Fate/stay night雑記(2)

 Fate/stay nightネタバレな順番とかあんま考えないいつものアレです。

 11:夢を見ない主人公

 今回の主人公である衛宮士郎は、幼い頃は火事の悪夢をよく見たとはいえ現在は基本的に夢を見ないらしい。
 で、月姫の主人公である遠野志貴もまた本来夢を見ない人だという。空の境界の両儀式はどうだったかちょっと思い出せないんですが……眠っている際はまるで死んでいるようだとか、なんとかいう描写があった気はするけれども。
 とりあえず、士郎と志貴。士郎は「創る」という方面に突出した能力の持ち主。対して志貴は正反対で「殺す」方面に突出している。
 能力は正反対なのにも関わらず夢を見ない、部屋が寂しいなどの共通点があったりするのがなんとなく興味深いなと思った。


 12:復元

 凛が割れた窓ガラスを元通りにした際、それはどこの学派でも入門試験程度でしかないとかなんとか言ってました。どうやら非生物の復元は生物に比べて容易らしいですね。
 てことはアーチャーが召喚時に滅茶苦茶にしてしまった部屋を完璧に修復したのも同じ魔術を使ったからだという事だろうか。

 なお、「たった数分前に割れたガラス」という言い方をされていたあたりからして、破損してから長く時間を経た物は修復が困難なのかもしれない。
 じゃあそうなる理由はなんなんだろう。想像する事しかできませんが……「記録」の問題でしょうかね? そのモノの記録を元に復元しているのならば一応筋は通るんですが。
 空の境界で説明されているように、世界のあらゆる出来事は記録されているらしい。そして「ガラスが割れる」と言う事は「ガラス」という記録が「割れたガラス」へと変化するという事なんじゃないかと。
 ならば「割れたガラス」である時期が長いとそれが「ガラス」だった頃まで記録を遡るのが困難になるとか。
 うーん……玄霧はかなり古い記録も普通に取り出してたんで微妙ですが。ただ彼はそっち方面の能力が突出してるんで普通の魔術師はそうはいかないのだという可能性も考えられるかもしれませんけれども。

 で、時間を経た物ほど復元しにくくなるという仮定が正しかった場合なんですが、この制約って蘇生の魔法にも適用されるのかどうかが気になるところ。
 もしもされないなら何百年も前の人物すら蘇生させる事すらも可能となりそうですが。例えば英霊達をも元通り蘇生させたりとか。


 13:タイムパラドックス

 さて、今現在私は凛ルートの途中まで進んだんですが……士郎=アーチャーだといわんばかりの伏線がボンボン出てきてます。
 セイバールートの時点でなんとなく予想はしてたんですけどね。アーチャーが異端とも言えるくらい珍しい士郎の特性をあまりにもよく理解しているあたりからなんとなく。
 決定的だったのは蘇生時に使用された凛の宝石を士郎が持っていた事だろうか。彼が蘇生後にあの宝石を拾って帰ったんなら、アーチャーがそれを回収できる筈がないわけで。

 ただ仮に士郎=アーチャーなのだとすると関わってくるのがタイムパラドックスの問題。
 ドラえもんやバックトゥザフューチャーのような世界観ならば、よくある親殺しだの自分殺しだののパラドックスでも発生しない限りは問題がない。というか、見えにくい矛盾は無視される。だから歴史を変えるなどという事が可能になる。
 前述の見えない矛盾というのはつまり、「歴史が変わる」という事象によって、その原因である「時間を遡って歴史を変えようと誰かが考える」という事象が消去されてしまうという事。
 要するに誰かが歴史Aを歴史Bへと修正しようとした場合、その時点で歴史Bは歴史Aの存在が前提となっているのである。
 で、こういう矛盾が無視されている。ていうか無視しないと破綻する。
 Fateがドラえもんやバックトゥザフューチャーのような世界観であるとすると、現時点で既に前述のような矛盾が発生しているのがちょっと気になる。
 具体的には士郎がアーチャーの剣技を真似たり、彼の短剣を投影したり。じゃあこの世界において、「アーチャーの剣技」と「アーチャーの短剣」を生み出した発端は何処へ行ってしまうのか?

 そういった問題点を解決しうるのが並行世界という概念。
 有名どころは私が知る範囲ではYU-NOのような世界観なんですが、要するに時間を遡って過去に干渉しても、そこで世界が分岐するだけで干渉した本人が元居た世界はそのまま変わらない。結局歴史を変更しているのではなく新たな別の歴史を作り出すだけだという事になる。
 先の剣技や短剣のパラドックスに関しては、確かに士郎とアーチャーは同一人物ではあるが、アーチャーは別の歴史からやってきたのだとすれば問題はない。
 別の世界の士郎がそちらの方でなんらかのカタチで技と剣を手に入れた後にアーチャーとなったのであれば、こちらの世界の士郎の技や剣の発端は前述の世界からやってきたアーチャー(士郎)にあっても、同一人物でありながら別の世界の住人なのだから矛盾は生じない。

 さて、この文章を書いている時点では今後どうなるかまだわからんのですが、きのこさんの作品世界ではどちらの設定をとるのだろう。
 今回「並行世界の運営」が魔法の域だと言われていた事からもわかるように、きのこさんの世界に並行世界という概念は存在する。
 だがしかし、セイバーが過去に戻って歴史をやりなおそうと考えていたり、メルブラではシオンがワラキアを滅ぼす方法のひとつとして、過去に戻って彼が式を起動する前に倒すという物を挙げていたりもする。
 これじゃあ、ドラえもん・バックトゥザフューチャー型の世界観とYU-NO型の世界観がごっちゃになって更なる矛盾が発生してしまうような気がするんですが……むぅ、まだなんか抜け道があるんだろうか。
 単にセイバーやシオンの認識が間違っていただけだという可能性も無くはないかもしれませんが。


 14:アーチャーの正体

 やはりアーチャーは士郎でした。英霊エミヤ。「シロウ」じゃなくて「エミヤ」なのにはなんか意味があるんだろうか。
 13で書いた通りセイバールートで士郎が宝石を持っていたのはやはり伏線だったようで。凛ルートではその矛盾について指摘されてました。

 ただ、てっきり彼は自分の意思で士郎の居る時代、場所にやってきたのかと思ってたら僅かな可能性にかけたバクチだったようで。といってもまあ時間軸の影響を受けない英霊の座に居るんだから、可能性がゼロでなければいずれ機会は巡ってくるんでしょうが。
 ただ13で書いたような事柄を念頭におくと、彼の計画が成功した場合どうなってたんだろうかと気になる。自分殺しの矛盾による影響を世界が受けるかもしれないとかいう話ではありましたが。

 そして関係があるかどうかわかりませんが同じく13で書き忘れた事。士郎はどういうわけかセイバールートでの記憶が僅かに存在している(凛に対して最初に身につけたのは投影魔術だったと説明した筈だとか言ってたりする)様子。この点にもアーチャーが関わってるのかと思ったんですが……後半でアーチャーの記憶が士郎に流れてくる場面があるけれどそれが原因……というのもなんだか厳しいような。
 ならばやはり並行世界という要素が物語に何らかのカタチで関わってくる、という事なんだろうか。小次郎の必殺技もそのあたりの伏線で。

 追記:士郎が別の並行世界の記憶を持つというのは勘違いだったようです。21参照。


 15:抑止力というシステムの欠点

 前に英霊は霊長の抑止力ではないかと推測しましたが、ゲームを進めたらまんま解答が出てました。なんか無駄な労力だったような……。ともかく、「斬殺」した存在は英霊の誰かだった可能性が高そうです。

 さて、この抑止力というシステムですが、結局のところやっているのは事後処理ばかりみたいです。事前に発生し得る問題を察知し、未然に防ぐという高度な真似は出来ない。だから常に後手に回る。
 一方現代の人類はどんどん強大になっている。例えば現代文明は魔術を追い越し、今となっては魔術の方が追いかける側に回っているとすら言われていた。
 文明の力は人類全体の力でもあるわけで、故に文明の力と魔術の力の立場が逆転したという事は、人類その物が強大になっているという事を意味すると言えるかもしれない。
 まあ魔術云々に限らず、現在の世界は一握りの英雄だけでどうにかできる状況ではないというような事を空の境界で橙子さんも言っているわけですが。

 にもかかわらず、破滅を防ぐ為のシステムはいつまでたっても後手に回っているようである。自滅へと向かう力へのカウンターとして更なる力をぶつけるだけ。
 ひたすら両者の力が強大になっていくのだが、いつまでたってもまず「自滅へと向かう力」が先に発生するという前提だけは変わらない。
 なら、最終的にはカウンターを当てる前に即死レベルの先制攻撃を食らってしまう事になるだろう。結局後手に回るシステムのままでは、いずれ避けられない破滅を迎えてしまうだけなんじゃないだろうか。


 16:救いたくて狂った男

 アトラスの錬金術師は破滅を回避する為の手段を講じるが、それをやればやるほど予測し得る未来像は凄惨なものへと変貌したらしい。
 それを否定する為、滅びの原因に対抗するための兵器を開発しているとかいう話ですが、もしそうであれば結局抑止力と変わらないと思う。そういう方向性の考えである限りは巨大な力に対してより巨大な力をぶつける事になり、予測結果が凄惨さが増してしまうだけとなるのは無理からぬ事だと思う。
 もしかしたらズェピアは抑止力というシステムの欠点を知り、システムその物をどうにかしたかったんじゃないだろうか、とも思ったりする。

 人々を救いたいのに、絶望的な予測結果を繰り返し繰り返し見て狂ったズェピア。
 人々を救えると信じて英霊になったのに、絶望的な光景だけを繰り返し繰り返し見せられて狂った英霊エミヤ。
 なんだかふたりには似た物を感じました。もっとも前者には志貴曰く微かに逃げ道が見えていたらしい。しかし後者は自分からは何もできず見たくもない光景を見せられ続けただけではありますが。
 僅かながら希望があるのにどうしても辿り着けなかった者と、希望へと辿り着く為の道を断たれた者。ふたりともあまりにも無残だ、と思ったのでした。


 17:魔力量

 士郎が大雑把に数値化してたのでまとめてみました。セイバーのは彼女の言葉によるものですが、この時の言いまわしからして数値は士郎に準拠しているようなんで一緒にしてます。

 セイバー:1200〜1300

  バーサーカー戦での消耗:200
  ランサー戦での消耗:50
   →成熟した魔術師十人分:250
    →成熟した魔術師の平均:25

  ノーダメージの戦闘での魔力消費量:10
  一日の魔力回復量:8
  肉体維持に必要な一日あたりの魔力量:6

 凛:500

  →外部からの供給アリ:1000

 士郎(凛ルート後半):20〜30

  投影使用時の消費:5
  強化使用時の消費:2

 成熟した魔術師〜ってのはセイバーが召喚された日の3回の戦闘だけで消耗した魔力量が丁度その位にあたると説明していた事から。その内アーチャー・凛相手にはホトンド消耗していないと思われるので実質ランサー戦・バーサーカー戦での消耗分である250程度だと思われます。
 で、この消耗分を考慮に入れた状態で1000程度と言っていたので、召喚直後のセイバーの魔力量は1200〜1300ではないかと推測。

 ちなみに凛ルート後半の士郎は何気に成熟した魔術師レベルに届いていた様子。
 で、気になるのが強化2の投影5ですか。凛の説明からすると投影ってのはもっと燃費の悪い物のようですが……これは通常の魔術師の場合の話でこっちに特化してる士郎は例外というべきだろうか。

 凛は成熟した魔術師のおよそ20倍。士郎も言っていたけど改めて数字にするといかに彼女が桁違いかがわかる。外部からの供給ってのは宝石による予備魔力の事だろうか。ちと自信ないですが。
 で、凛ルートで士郎が固有結界を展開した時にはかなり大量に吸い上げられていた様子。当時の彼女の魔力量はやや消耗していたので400程度。てことは固有結界には恐らく200〜300程度の魔力量を必要とするという事になるんだろうか。
 ちなみに凛がマスターになった場合セイバーはエクスカリバーを二発撃てるらしい。これが士郎からの魔力供給がない時にかろうじて一発打てた彼女が凛からの魔力でプラス一発分という意味ならば、エクスカリバー一発あたり300〜400程度の消費量ではないかと推測。凛の魔力だけで二発だという意味ならその半分。

 ところで成熟した魔術師という言い方からして、これは一流所と判断した方が良いんだろうかね。なんせもしこれが並の魔術師だとしたらシエル先輩の魔力量は約2500。セイバーよりも多い……。
 そんなわけでシエル先輩の魔力量がどれほどの物かを示す為の比較対象は、セイバーが言う所の「成熟した魔術師」よりランクが下、と判断した方が自然な気がしなくもない。そうすると彼女は凛よりも数ランク上くらいだという事になります。


 18:心象世界

 よくよく考えてみると固有結界らしい固有結界が登場したのって今回がはじめてなんじゃないだろうか。それが現れる過程が描かれたのも。そう考えるとちょっと感動だったりする。

 ただ、アーチャーが固有結界を展開した時に周囲の景色がガラリと変貌した事に実は驚きました。といってもファンブックでのきのこさんの説明からだとこっちの方がイメージ通りなんですけれども。
 んじゃ何故驚いたのかというと、過去に登場した固有結界からはそういうイメージを抱いていなかったからなのでした。
 ワラキアのはホトンド景色は変わらないし、ネロのは体内だし。ロアのは魔術行使における過給機みたいなもんらしいけどそれだけ聞くと景色の変貌があるというイメージはあまりない。
 朱い月の固有結界も……あ、でもあれはブリュンスタッド城周辺の景色自体が実は彼の心象風景だったという可能性は考えられるかもしれませんが。

 でも改めて考えてみれば、これは別に不思議な事じゃないのかもしれない。現実世界の風景も、なぜそういうカタチになっているのかを突き詰めていけば、「現実の常識」に基づく秩序に原因があるからだという事は明白なわけで。
 なら、異なる常識の下においては……と考える。その世界における「常識」が全く異なる物であるならば、確かに出来あがる風景までもが現実世界と全く異なるのも無理はないのかもしれない。

 ちなみにさっちんの固有結界は新しいメルブラのデモムービーに映っているのがそうならば景色が変わるという事になりますが……私はあれが枯渇庭園かどうか疑問だったんですよね。
 いや、確かに見ていてそれっぽいなとは思ったんですが、枯渇庭園の初の御披露目がさっちんシナリオではなく格闘ゲームという形態になる可能性って……どうなんだろう? などと思ったので。


 19:固有結界による制限

 固有結界の中ではその主以外による魔術・能力等の行使が制限されるのかどうかという事について。このあたりに関しては諸説あって、これまでの情報だけだとイマイチその点についてはよくわからんかったと思うのですが。
 ギルガメッシュは普通に宝具を使えてましたね。てことは、固有結界であれば無条件で外界と繋がる能力をキャンセルできるとは限らないのかも。
 そもそも現実を心象世界で塗り潰す物なのだから、魔術・能力行使が制限されるかどうかはあくまで術者の内面次第であって、固有結界であれば前提としてそうである、とは言えないんじゃないだろうかと思った。


 20:固有結界の維持

 エクスカリバーによる斬撃の余波で、"消えかけていた"固有結界は消し飛ばされたとか。ギルガメッシュとそんな何時間も撃ち合ってたとも思えないし、ならばやはり士郎の固有結界も持続時間は数分程度だったという事だろうか? いや、凛の魔力供給があってそのくらいという事か。
 強力ではあるけどやはりというか、魔力を馬鹿食いする術なんだなという事が改めてわかりました。

 そういや固有結界を展開する前に、士郎の中で眠っていた新たな魔術回路が覚醒したととれる描写があったので、これによって士郎の魔力生産量も増えていたのなら凛の魔力だけで維持可能な時間は多少変動するかも。それでも数分単位という範囲である事には変わりはないと思いますが。

 魔術師として桁違いの性能を誇る凛の魔力を以ってそのくらいだとすると、数時間単位で維持できるという二十七祖の魔力ってどんなんだ。
 いやまあ、連中は(全員かどうかはわからないけど)魔術としてではなく能力としてそれを成しているっぽいので、単純に比較したらいかんのかもしれませんが。それでも基本として魔力量は凛よりも上であるような気はしなくもない。
 それとも真祖に噛まれて人間じゃなくなってるから世界からの修正が純粋な人間に比べて弱いのかな? 裏付けは全くありませんが。


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