黒い銃身は
ブラックバレルなのか

 シエル先輩がアルクェイドとの対決に備えて用意した「黒い銃身」と、「Notes.」に登場した「ブラックバレル」。後者は和訳するとそのまま「黒い銃身」となる事や、きのこさんの作品は基本的に同じ世界設定が用いられる事、実際「月姫」と「Notes.」の両方にアルティミットワンと称される存在が登場している事からも、両者は同じモノなのかもしれない。

 だがもしそうであるとした場合、これを持ち出したシエル先輩に対するアルクェイドの反応が少々小さかったように思われるかもしれない。
 朱い月がアルティミットワンであるならば、その転生先の最有力候補であるアルクェイドもアルティミットワンに対して決定的なダメージを与えうる兵器をもっと警戒するのが普通ではないかとも考えられる。

 だが、これは黒い銃身とブラックバレルが別物であるとする根拠としては不充分だと思う。
 その理由に関してはいくつか考えられる。

 1:Notes.の世界と月姫世界の状況の違い
 2:ブラックバレルで撃ち落されたタイプ・ヴィーナスが実際には生きていた
 3:使い手の問題


 1に関して。
 両世界は主に「ジン」に関する事で大きく状況が異なっている。ジンを多量に含む存在であるほど効果が大きくなるというブラックバレルの特徴を考慮に入れると、月姫世界ではNotes.の世界ほどの効果は期待できないという可能性が考えられる。

 2に関して。
 つまり、アルティミットワンに対して決定的なダメージを与えられるとは言え、実際にはそれは一撃で完全に滅ぼすというほどのものではなかったのかもしれないという事である。
 そうであれば、アルクェイドも油断さえしなければどうにか逃れられるかもしれない。

 3に関して。
 無論シエル先輩が闘う者として不出来であるという意味ではない。むしろアルクェイドが極端に優れているという事である。
 アルクェイドにとって脅威となりうる兵器を装備しようと、その使い手であるシエル先輩は反射速度・瞬発力共にアルクェイドに及ばない。よって戦闘になったとしてもシエル先輩の攻撃は当たらないか、或いは攻撃すらさせてもらえずに勝負がついてしまう事もあり得る。

 これらの事を考慮に入いれれば、アルクェイドのリアクションは小さすぎるという程でもないと言えるのではないだろうか。
 結論として、黒い銃身とブラックバレルは同じモノである可能性が高いのではないだろうか。


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