまり人としての側面を持っているという事になるわけで、混血同様術が通じないということに?
 けど鬼種ってのは妖精同様生物学的に生存不可能な身体構造はしていないという。そして純血の鬼種に限りに無く近いといわれる軋間紅摩の見た目は普通の人間。
 これらの事から恐らく、鬼種というのは元々人に似た肉体を持っている生命種であると思われる。その鬼種を縛する事ができるなら、人に似た肉体を持っている=人としての側面、というわけでもないのかな?

 ひょっとしたら黄理の眼から視て銀やら青やらの思念を発していたクラスの退魔師ならばアルクェイドをも縛する事ができたりして。
 まあ、実際には両者が衝突するような事はなさそうですが。そもそも接点が無いので。


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