らっきょとーく(6)

 らっきょこと空の境界(完全版)を読んで思ったことをツラツラと書いていくという。いつものやつです。
 例によって順番はテケトーです。

 その51 統一言語で呪文を唱えたら

 効果が上がりそうです。人から人へ意思を伝える為の現代の言語と違って、人から世界へ意思を伝えるモノですからね。より高いところからの干渉だから。
 まあ、玄霧皐月自身の場合は魔術師としての能力自体が低いのであんま意味がないんでしょうが…。
 彼以外の、並以上の力を持った魔術師がもし統一言語を操れたら、の話だとでも思っていただければ。


 その52 過去視・未来視

 歌月十夜で真祖の情報収集の原理がわかった時、過去視・未来視は果たしてこれと同系統のものなのかどうか、などという事を考えた事があるのですが、でも結局その時は環境の記録とは違って人の過去を読み取ってるのだから、その人の脳から記憶を読み取っているのかもしれないな、と結論付けていたような気がします。
 しかしゴドーワードの記憶収集、あれは個人の脳内の記憶ではなくて世界の記録を集めていたという。
 「存在論的なヒエラルキーとして、私個人という物の上に、世界に存在する蒼崎橙子というものがある」と橙子さんが言っていたし。
 つまり世界の記録の中には個人の過去の記録もあるようで。したら過去視・未来視で読み取っていたのはこちらの方なのかもしれませんね。
 となると過去視・未来視・ゴドーワードの記録収集・真祖の情報収集は原理的には似たものなのかも。
 あ、ここでいう未来視は過去視の発展形であるあれです。アキラちゃんの能力。


 その53 封印指定

 名前からしてあんまり良い印象を持ってませんでしたが、実際にはある意味名誉な事でもあったんですね。ちょっと意外。
 てっきり特定の魔術に関して、例えば危険だからとかその他何らかの不都合があるから協会がその使用を禁止するとか、もしくはそれを用いて何か悪事を働いた罰として禁止するというモノなのかと思ってたんですけどね。
 白本・青本の用語辞典にも書かれているように橙子さんは人形師として封印指定を受けているらしいんですが、封印指定に関して詳しい事を知らなかった当時、彼女は一体どんな危険な、或いは協会にとってどんな不都合をもたらす人形を作り上げたのだろうとか、或いは作った人形を使用して何か悪事を働いたのかなどと想像してましたが、本当は全く逆で協会側の評価はよろしかったようで。

 ちなみに橙子さんが協会から逃げてる理由は研究が続けられないから、なんだろかな。なんか自分と全く同じ人形を作れるようになった時点で次の段階へ上がろうとする意欲がかなり薄れちゃってるように見えなくもないですが…。
 彼女が日本という協会側が手を出しにくい国を住む場所に選んだのも(ていうか生まれ故郷ですが)、あからさまに魔術的なものではなくて人の無意識下に訴えて近寄りがたくするタイプの結界を張っているのも、仕事の依頼を募集することはせずお金が必要な時に自分から売りこみに行くのも、全ては協会側の情報網に引っかからないようにする為だったのかもしれないですね。


 その54 殺すのか、捕らえるのか

 その53で書いたように橙子さんて封印指定を受けたってことは何か悪事を働いた可能性も? なんてプラスディスク収録分しか読んでなかった頃は想像してたわけですが、実際には魔術を用いて悪事を働いてたら…ていうか一般人を巻き込んだら協会側に魔術の使用禁止どころか命を狙われるらしいですな。

 一方ゴドーワードこと玄霧皐月の事を協会側に知らせれば彼はすぐさま捕まるだろうと橙子さんが言ってましたが、捕まる、という事はどうも殺されるわけではないようです。そりゃまあそうでしょうね。貴重な魔術の唯一の使い手なんだから、監視から逃れたくらいで殺すような事はしないんでしょう。
 多分橙子さんも捕まったとしても命の心配はないでしょう。自由はなくなると思いますけど。

 …では封印指定を受けた魔術師が魔術で一般人を巻きこんだ場合はどうなるんでしょうね。
 殺してしまうのでしょうか、それともやはり捕らえるだけなんでしょうか。協会側の上層部でもどのような処置をとるべきか意見がわかれたりして。
 うーん…殺しはしないが生きてる限り永遠に幽閉とか、だろうか…?


 その55 フォルテと蒼崎

 あ。そういやフォルテさんの仕事のひとつが封印指定を受けた魔術師のガードでしたが、あれはその魔術師が自身の得意な魔術の使用を禁止されて戦闘力が落ちてるからというのが直接的な理由なんでしょうが、むしろそれによって協会側にとって貴重な存在である魔術師が失われるという事態を避けるために保護するというのが大きいのかもしれませんね。

 で、そのフォルテさんですが、自分の家と同じ風属性である蒼崎とは何度か顔をあわせたことがあるそうです。
 ここでいう「蒼崎」って蒼崎さんちの誰さんなんでしょうかね?
 ひょっとしたら封印指定を受けたばかりの頃の橙子さんのガードをやってたことがあったんだったりして。でも何度か顔を合わせた程度って事は橙子さんはすぐに逃走してしまったとか…。

 まあ、フォルテさんが封印指定を受けた魔術師のガードをやってるからって必ずしも橙子さんと関わりがあるとは言いきれないんですけれどもね。
 過去にそんな事があったりしたんだったら面白いかもなあって思っただけです。単に自分が意外な人同士が意外なところで繋がってたりするというパターンが好きなだけ。


 その56 記録

 「物は観測者がいてはじめて意味というモノが与えられる」という皐月の言葉がある。
 しかし意味を与えられる側である客体はそれ自体がたとえ不変であろうとも、主体たる観測者の状態によってその意味が変わってしまう。
 だが"記録"はそうではないらしい。皐月の説明から察するに、観測者自身が自身に対する観測者になる、つまり主体と客体が同一となり、その上で観測するにあたって自身の感情、心象といった主観的なモノを全て排除した結果として得る事が出来る、自身が積み重ねてきた事象の変遷の事を指しているかのように思われる。

 しかし観測者の存在によって成立している概念であるということから結局のところこの"記録"という物の実体もやっぱり最初に述べた"観測者によって与えられた意味"ということになるんだろうか?
 ようするに、両儀式には「両儀式」という意味が観測者によって与えられている。両儀式と呼ばれる存在に与えられている意味の基本はそれだろう。
 が、両儀式が人間として生活している限りその与えられる意味の細部は微妙に変化していくだろう。例えば「夜の街を散策する両儀式」→「巫条ビルで幽霊を目にする両儀式」→「部屋に戻って寝る両儀式」…といった具合に。
 そうやって"意味"が変遷していくにあたり、"「両儀式」が過去に与えられた意味"は世界によって保管され、蓄積されていく。これが"記録"と呼ばれるものなのではないだろうか。


 その57 観測者

 なにも人間に限られるわけではないのかも。「朱い月」で月の事が「遠く近い観測者」と書かれていましたし。

 また、皐月の統一言語は岩やら獣やらにも意思を伝える事が可能だという。獣はともかくとして岩にまでも意思を伝える事ができるという事は、岩、というかそれに限らず非生物も、それに対して人間側が意思を伝える事さえ可能であれば、あちらもその意思を受け取る事は可能だという事だろう。レスポンスがないだけで。
 意思を受け取る事が可能という事は、彼等も外界の状況を認識する事が可能という事ではないだろうか。

 結論として非生物であろうと観測者足りうるのではないかと私は思います。もしかしたら真祖が環境から汲み上げるという情報はこの非生物が観測者として記録した情報なのかも。


 その58 シエル先輩をも殺せる訳

 「存在論的なヒエラルキーとして、私個人という物の上に、世界に存在する蒼崎橙子というものがある」
 という橙子さんの言葉。そしてこういった「世界に存在する〜〜」に語り掛ける事ができるのが皐月であるという。
 そして「物は観測者がいてはじめて意味というモノが与えられる」という彼の言葉。
 これらの事をあわせて考えると、前述の橙子さんの言葉にある「世界に存在する〜〜」とやらも、観測者によって意味を与えられる事によって存在しているという事が言えるのではないだろうか。
 また、皐月が世界に語り掛けられるが故に収集可能である"記録"に関してとりあえずその56で述べた定義通りとする。
 だとすると、"記録"が"意味"の変遷であるならば、この"意味"の方も記録とほぼ同じ領域に存在しているということも考えられなくもない。

 そこにモノの意味を殺すという直死の魔眼。

 世界によって蘇生させられる筈のシエル先輩を志貴が殺してしまう(そのまま蘇生できなくしてしまう)シーンが月姫に存在するけど、ひょっとしたらこれ、直死によって殺害されたのがシエル先輩個人の上に存在している"世界に存在するシエル先輩(エレイシア)"だったからなのかも?
 シエル先輩を蘇生させていた世界といえど、流石に自身と同じ高さに存在する概念を殺されてしまえばどうしようもなかったとか。

 …なんか無理矢理こじつけたような雰囲気。


 その59 起源

 存在、というか魂? が始まった場所、というわけでしょうか。
 ちなみに今現在人間であるからといって、その人の起源から始まった転生の過程は必ずしも全てが人間どころか、生物であるとすら限らないみたいですね。
 生物ですらない物に転生なんてするのか? なんて思われそうですが、「ななこちゃんSOS!」にて、一角馬の角が"自然霊"と称されてたあたり、生物ですらないモノにも魂が宿るみたいなんでアリなんでしょう。


 その60 起源と転生する物の傾向

 "食べる"という起源を持つ白純里緒の前世は捕食する側の動物である傾向が高かったらしい。
 起源はあくまで原因であるわけで現在のその人を縛るものでは無いが、少なくとも「何に転生するか」という事柄に強く影響を与えるのは確かである模様。
 じゃあ。"静止"という起源を持つ荒耶は草や木とか石とか岩とか…或いは山などが前世であった傾向が高いのだろうか?
 動物はその名の通り動くもんだから静止とは縁通そう。強いて言うならナマケモノ…。


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