キャラマテ雑記(1)

 Character materialのネタバレ雑記です。
 例によって順番とかあんま考えてません。ネタ・妄想・考察など分け隔てなく全部ぶち込んでるので、見た目考察っぽくても書いてる本人は自信が無かったりネタだったりする場合もあります。

 01:パンダ師匠

 もう最高だ。

 吾は面影糸を巣と張る熊猫。――――ようこそ、この素晴らしき観察空間へ。

 観察されるのは師匠の方ですけどねきっと。
 あんなずんぐりむっくりでも壁と天井をまるで階段感覚で軽やかに駆け抜けるんですよきっと。
 晴れた日には妙に平べったい姿で物干し竿にぶら下がっている事がありますが、この時は話しかけても返事がないんですよきっと。
 多分ペットショップのネロ店長に狙われており、日夜死闘を繰り広げているんですよきっと。
 店長はせめて足型だけでもー! とか言ってるんですよきっと。
 というかネロに取り込まれたら真っ黒になってパンダでありながらパンダ足りえなくなるような。いやそれとも白黒から灰黒になる?
 どうでもいいですね。


 02:ダウンとパートナー

 温厚な神父さんがとんでもねぇモンスターを転がしているというギャップの素敵さ加減はたまりませんがすみません、少なくともイラストを見る限りは私にはミスター・ダウンはそのモンスターのドライバーにふさわしい容姿(偏見)をしていると感じました。

 パートナーはカレンですかね。元々彼女は月姫2のキャラだったというし。温度が二十度以下になったら廃棄云々の話で、ダウンはそのパートナーの死を運が悪かったとすっぱり諦められるらしい点も、パートナーが彼女だったとすると大変納得がいく。
 ところで彼女、大分肉体が変異しているっぽい。しかもダウンのリアクションから察するに、ソレが日常的光景であるっぽい。
 ホロゥ以降に彼女の体になんらかの異変があったんでしょうかね。被虐霊媒体質がパワーアップした結果なのだろうか。なおダウンとの会話から察するに、専門は悪魔祓いで吸血鬼は専門外であるようだ。
 また、悪魔祓いを食事と捉えているかのような雰囲気ですが、そのあたりどうもDDDに通じる気がしますね。悪魔に悪魔を食らわせているのだろうか。

 そういえばダウンの自分の名前をどうしても思い出せないという症状も、かなり特殊なスタイルの健忘症であるという共通点からなんとなくDDDのアリカを連想させられる。或いはゴドーワードの方が近いかもしれませんが。
 そのダウンの本名ですが、パートナーは普通に知っていた。彼女の口ぶりから察するに彼はかなり知名度の高い人物であるようだ。正確にはその本名が知られているという事で、V&Vインダストリィに居た頃の彼は有名人だった、という解釈で良いのだろうかね。
 もうひとつ気になるのは唯一成体となった悪魔を祓ったという点ですかね。確かホロゥによるとそれは、教会には不可能なので焼却する以外ないとの事でしたが、ダウンは唯一の例外という事になるのか。
 ある条件下で彼の代わりになるエクソシストは居ないとの事だが、素直にその条件とは祓いたい悪魔が成体であった場合、と解釈して良いのかな?
 V&V退社とナルバレックにスカウトされるキッカケとなった事件において、その成体となった悪魔を祓ったのだとするのは早計かもしれないけど……ナルバレックならそんな事が出来る人間が居たら興味を持ちそうだと思うんですよね。まあ、現段階ではまだなんともいえませんが。

 それから辛い物好き同士で通じ合うものがあるかどうかとちょっと興味があったあの人たちの相性ですが、どうやらかなり悪そうな気がしますね。
 むしろ辛い物好き同士であるからこそ、お互いが珠玉と信じる品こそがベストオブ辛い物であると主張がぶつかり合い、一歩も引けないという事なのかもしれない。
 どうでもいいですね。


 03:ヴァン=フェム

 ゼルレッチの宝箱の中でのルヴィアとのやり取りの中に出てきた「フェムの船宴(カーサ)」という単語がある。これを見た際に真っ先に連想したのがヴァン=フェムで、主催は彼なんじゃないかと思ってたわけですが……モナコにいてカジノ船で好き勝手やってるってあたりが裏付けてくれそうな気がする。
 実際前述の会話の中で、ルヴィアは「貴女、モナコは趣味じゃないからとラスベガスを〜」とか、「カジノのオーナーが現れるまでは待機しているつもりでしたが〜」などと言っている。この事からもあっちの士郎が出向いた先は「モナコのカジノ船」であったという事がうかがい知れるのではないだろうかと。

 ちなみにカーサ(CASA)ってのは調べてみたところ、スペイン語だかイタリア語だかで「家」を意味するとか。カーサ●●という名のマンションなりアパートなりもあるので、多分そんな感じの訳になるだろうとは思っていましたが。そういやモナコ公国でもイタリア語は使用されてるそうな。

 電話先のルヴィアと士郎はカジノのオーナーに用事があると見える。ヴァン=フェムの家に用があるとはただ事ではなさそうだが……?
 どうでもいいとは言えないですね。


 04:在りし日の朱い月

 在りし日という言い方をして良いのかどうか微妙なお方ですが。
 ……放浪癖でもあったんだろうか。今回明らかにされた事はブラックモアにちょっかい出してみたとかメレムの村にちょっかい出してみたとか。なに遊んでたんだろうか彼は。
 ああ、いやまあ、彼らの異能が気に入った為か敢えて生かしておいた(蘇生させた)みたいだし、死徒二十七祖ってのは後継者作りの為に足掻いた結果のひとつだというから、多分その為に積極的に色んな場へと出向いていたって事なんじゃないかとは思うけど……どうしてもふらふらと遊びほうけてるイメージが拭えない(笑)

 さて、メレムの村へは通りすがりだったわけで。これは他の真祖と違って彼が地球のシステムには組み込まれていなかったが故にあり得た出来事だったりするのではないか、と考えてみたのだがどうだろうか。
 べつに他の真祖だとあり得ないってわけでも無いんでしょうが、しかし彼らの場合無駄な事は出来ないので、特別な理由が無い限り外出すらしないかもしれない。ならばメレムの村を通りすがる確率はそれだけで随分減るのではないかと思ったのでした。
 けれど朱い月に自由意思があって、何か自分にとって有用なモノはないかとアチコチ出歩いて探し回っていたのであれば、確率はその分増すのではないかなと。
 要するに今回メレムを死徒にした真祖が朱い月その人であったと明らかにされて、そして彼がアチコチにちょっかい出していた事を知って、ああ、「通りすがりの真祖」という部分に妙に納得がいったなという話。

 またこんな風にちょっかい出してまわってた為、かえって敵を多く作ってしまっていたのかもしれないですね。
 尤もアラヤの怪物が動きさえしなければ、リスクよりもメリットの方が大きいと考えていたのかもしれませんが。事実ブラックモアやメレムを配下に出来たわけで。しかし最終的に怪物が動くまでもなくおまえいいかげんにしろーと魔法使いの爺さんにぶちのめされたと。
 真祖は多分先に述べたように好き勝手出来なかったであろう事を考えると、爺さんがオリジナルである朱い月には敵対していたのに真祖寄りであったのにも個人的に納得がいく。
 無駄な事を出来ない真祖たちは鎖に繋がれた番犬のようなもので基本的に危険性は低く、逆に朱い月は繋がれていない狼のようなものであったのではないだろうか。

 かえって敵を作ったといえば、「歌月十夜」は「朱い月」におけるロアの談によると、アルクェイドが活動し始めたばかりの頃、教会は朱い月と同規模の超越種の存在など認めなかったという。
 これは単にロアも述べている通り彼らの体質によるところが大きかったのかもしれませんが、朱い月が実際かつて世界のあちこちを騒がせていた事が原因で、脅威を覚えていたという側面もあったのだと解釈すると話としては面白いかもしれない。面白いだけであの一文からそうと断定するのは難しいですが。


 05:朱い月が消滅した時期

 以前はもしかしたら、朱い月がアルクェイドの一つ前のブリュンスタッド城の城主であった可能性も、と思っていたのですが、メレムとブラックモアの会話内容からその可能性はほぼ消えたと言って良さそうですね。

 彼らの年齢次第では或いはわからなかったかもしれませんが、そのメレム曰く、ブラックモアはメレムを殺すことを千年近く我慢していた事になるらしい。
 ふたりとも朱い月が健在である頃に彼に忠誠を近い、その忠誠の在り方の違いからブラックモアはメレムを嫌っていた。それが千年近く……という事であれば、少なくとも朱い月は千年くらい前までは生きていた可能性が高いだろうと思う。
 ブラックモアが「何らかの理由」によって長期間メレムの忠誠の在り方について気付かなかった、という可能性も無くは無いかもしれませんが、現状ではその「何らかの理由」に該当する事柄が、少なくとも私には見付けられないので。

 で、アルクェイド誕生の時期にはとうに消滅していたのだから、その時期は800年前〜1000年前の間のどこかというところまで絞られるわけか。
 だとすると中世のど真ん中あたりになりますが。確か、今よりも魔術が栄えていた時代だった事になるんだったっけかな? そんな時代で相手が魔法使いであったのならば、朱い月とて敗北の可能性はゼロではなかったという点に今まで以上に納得がいくかも(これまでは納得がいっていなかったという意味ではないです)。
 てことはゼル爺の年齢も千歳くらいってことになるんでしょうかね? 吸血鬼化する前から魔術によって老化を遅らせていたという事でもない限り。

 初代ロアやアルクェイドにとって朱い月が居た時代は、昔は昔だけど大昔というほどでもなかったという事になるのだろう。尤もそれは人間の時間感覚で言えばの話ですが。まあ初代ロアは元々は人間でしたし。


 06:アルトルージュ

 密かに彼女のイラストが掲載されているのを期待していたのだが。

 さて、メレムには嫌われているらしいのだがこれは何故だろう。
 もしかしてアルトの父が朱い月ではない事の証左なのだろうか。まあ、メレムが朱い月の血を引いた者を嫌うというのがちょっとイメージしにくかったからそう思っただけなのですが。
 例えばメレムにしてみればニセモノの癖に本物じみた、それどころか場合によっては本物を上回る能力(歌月十夜でのロアの言による)を持っているのが気に食わないとか、なんとか。色々想像してみたり。
 それとも逆に父が朱い月である事の証左なのだろうか。本物の血を引いているくせに不安定でニセモノっぽいあたりが気に食わないとか。

 或いは単にアルクの髪の毛を奪った事が気に食わないだけだというオチなのかもしれませんが。
 朱い月の血を引いているかどうかはともかく、後継者として半端者であるだけならそんなに嫌ったりはしないが、それが分をわきまえず朱い月と同域の存在であるアルクェイドを傷物にしたのが気に食わない、などと考えているのだろうか。

 そして当のアルトはというと、メレムの事を食べちゃいたいくらいにお気に入りだという。護衛の人は、じゃなくて? ともあれ、食べちゃいたいってのは……文字通りの意味なんでしょうかねえ、やはり。
 しかし護衛にホモでショタ好きな人がいる姫がロリでショタ好きって、違う意味でも凄い集団ですね、アルトルージュ一派。外見年齢十四歳のお姫様が、外見年齢十二歳の天使の如き少年を弄ぶ姿を想像した。で、物陰から覗いている護衛Bがうずうずしてんの。そこへふたなりだいすきリタさんが乱入などしようものならネロとは違った混沌の出来上がりだ。わあ、今更だけど二十七祖って面白い人が多いですね。
 ここまで来ると護衛Aや犬にも何か変な嗜好があるのではないかと思ってしまうのだがどうだろう。特にA氏はかの絶倫超人のライバルと言われているくらいだし。


 07:メレム・ソロモン

 ロケットにはしっかりとアルクの写真が入っていて笑った。
 イラストがカラーだった為にわかったのですが、瞳の色が赤じゃなかった事。まず個人的に気になったのはこの点なんですが、なんかの伏線だろうか。少なくとも死徒である事は明言されているのですが。
 尤も同じ死徒であるネロも赤ではありませんが、彼は魔術を究めてなったタイプ。私の記憶に誤りが無ければ、少なくとも血を吸われてなったタイプで赤色じゃなかった例はこれまでは無かったと思うのですが……。まあ、メレムの場合「吸われた」という記述は文章中には存在しませんが。

 それから本体の戦闘能力はどの程度なのか気になっていたのですが、素直に考えて魔獣たちの能力頼みであり、本体には彼らを再想するか、条件次第で新たに魔獣を作り出す事が出来るくらいであると考えるべきでしょうか。
 死徒なんだから一応相応の身体能力は持っているかもしれませんが、戦闘技能及び戦闘に活かせる固有能力となると、そんなに秀でているわけではないって感じで。
 その能力は他人の願望を必要とし、自分の好き勝手に作り上げる事が出来ないってあたりだけ、士郎にちょっと似ているかもしれない。士郎は実は好き勝手に投影する事もできますが、本当に使えるものを投影するならお手本が必要だし。

 朱い月をアレほどまでに崇拝しているのは……結果的に自分を拘束していた村人たちから救ってくれたから、という単純な理由ではなくて(もしかしたらそれもあるのかもしれないが)、自分が生み出したいかなる幻想も朱い月にかなわなかったという事実が大きかったのかもしれないと思ってみる。
 同格のモノを絶対に自分では作り出せないという事実がある種の憧れとなったとか。だからこそ月をモチーフにした想像をタブーとしているのではないかなと。
 どうせその分野の頂点にある朱い月にかなうモノなど自分には作れないし、不出来な同類などを作るのは朱い月に対する侮辱であると考えているとか。ちなみに前項でアルトの父が朱い月であったと仮定した場合に彼女を嫌う理由として書いた事柄は、この推測が元になっています。
 もしも上記の推測が正しかった場合、メレムがアルクェイド以外の真祖の事をどう思っているのか興味深い。


 08:四大の悪魔

 「四大」のっていうからそれぞれ地・水・火・風の属性を司っているのかとずっと思っていたのですが、違ってたのな? 少なくとも鯨犬は地属性っぽいイメージがあったので、左手の司祭の正体次第では或いは、と思っていましたがネズミ。
 うーん、あからさまにそういう容姿をしているというわけではないだけの事で(魔術師にも属性はあっても基本的に容姿は人間のそれであるし)、実際にそれらの属性を持っている可能性もあるかもしれませんが。
 例えばネズミが水、鯨犬が地、機動兵器女神様が火、エイが風。……と言われたとしたらまあそんな感じはしないでもないかもしれない。
 それとも人体がこの四つの属性を兼ねている話と、メレムが己の四肢としている事(つまり、人体を担う存在である)にちなんでの「四大の悪魔」なのだろうか。
 或いは老子の方の四大で道・天・地・王? そういや司祭の正体、ネズミの王さまとか言われてたりしますけれども。

 それから彼らがメレムに従っているのは冬木の聖杯戦争で言う所の令呪のような特別な縛りがあるから形式的に、ということではなく実際に両者の関係は良好であるように見える点がちょっと良いなと思った。
 尤も想像主であるメレムさえ健在であれば、彼らも何度もよみがえる事が可能だという点も大きいでしょうが。
 名前を与えたら本当に自由になってしまうという話ですが、あれだけ良好な関係なら大丈夫なんじゃないのかね。ああしかし、「メレムの意思」で手足として固定するのが困難になるかも知れないのかな。それは不便だ。
 例えば聖杯戦争のサーヴァントの場合、目的が戦闘であれば令呪なしでも彼らと協力関係を結ぶ事が出来れば戦いは続けられる。けど彼らに手足として固定するのと同等の命令をしたいとなると、そうもいきますまい。

 なお言うまでも無いかもしれませんが、個人的には女神様が一番お気に入りです。住んでみたい。


 09:四大の悪魔の戦闘能力

 彼らは単体で死徒二十七祖に匹敵するようですが、同時にメレムがアルトの護衛のひとりと相打ちがやっととも語っている。二十七祖級だが、二十七祖中でも上位の戦闘力を持つ相手には四体がかりでも分が悪いという事なのだろうか?

 しかし何度でも再想できるのなら持久戦に持ち込めば確実の勝てるのではないか、とも思われるかもしれませんが、多分ネロのようにはいかないのだろう。
 恐らく再想にはその都度相応の時間と労力を要する(ネロが獣を再生するのには具体的にどの程度必要とするのは不明ですが、少なくともメレムよりは楽に出来そう)のだろうと思われる。
 朱い月との戦闘におけるメレムの死因が能力の過剰使用による負荷であったと思われるし。恐らく、そんなポンポンと短時間で再想できるわけでもないのだろうなと。
 その証拠にアインナッシュにやられた魔獣は、少なくとも戦闘直後は復活していません。だからシエル先輩に対して逃げるんなら今のうちだよーと言っていたわけで。

 しかしなんだ。パレードで魔城をおとしたらしい白騎士だの、その魔城を幾つも持ってるヴァンだの、アインナッシュだのネロだのと、一人で軍隊じみたのが多いですね、二十七祖。
 メレムが相打ちってあたり、もしかして黒騎士もひとり軍隊的な能力の持ち主なのだろうか。或いはあくまで対人能力だが、ケタが違うか極めて特殊なものであるかなどの理由でメレムの魔獣四体がかりでも相打ちがやっとなのか。
 そういえば彼の場合攻撃向けの能力よりもむしろ防御、時の呪いとやらに起因する不死性の方も無視できませんね。
 彼の不死性がどんなもんかまだ具体的にはよくわかってないのですが、攻撃を受けようと死にさえしなければ、逆に彼の方が持久戦に持ち込む事によって優位に立てる可能性も考えられる。
 仮に夜のアルクェイド並に頑丈だとしたら、考えようによっちゃメレムの魔獣たちにとっては相性が悪い可能性もありうるかも。

 思うに魔獣たちの能力は、ネズミ司祭を除いて広い範囲・多数の敵をまとめてぶっ飛ばすのに向いていると思う。結果白騎士相手だったらまんま戦争、というか怪獣対軍隊の如き勝負になるだろう。
 しかし鯨犬が、白騎士と同じく物量を長所とする(多分)アインナッシュ二代目とは相性が悪かったとの事。これは倒しても倒してもうじゃうじゃと代わりが出てくるという点と、数が多いが故に中には瞬時にして死角にまわりこめる個体も多数出て来る点が原因なのではないかと個人的に推測している。

 仮にそうであったのならば、アインナッシュのような数の暴力ではなくとも、物凄く死に難いヒトガタ一体が相手だった場合でも同じ結果となる可能性が考えられないだろうか。
 倒しても倒しても代わりがうじゃうじゃ出て来るというような事はなくとも、そもそもその相手がどんなに攻撃しても死なないという事であれば、結果的には似たようなものであると言えるかもしれない。相手がリィゾではなく殺人貴であったのなら、一発良いのを当ててしまえばその時点で終わりなんだからそういう事にはならんのでしょうが。
 ゲーム風に言うなら残機を無制限にするか自機を無敵化するかの違い。どっちの手法をとろうと難しいステージのクリアが格段に楽になるという結果だけは同じ。
 そしてリィゾならば吸血鬼ならではの敏捷性を生かして、瞬時にして死角にまわりこむ事も可能なのではないだろうか。
 つまり、アインナッシュが数で実現していた鯨犬の攻撃の無意味化・死角の保持を、リィゾは不死性と敏捷性で実現するのではないかという考えです。
 もしも魔獣たちにゲイボルクのような対個人に特化した特殊能力があれば話は違ったのではと思うのですが、現状そうととれる記述は見当たりません。

 うーん、情報が少ない段階でこういった予想をすると後で大ハズレして恥をかく可能性が高いというのにだらだらと書きすぎたかも。まあともかくこんな感じなんじゃないかと現段階では考えています。


 10:グランスルグ・ブラックモア

 容姿は意外でしたが、ああでもこの方がそれっぽいなと妙に納得させられた。
 社交的な死徒であるらしい。魔術を究めてなったというから、典型的な研究者タイプでそんなのには無関心なんじゃないかと思っていましたが。
 或いはこれは監視という目的もあったりするかもしれないと個人的に思ってもいる。積極的に色々な場に顔を出して、朱い月の意に反するような輩は居ないかと眼を光らせているのかも。死徒でありながら死徒に対して強力な能力を持つ彼は監視役に向いているとも思うし。
 上記の推測が正しいかどうかは別にしても、十六位の一派が彼の判断基準で言えば主の意に反する粛清対象だった可能性は高そうですね。いや、彼の言動からするにほぼ確定と言って良いか。

 ところでメレムと会話をしていたのは使い魔で、魔術で擬似的に本人の声で喋らせていただけだったのだろうか。再会を楽しみしていると最後に言っていたからには、あれは再会ではなかった事になるわけで、つまりあそこに本人は居なかったのかなと思ったのだが。
 或いは会話はしたものの直接顔をあわせたわけではないからそう言っただけで、あの場を訪れていたのは確かに本人だったのかもしれませんが。

 本人がどうのこうのといえば、彼の本体は教会によって封印中だという設定は現在なお変更されていないのだろうか。
 変更されていないと仮定すると……メレムはブラックモアを普通に戦力に数えていたわけだが、これはもしかして教会側である彼が裏切って、ブラックモアの本体の封印を解くつもりであるという事になるのだろうか。

 能力的には死徒中でもトップクラスだという。十六位なのはたまたま滅ぼした祖とその一派がそうだった為に、その位を受け継いだだけと解釈するべきか。
 なんせメレムの言動から察するに、彼と組んだ場合アルトルージュ一派を護衛ごと打ち倒せるようである。
 無論これは彼の能力が対死徒において強力であるという点が大きそうだ。ネバーモアという固有結界は、一体どのようなものなのだろう。
 前十六位の一派は傷を負う事無く絶命していたようだ。カラスは死を連想させる鳥ですが、そのイメージにぴったりだ。
 そしてブラックモアが優れたソウルキャリアーであるという記述。
 魔術の世界のおいて鳥は死後の魂を運ぶ存在であるという記述。
 死者に対してのみ厳しいという記述。
 ……魂を奪い取るという単純な想像しかできなかった。特に生者ではなく死者の魂に特別効果があるという事だろうか。
 肉体が大きく破損した所で復元してしまう吸血鬼といえど、魂を奪われてしまえば恐らく生きてはいられないだろう。確かに死徒に対して強力な能力であると言えるかもしれない。
 鳥が死後の魂を運ぶという考えを持つ者の心象世界。その世界においては、死してなおこの世に留まっているモノは悉く魂を奪い去られるという事なのだろうか。
 そしてそれはメレムの魔獣たちですら例外ではなさそうだ。尤もネバーモアにやられたという明確な記述はありませんが……彼にそうであったのならあの魔獣たちも死者扱い?

 あとは彼の能力と、朱い月が面白がった偶然とやらに関連性があるのかどうかも気になる所。
 固有結界ってのは割りと融通が利かない印象があるから、本来はネバーモアの中ではブラックモアといえど死徒である限り魂を失うが、彼の場合たまたま持っていたなんらかの特性のおかげで例外となったのではないか、などと妄想してみましたが。今の所妄想でしかないですね。

 余談ですが、朱い月に仕えるブラックモアという構図から、神に仕える八咫烏を連想した。象徴するものが太陽か月かの違いはありますが。


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