志貴の能力は
アルクェイドの吸血衝動
を殺せるか

 この文章は私がTYPE-MOONさんのネタバレ掲示板に投稿した記事を元に再構成した考察に、更に「Talk.」で得られた情報を加筆したものです。

 殺人鬼同士の会話でもう一人の殺人鬼が「(志貴の能力なら)魂や感情までも殺せる筈だ」と分析していた。感情の方は不明だが魂の方は実際殺せている。この事から衝動と感情という違いはあるもののどちらも精神の働きであるので吸血衝動を殺せる可能性は有り得ると思う。
 ただ、感情やら衝動などといったものの死を視ようとする場合、物理的に存在するモノの死を視るよりも脳への負荷は大きそうだ。よって実際アルクェイドの吸血衝動を殺そうとした場合、志貴の脳が過負荷に耐えられるかどうかはあやしい。

 また、「志貴の能力は遠野の血だけを殺せるか」でも述べたように、アルクェイドから吸血衝動を取り除いた後も今までどおりの彼女のままでいられるという保証もないだろう。
 その可能性を示唆するのが「Talk.」におけるメレム・ソロモンの言葉。これによると彼は真祖の吸血衝動は感情に起因するものであり、人を憎いとか愛しいと思うほどその衝動は強まると推察しているようである。
 これが事実ならば吸血衝動を殺す、という行為はアルクェイドの志貴を愛しいと思う感情を殺してしまう事となる可能性がある。下手をすれば全ての感情を失ってしまう危険性さえ有り得るのではないだろうか。
 そもそもアルクェイドと志貴に幸せに暮らして欲しいというファンの心情から「志貴の能力で吸血衝動だけを殺せないだろうか」という意見が生まれたものだったと思うが、それによってもしも上記のような事になってしまったとしたらファンの心情を考えると本末転倒である。


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