オルトの正体について

 この文章は2001年5月のレヴォにて月姫読本が発売された直後に書いたものです。

 死徒二十七祖のひとりに数えられているオルトの正体に関するヒントが月姫読本に収録された奈須きのこさんの小説「Notes.」から得られた。かもしれない。

 ずばり言ってオルトは「Notes.」で言うところの「アリストテレス」なのではないだろうか?
 理由は月姫用語辞典のオルトの項に「タイプ・マアキュリー」と記載されていたこと。アリストテレス達は皆、タイプ・○○○と呼称されており、○○○の部分には太陽系を構成する惑星の名前が入る(*1)。つまりタイプ・マアキュリーたるオルトは水星からやってきたアリストテレスである可能性が高いと思うのだ。

 さらに言うならこの「Notes.」の世界に登場したブラックバレル、日本語に訳せばまさに月姫にチラっと登場した「黒い銃身」となるので両作品の世界が同一のものである可能性が高まってくる。それに伴ってオルトがアリストテレスである可能性も高まってくるというわけだ。

 なお、オルトは西暦以前に南米に落ちた、とされている。「Notes.」において「アリストテレス」という名前は旧時代の学者に由来するかのように書かれていたのでこの物語の時代設定ははるか未来であると思われる。そうなるとオルトが現れたのが西暦以前であるなら矛盾が生じてしまう。
 が、これは「アリストテレス」が各惑星の最高位の生命種に与えられる称号じみたものであると考えれば説明はつく。つまりオルトは西暦以前の、そして「Notes.」の世界におけるタイプ・マアキュリーはおそらくその時代の水星における最高の生命種なのではないだろうか。
 或いは「Notes.」の世界のタイプ・マアキュリーがSFでは良くみられるタイムスリップなりで西暦以前に落ちたのがオルトである、という可能性もありうるかもしれない。

 ただ、全く関連性のない複数の作品に同じ容姿、名前のキャラ(同一人物にアラズ)を登場させる、ということをやっている作家さんもいらっしゃるので今回の考察は全くの無意味だったことになってしまう可能性もあるのだが…(笑)


*1:…となるとTYPE-MOONさんのサークル名についてもちと深読みしてしまうんですが(笑)



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