これに関しては現時点では空想具現化と固有結界が確率に干渉する物である事が分かってはいるものの、具体的に干渉の仕方がどう違っているのかがわかっていないのでなんとも言えない。故に以下は想像である。
固有結界とは術者の心象世界を現実世界に侵食させた物。「世界」を侵食させるのだから、カタチだけ心象世界を模していてもそれは出来の良いジオラマとなんら変わりは無い。魔術師の「城」のように、自身にとって有利な場でなくては意味が無いだろう。
故に結界内に構築された異世界を統べる法則は現実世界のそれとは別物であり、恐らく術者にとって都合の良いものであると思われる。
つまり、確率に干渉する事によって世界を統べる法則の一部を特定の領域内に限って書き換えてしまうか、或いは法則に従いながらも術者にとって都合の良い結果のみがでるよう世界を変貌させる、というものが固有結界を作り出す魔術の実態なのではないだろうか。
そして複数の事象を引き起こせないのか、という事に関して。これは恐らく見た目はそうではないかのように見えるが、実際には複数の事象を引き起こしているのではないかと私は考えている。
まず、新たな世界を作り出す為に既存の世界の様々な法則に干渉する必要があるわけだから、その時点で複数の事象を引き起こしていると言えるだろう。
もうひとつ。術者の心象世界は事実上術者の数と同数存在していると言えると思う。かといってそれと同数の魔術が存在しているとは考え難い。
やはり「術者の心象世界を具現化させる」という効果をもつ魔術がひとつ存在しており、そのひとつの魔術によって具現化される異界が術者毎に異なるという事なのだと思う。
よってその魔術自体はひとつで複数の世界を具現化できる、つまり空想具現化同様単体で複数の機能を有するという事になるのではないだろうか。
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